2020.09.03 Thursday
今月は4回の週末があり、そのうち1回は4連休になります。陶彫制作においては、土曜日に土練りをして座布団大のタタラを数枚用意し、日曜日に成形や彫り込み加飾を行うのが定番になっています。その制作工程のうち一番時間がかかるのが彫り込み加飾で、週末だけではやり終えないこともあります。涼しくなればウィークディの仕事帰りに工房に立ち寄って、たとえ1時間でも彫り込み加飾をやろうと思っています。ただし、現状の蒸し暑い工房ではなかなか意欲が湧きません。ともかく4回の週末で4点の陶彫部品が作れるはずで、そこは計画的にやっていこうと思っています。4連休では新作の土台を作ろうと思っていて、木材は既に購入してあります。厚板材による土台は円形になり、その中に陶彫部品を配置していきます。私は2009年に「構築~起源~」という木彫だけの作品を発表しています。それは土台に穴を刳り貫いて、そこから木彫した柱が何本も立ち上がる作品になりました。さまざまなカタチをもつ柱が群を成してニョキニョキ生えてくるイメージがありましたが、今回の新作では木彫の柱ではなく、直方体の陶彫部品が群を成すイメージがあって、架空都市を見下ろしているような印象になるだろうと思っています。4点の陶彫制作と土台の制作開始を今月の目標にします。もうひとつ考えているのはRECORDの下書き解消です。RECORDの年間撮影を例年9月末から10月初めに行っているので、それに間に合わせようと今月は頑張るつもりです。あれもこれも欲張っていますが、涼しくなることを想定して、制作目標を立てている次第です。
2020.09.02 Wednesday
既に閉幕している展覧会の感想を取り上げるのは恐縮ですが、横浜生まれの國領經郎の画業を自分なりに振り返ってみたいので、詳しい感想を掲載させていただきました。広漠とした砂丘に人物の群像が描かれた絵画が、私の知る國領經郎の世界です。描かれた人物像に生々しさはなく、西洋の古典画法を彷彿とさせる象徴的で様式的な美の世界がそこにあります。國領經郎の世界を眺めていると、イタリアのルネサンス絵画を見ているような錯覚に陥るのは何故なのか、國領經郎はこの大きなスケールで何を求めていたのか、何を表現したかったのか、図録にあった解説からヒントを得ることにしました。「両親との思春期の死別、不穏な時局下の僻遠無縁の地への単身赴任、そして不条理な戦争と兵役という一連の体験によって色を濃くしていった孤独感は、國領の脳裡に消しがたく伏在しつづける。この体験からおよそ20年を経て、國領を砂丘・海浜の空間、砂の主題に逢着せしめることとなった。むしろ、そこにいたるまで、20年の歳月を要したというべきだろう。~略~心の奥に内在するイメージ(心象)が造形に先行するのであれば、そこに現実のモデルの肉体を持ち込むと逆に不自然になり絵にならないのだという。あらかじめ想定されているイメージにふさわしい人物の輪郭、『しなやかな線』といい『理想の線』とも述べる線で象られた人物は、イメージの主要な構成要素であると同時に、背景にある海岸線や砂丘のかたち、雲や草花などの他の要素に呼応し、またはそれらと相補して画面全体の造形に奉仕するものでなければならないだろう。~略~國領は、ボッティチェッリのヴィナスに、性と聖、この二項が絶妙に均衡した、メランコリーとコケティッシュな羞恥をまとう肉体を認めている。」(柏木智雄著)國領經郎の世界には、やはりボッティチェッリを代表とする西洋の古典が入っていて、描かれた人物像にはニーチェが「悲劇の誕生」で象徴したアポロン的理性があるように思えます。人物は時に情念を醸し出しますが、國領經郎の世界の乾いた感性は、我々が知る情念や情動とは別の雰囲気を纏っているように私には感じられました。
2020.09.01 Tuesday
9月になりました。今日はやや涼しくて凌ぎやすい一日になりました。今日は「防災の日」でもあり、今を遡る97年前に関東大震災があり、それが起因となって「防災の日」が設定されたようです。職場でもコロナ渦の中で防災訓練を行いました。災害はいつやってくるのか分からないので、備えは十分にしておこうという意図で防災訓練を決行しました。先月までは暑い日が続き、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症にも気をつけて過ごしていました。今月はいつ涼しくなるのか、創作活動に弾みをつけたい私としては秋が待ち遠しいのです。今月は涼しくなると仮定して、今後の制作目標を考えたいと思います。今月は「敬老の日」と「秋分の日」が合わさった4連休が予定されています。