2006.11.20 Monday
羊の肉は苦手です、と言うか苦手になってしまいました。かなり昔ウィーンの住宅を引き払った時に、エーゲ海沿岸に展開したギリシャ遺跡を見に3ヶ月余りトルコやギリシャを旅したことがあります。そのトルコで食傷するくらい羊肉を食べ、完全に辟易してしまったからです。臭いがするだけでジンギスカン料理は手が出なくなりました。ところが昨日能楽堂からの帰りになぜか和食ではなく、ジンギスカン料理を食べました。不思議なことに美味しく食べられました。トラウマは消えたのでしょうか。昨日は教え子と一緒で気兼ねが要らなかったおかげでしょうか。教え子の初々しい職場体験を聞いて自分も楽しかったので、羊肉なんて気にならなかったのかもしれません。食事の相手に感謝の夕べでした。
2006.11.19 Sunday
オペラの話題が続いたので今日の午後体験したことを書きます。職場の近くに久良岐能舞台があります。もともとは東京芸大にあった能舞台をある人が譲り受け、さらに横浜市に寄贈されたものだそうで、舞台正面の松の絵は日本画家の平福百穂が描いたものです。大変情緒のある建物で、周囲は久良岐公園に続く庭園が作られ、紅葉した木々が素敵でした。今日は狂言のワークショップが行われ、普段では出来ない体験をしてきました。能や狂言と言うとなかなか取っ付き難く敬遠しがちでしたが、日本の文化としては誇れる美意識を持っていることを改めて認識しました。
2006.11.18 Saturday
ギュンター.シュナイダーシームセンは様々なオペラの舞台デザインを手がけた人です。具象的な作風でしたが、スケールが大きく遠近法を巧みに用いた迫力ある舞台でした。カラヤン指揮による壮大なオペラにシュナイダーシームセンの舞台が度々使われていました。オペラを歌手や指揮者ではなく舞台美術として見ることも興味深い観賞方法だと思います。たとえば舞台美術の手法として、イタリアのベルデイやプッチーニは具象傾向が多く、ドイツのワーグナーは抽象傾向が多く見られました。シュナイダーシ−ムセンもR.シュトラウスの「サロメ」やワーグナーの「リング」などは抽象的な舞台を手がけていました。舞台美術家の中には完全に抽象に走る人がいて、オブジェを置いたり、照明だけで舞台を作ったりしていましたが、シュナイダーシームセンは古典的であっても観客が楽しめる舞台を常に心がけているように感じました。
2006.11.17 Friday
ウィーン国立歌劇場の立ち見席で何度もオペラを観るうち、歌唱の巧みさがわかってきました。観客は正直なもので、実力派歌手が出演するオペラは立ち見席の窓口に長い列ができました。歌劇場を一回り以上の長蛇の列が取り囲んでいる日もありました。ロシアのバレエ団が客演した時も凄い混雑で、人の頭の間からやっと見える程度で我慢せざるを得ませんでした。有名指揮者が振る時も盛況でした。カラヤンとかバーンスタインとか既に亡くなった巨匠たちですが、生前ウィーンに来てタクトを振る時がありました。もう必死になって聴きにいった思い出があります。今は昔のこととは思いますが、その時聴いた音楽は鮮烈に耳に残っているから不思議です。
2006.11.16 Thursday
初冬の季節になると情緒豊かなウィーンの街並みが寒々と夕暮れていく情景が目に浮かびます。オペラが上演されるのは国立歌劇場ばかりではなく、フォルクスオパーやもっと小さな劇場でも雰囲気に応じた演目がかかります。「三文オペラ」は小さな劇場がとても合っていて、その情緒のある歌や曲の数々は珠玉のものばかりです。まさに夕暮れていく街並みそのものを表現しているようです。手回しオルガンの音色が何とも素敵で、見終わった後は口ずさみながらウィーンの下宿に帰ったことが思い出されます。