Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • ムア・在るがままの存在
    河原で石ころを拾うと思わず「これはヘンリー・ムアだ」と呟いてしまうことがあります。水に洗われ風に晒されて造形された小さな石ころが、まさにムアの作る彫刻に近いボリュームを感じるのです。在るがままの自然(存在)、これがムアの彫刻なのかもしれません。自分は学生時代に人体を塑造することで彫刻の世界に足を踏み入れました。ボリュームのある塑造が自分の理想でした。イギリス彫刻界の第一人者であるヘンリー・ムアの豊かな塊をもつ彫刻は自分の理想でした。自分が憧れた軽やかな造形はその後に出てくるもので、初めはロダンでありマイヨールであり荻原守衛であり、やや抽象傾向を求めるとすればムアでした。抽象傾向と言っても大地から現れたような存在感をもつムアの彫刻はまさに具象の王道をいく造形とも言えます。母子像のようなテーマは命の源を表現していて、その大きさに健康的な精神が宿っていると感じています。                    Yutaka Aihara.com
    搬出という幕引き
    「構築〜解放〜」は第一幕の役割を終えて解体しました。またまた手伝いの方々の手を煩わせて丁寧に梱包されてしまいました。今度いつお目見えするのか見当がつきません。「RECORD」もエアキャップで包まれました。額は来年も使う予定ですが、次はどんな作品が納まることになるのかこれも見当がつきません。展覧会をやってしまうと作品は一人歩きを始め、自分の手を離れます。梱包されて戻ってきても何か違うモノになっています。カメラマンが撮影にやってきて映像として残すことはしていますが、それは映像という表現に生まれ変わって、また別の世界を作ることになります。というのは記録的な要素だけでなく、さらに一歩踏み込んだ写真ならではの表現になって、それはそれで面白いのですが、実体としての存在を示すのはまた次の機会を待たなくてはなりません。今日は搬出という幕引きに一抹の寂しさを残して横浜での発表を終えました。 Yutaka Aihara.com
    至福のひと時
    横浜市民ギャラリーには雪にも関わらず多くの方々が来られました。児童生徒作品展を見たついでとはいえ、私たちのグループ展も盛況でした。自分にとって一番嬉しいのは、自分に関わりのある若い世代の来客です。美大生や美大を目指す10代の子たち。自分と同じ道を歩もうとしている彼らは期待とヤル気と不安を抱えてやってきます。出来るだけサポートして希望を叶えてあげたいと思っています。受験前の不安を訴えたり、創作活動の手段や方法を相談されたり、アートの意味を問われることもありました。アートは生涯教育としても最高のものだと思います。その素晴らしさを多くの人にわかってもらえればと願い、丁寧な応対をしています。いや、しているつもりです。それは自分のとっては至福のひと時でもあります。師匠からいただく厳しい刺激と若い世代からいただく純な気持ち。そんなことに支えられて創作を続けられる自分がいます。                     Yutaka Aihara.com
    美術鑑賞のノウハウ
    今日は終日横浜市民ギャラリーにいました。今日だけで1000人を超える入場者がいて大盛況です。というのも同館3Fでは児童生徒作品展が開催されていて、小中学生やその家族の方々が作品展を見に来たついでに私たちのグループ展を見ていくのです。昨年もブログに書きましたが、今年も小さな子どもたちが美術作品にどんな反応を示すか観察することしました。全身で興味を表す子どもたちの反応はとても参考になるのです。アートは理論や哲学が必要ですが、同時により本能に近い子どもが示す態度も軽視できません。しかしながら今日は気になったことがありました。作品によっては体験型の遊戯を伴うものもあるのですが、私たちのグループ展はそういう表現はなく、眼で見て鑑賞するものばかりです。そこに親子連れがやってきて、子どもが私のテーブル彫刻の下に潜り込み、顔を出したところを写真に撮る親御さんがいました。思わず注意を促してしまいましたが、補強金具を使っていない私の彫刻が倒れてきたらどうなるのかと思うとちょっと焦りました。それよりも小さな子どもに対して美術作品の鑑賞のノウハウを親御さんは教えるべきではないでしょうか。将来に向けて文化遺産を大切に扱う心を育てるのはこうした小さな頃の体験によるところもあろうかと思います。市民ギャラリーはそうした教育の場でもあると考えます。自分たちの作品を云々することを言っているのではありません。展示されているものをどう鑑賞するのか、市民意識の高まりを期待したいところです。
    寒い2月に思うこと…
    2月になりました。昨年の2月1日は「RECORD」制作の第一歩でした。また今日からセカンドシーズンの第一歩が始まります。彫刻の新作も考え始めています。陶彫ランプシェードは既に制作が始まり、成形が終わって乾燥させているところです。継続は力なりというコトバを信じて、日々時間を作ってやっていくつもりです。さしずめ今月は陶彫を中心に仕事を進めていきます。乾燥している冬場は陶土にとってあまりいい季節とはいえませんが、時間的に余裕のない自分には仕方がないことです。木彫の大作が終わったので次は陶彫でカタチを考えていき、いずれはこの2つの素材が両輪のようになって、ひとつにまとまるといいなと願っています。寒い2月の作業場でこんなことを思った一日でした。                  Yutaka Aihara.com