2006.09.27 Wednesday
たしか「グリーヒェンバイスル」という名の居酒屋(いや、高級レストランかな?)だったと思います。なんせ20年以上も前の記憶ですから、店の名はハッキリしていません。歴史に残るような芸術家、著名人のサインが部屋中の壁に落書きのように書かれた居酒屋でした。ウィーン旧市街の中心にあるシュテファンス寺院とウィーン運河の間の路地裏にありました。店の入り口に浮き彫りされた人形がありました。そこにも何度か人を案内して出かけました。「ハルプヘンデル」(半分の鶏という意味で、一羽を半分にしてオーブンで焼いた肉料理)をよく注文しました。鶏肉料理では「ウインナーバルト」というチエーン店が有名でしたが、「グリーヒェンバイスル」の鶏肉料理も美味しかったように記憶しています。
2006.09.26 Tuesday
ウィーンのカフェのことをあれこれ思い出しながらブログを書いていたら、ふと今の自分はどうなんだろうと考えてしまいました。今は語る時間があれば、ひたすら制作をしています。作品のイメージをどう具現化するか、どう展開するかで頭はいっぱいです。たまに人と語るとすれば、日本ではファミリーレストランなのです。この違いこそ文化の違いなのかなと思います。頭でっかちになるカフェ。効率よく仕事を進められるファミレス。哲学や純文学が育まれそうなカフェ。雑誌やポップスを軽く受け流すファミレス。そうした環境の違いはどこに影響として表れるのか、ちょっとこれはファミレスではなくカフェで語って見たい文化論です。
2006.09.25 Monday
大学で彫刻を学んでいた頃は、お洒落で手軽な「スタバ」や「ドトール」はなく、いわゆる喫茶店があって、友達と長い時間をそこで過ごしました。芸術論議は大好きで、制作もままならないうちに精神性ばかり語っている歪んだ学生でした。ウィーンに住んでもカフェが大好きで、芸術を語るほどドイツ語力はなかったので、街行く人を眺めたり、在外日本人で彫刻をやっている人と話したりしていました。同じクラスのウィーン女性と話した時は知っている限りのドイツ語を駆使しました。ウィーンのカフェは雰囲気に歴史と文化の香りがして、今思うと何と贅沢な時間だったろうと思います。それにしてもウィーン人はおしゃべりでカフェが大好きな人々で、いったい何時になったら仕事に取りかかるのだろうと思うことも再三ありました。
2006.09.24 Sunday
ウィーンの旧市街には、シュテファンス寺院の地下にあるような墓地があちこちにあり、埋葬された骨を片付けて、居酒屋を営んでいるところがありました。洞窟のような居酒屋は、もともとそこに何があったかを知らなければ、とても雰囲気のよい店でした。日本人観光客を案内して自分も何度か訪れ、赤ワインを味わったりしました。居酒屋でおつまみにする煮込んだ肉や酢漬けのキャベツ(ザワークラウト)は好物でした。
2006.09.23 Saturday
ウィーンの街の中心にシュテファンス寺院があります。目抜き通りであるケルントナーとグラーベンが交差する広場にあるゴシック様式の立派な寺院で、まさにウィーンのシンボルです。そのシュテファンス寺院の地下に墓地があって、一般公開していました。中世にペストが流行し、病死した人々を地下に葬ったらしく、多くのしゃれこうべが放置してありました。自分はとくに興味を持ったわけではないのですが、日本から来た人を案内して度々そのカタコンベに行きました。何回か見ているうち不気味さが消え、その空間が胎内であるような、また生まれ変わっていけるような錯覚を覚えていました。その時から地下に魅力を感じ、それが自分の造形に地下的な要素を考えさせた契機になっているのかもしれません。