Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 漆喰と砂
    立体造形の表面処理で、陶彫は窯から出したままの状態で使う場合が多いのですが、木の場合はいろいろ考えます。HPのギャラリーのアップしている「構築〜距離〜」という作品は、門やピラミッドを木で彫って作り、その上から漆喰を塗って仕上げました。やや黄色っぽい土壁がイメージにあり、漆喰が合うと判断しました。同じギャラリーにアップしている他の作品は陶彫と板材を組み合わせていますが、板材はすべて砂を硬化剤で固定してから油絵の具を染み込ませています。陶彫の土質と合うように油絵の具で色彩の調整をしています。私の作品には絵画的要素もあると思います。ただし絵画ではなく、あくまでも立体造形の効果として色彩を用いているので、そこに描くという行為はありません。
    立体の表面処理について
    彫刻を始めた頃、構造がしっかり出来ていれば表面なんてどうでもよいと考えていました。表面の色や質感にこだわるようになったのは陶彫を始めてからです。陶芸は使う陶土や化粧土、釉薬によって立体でありながら表面の美しさを楽しむものです。窯だしする時には、窯変して表面に思いがけない色が出て驚いたこともあります。立体構造に加え、この表面の効果的な色合いが作品に深みや雰囲気を出すことを知り、表面処理をかなり重要に考えるようになりました。これは木を使っても同じです。木そのものの美しさを生かすか、表面処理をするかで悩みます。最初のイメージを辿りながら、絵画とは違った意味で色彩と向き合うことが仕上げの第一歩となります。
    テーブル彫刻について
    陶彫によるテーブル彫刻を以前作ったことがあります。テーブルを大地と考え、テーブルの上面をプラス、下面をマイナスとして両方に立体が伸びていくようにしました。むしろ地下に埋もれている部分を表現したくてテーブルにしたのが発想の原点です。テーブルの部分は厚板を使って砂マチエールをつけました。支柱は古い枕木を使いました。横浜の市民ギャラリーでインスタレーションとして発表しましたが、少し手を加えて来年の銀座の個展では、少しまとまった形にして発表したいと考えています。このテーブル彫刻は素材が木に変わっても追い続けている立体の形態です。今年制作している作品もある意味ではテーブル彫刻と言えます。ただし柱がかなりたくさんあって、これには正直梃子摺っているところです。
    制作の小さな分離形
    現在制作中の30本の柱が林立して囲むカタチは「構築〜包囲〜」とタイトルをつけることにしました。まだ手をつけていない柱が6本あり、早速彫らなければならず、時間との戦いになりつつあります。そんな忙しい時に、小さな柱3本で構成するミニテーブルを作って見たくなり、2日ほどで完成しました。このテーブルは雛型とは違います。別個の作品です。「構築シリーズ」のコドモのような存在です。このテーブルに個展の図録を置こうと考えています。サイズの異なる作品を思いつきで作り出すと、今までの自分が抱いていたこの作品全体のイメージを自身ではぐらかすみたいで、ちょっとワクワクします。大きな作品は制作に長時間かかるので、たまにはこうした遊びを入れたくなるのです。
    ダリの幻想と風土
    上野の森美術館でダリのまとまった絵画作品が観られることを知って出かけてきました。マスコミの宣伝もあって大変な混雑振りでした。人の頭越しに観る作品でしたが、それでもダリの並々ならぬ才気を感じる作品に驚きました。幻想世界をリアルに感じさせる卓越した描写。ダリ独特なフォルムにスペインの風土からくる乾燥した空気や強い日差しを感じてしまいます。とくに砂漠を背景に展開するシュールレアリスム絵画は大好きなシリーズです。戯画がかった演出をしていたダリですが、スペインとアメリカの2つの美術館からきた作品を見ていると、絵を描くことだけが全てだったのではないかと思えるほどです。