週末を全部創作活動に使うとすると休日が10日あり、新作の土台である厚板材の切断が出来るのではないかと思っています。土台の完成は無理かもしれませんが、大まかな構想は描けると期待しています。陶彫部品もどのくらい作れるのか、見通しをもった計算をしておこうと思います。具体的な制作目標は改めて稿を起こします。RECORDは下書きの山積みが少なくなってきました。RECORD制作に勢いが出てきているので、この調子で頑張りたいと思います。鑑賞はどのくらい展覧会に行けるのでしょうか。映画館に行くのはまだちょっと抵抗があります。読書は先月から継続して、日系彫刻家の伝記とオーストリアの現象学者の書籍に挑んでいきます。
2020.08.31 Monday
8月の最終日になりました。今年は梅雨の長雨から一転して気温が上昇する酷暑となり、今月は35度を超える日が続きました。8月は例年夏季休暇を取得して旅行に出るのが私の定番でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で遠方への旅行は控えて、日帰りで首都圏だけを周遊することにしたので、なかなか気分転換が図れない8月だったなぁと振り返っています。週末は工房に行って新作に挑みましたが、空調のない工房に長く留まれず、予定の半分くらいしか制作が進みませんでした。その分自宅でRECORD制作に励み、下書きの山積みはだいぶ減少してきました。まず、新作陶彫の成果としては6点の成形が終わり、そのうち4点が彫り込み加飾を終えて乾燥を待っているところです。涼しくなれば陶彫制作に拍車をかけたいと思っています。RECORDは山積み解消とまではいかないにしても、自分なりに頑張ってきました。私は生真面目な性格上、どんな作品に対しても気楽に描けないタイプで、RECORDも1点1点に思いを寄せて、しっかり描き込んでしまうのです。日々の制作が重く感じるのは、私自身のせいです。鑑賞は「スーパークローン文化財展」(そごう美術館)、「きたれ、バウハウス」展(東京ステーションギャラリー)、「深堀隆介展」(そごう8階)、「國領經郎展」(茅ヶ崎美術館)、その他として「江戸東京たてもの園」内の「前川國男邸」、フランク・ロイド・ライト設計による「自由学園明日館」(池袋)に行ってきました。1ヶ月の鑑賞としては多いのではないかと思っています。読書では「石を聴く」と「形式論理学と超越論的論理学」を交互に読んでいて、彫刻家イサム・ノグチと現象学者エトムント・フッサールが、現在の私の関心を惹く2人の偉人になっています。これは継続して読んでいくつもりです。
2020.08.30 Sunday
8月最後の日曜日になり、朝から工房に篭りました。猛暑は変わらず汗が滴り落ちる一日でしたが、昨日陶彫成形の準備をしていたので、6点目の成形を行いました。6点目の成形は小さめで、大きな陶彫部品の三段目になる予定です。これはボルトナットで留めることなく、直方体の陶彫部品を積み木のように重ねていくので三段目が限界かなぁと思っています。午後になっても作業をしていましたが、今日は彫り込み加飾はせず、次回に回すことにしました。陶彫成形は面白い制作工程なので、つい夢中になってしまうのですが、工房内の室温のことを考えると無理をしない範囲で作業を打ち切るのが良いと判断しました。というのは今日も美大受験生が2人来ていて、それぞれデッサンや平面構成をやっていたので、彼女たちの健康にも気遣いしました。彼女たちは中国に繋がる高校生たちで、私がいないところでは中国語でやり取りをしています。私がいると何気なく日本語に切り替えます。外国語の切り替えが自然でスムーズに出来ることに私は驚いてしまうのですが、20代の頃に私が喋っていたドイツ語より遥に流暢に言葉を扱うので、10代の子たちの頭の柔軟性に感心してしまいます。2人とも日本でずっと生きていくようで、美大にも日本人として一般受験をする構えでいます。二国間に文化を持つこの子たちは、デザイン業界できっと活躍の場があるのではないかと私は思っています。夕方、2人を車でそれぞれの自宅近くまで送り届けてきました。夜になって、個展に来ていただいた方々にお礼状を送ることにしました。芳名帳を見ると住所が分からない人たちばかりで、結局私が案内状を送った人たちに限られてしまいました。このNOTE(ブログ)をご覧になられている方で、お礼状が届かなかった方には申し訳なく思います。改めてここで個展に来ていただいた方々に感謝を申し上げます。新型コロナウイルス感染拡大が続く中で、わざわざ東京銀座にいらっしゃっていただいて有難うございました。