2006.11.10 Friday
ウィーンに住んでクラシック音楽に接しないのは愚の骨頂のような気がしてコンサートにはよく出かけました。幸い立ち見(というか立ち聴き)があって安い料金で一流の音楽が堪能出来ました。爪に火をともす生活をしている留学生には随分助かりました。ウィーンの旧市街を囲む城壁の跡に環状道路が作られ、そのリング(環状道路)に沿ってスターツオパー(国立歌劇場)がありました。美術アカデミーから近く、また目抜き通りであるケルントナー通りがあったため、まさにそこが繁華街でした。スターツオパーはパルテレ(1階)、バルコン(中階)、ガラリエ(最上階)に立ち見があって、夕方から立ち見専用の入り口に並び、開場と同時に走っていき、立ち見席の柵に自分のハンカチを縛りつけ、開演まで外で食事を取ったりして過ごしました。当時は毎晩のように出かけていたので、一端の音楽評論家の如くオペラについて話が出来るほどでした。
2006.11.09 Thursday
美術的興味からウィーンに暮らし始めたのですが、ここが世界的に有名な音楽の都であることはよく知っていました。美術留学生は一握り、ところが音楽留学生は音大に行くと、ここは日本じゃないかと思えるほどたくさんいました。観光ガイドをアルバイトでやっていたことがあるので、ブルグガルテンのモーツアルト像やらシュタットパルクのシュトラウス像、中央墓地に眠る大音楽家たちのところへよく観光客を連れて行きました。大晦日近くなると日本の旅行社からの依頼でムジークフェアラインの座席取得にホール横に何時間も並んだものです。クラシック音楽とはこんなにいいものかと日本から来た観光客を横目で見ながら、自分は立ち見でコンサート会場に行きました。音の響きがいかに美しいかを知るのにはたいして時間はかかりませんでした。日本から来たばかりの頃はよくわからなかったのですが、何度か聴くうち、音に心が吸い込まれていく錯覚に陥りました。これが音楽なのかと改めて知った次第です。
2006.11.08 Wednesday
音楽家の家系か、親が特別な趣味を持っていない限り、クラシック音楽が身近にあることはありません。職人家庭に育った私は歌謡曲や浪花節の方が身近でした。妹が音大に進んだのですが、それでもクラシック音楽を身近に感じたことはありません。小学校で習う唱歌、または中学校で音楽観賞の時間に聴く音楽がクラシック音楽との出会いになるのでしょうか。でもそれは音楽を楽しむうちに入っていないような聴き方でした。その頃に音楽的な習い事でもしていれば、もっと違うクラシックを味わったのでしょうが、せいぜい音楽の教科書に載っていたベートーベンのポートレートに落書きをした程度の思い出しかありません。実際に心からクラシック音楽に出会ったのは海外、つまり住み始めたウィーンでのことでした。
2006.11.07 Tuesday
昨日、制作のバイオリズムについてのブログを書き終えた時、ふと新聞に目がとまりました。「朝型のヒト増加中」(朝日新聞)という記事です。「朝が注目されている(略)朝をどのように過ごすか(略)成熟社会の一個人にとって大きな関心事(略)家族が起きる前が唯一の自由時間(略)朝を一日がスタートさせるための神聖でピュアな時間ととらえる人が増えてきた」と記事を追ううちにだんだん嬉しくなってきました。自分も数日前から職場に早く行って、仕事が始まる前に仕事場に入り、制作をしているのです。6時に起床し、6時半に家を出ると7時には職場に到着。それから8時までの1時間がピュアな時間帯です。木と対話しながら彫る行為は、まさに神聖な時間だと思います。8時半に仕事が始まるので残り30分で身支度を整え(ネクタイ等)打ち合わせに向かいます。これが日課になりつつあります。
2006.11.06 Monday
加齢のせいとは思いたくないのですが、丸一日使える制作日は朝早くから作業場に出かけ、9時頃になると制作効率が上がってきます。若い時は朝眠くて、午後にならなければ冴えることがありませんでした。バイオリズムがあるとすれば、今はかなり早い時間帯にやってくるのかなと思います。以前ブログに書きましたが、いつも余力を残して制作を終えています。長く続けるためにはこれがいいのです。その代わり夜は眠くて仕方がありません。家内は深夜に彫金をやってジュエリーを制作していますが、自分は早々と就寝です。制作は朝が決め手になっている今日この頃です。