2018.01.09 Tuesday
先日、常連になっている横浜のミニシアターに映画「ゴッホ 最期の手紙」を観に行きました。レイトショー初日だったためか比較的混んでいて、ゴッホの絵画を使った奇抜なアニメーションに関心が集まっているのかなぁと思いました。当初はストーリーより技巧の方に目が奪われるのではないかと思っていましたが、次第に内容に引き込まれていって、ゴッホの自殺を巡る原因や事実解明に、それなりの解釈を加えた映画だという感想を持ちました。内容は郵便配達をやっている父から、ゴッホの手紙をゴッホの弟であるテオに届けるよう、息子が託される場面から始まります。ところがテオはパリで既に亡くなっていて、息子アルマンはゴッホ終焉の地であるオーヴェール村を彷徨い、ゴッホ自殺の真実を求めていくことになるのです。今も謎の多いゴッホの生涯ですが、オーヴェール村で出会ったゴッホの主治医ガシュは何を語るのか、ここがこの物語の真骨頂かなぁと思いました。技巧に関しては本作の醍醐味になっていて、ゴッホの絵画に似せた油絵がアニメーションとして動きます。図録によると、本作はまず俳優が演じる実写として撮影され、それを基に1秒12枚の油絵を高解像度写真によってアニメ化されたものなのです。なんと62,450枚もの油絵が、各国から選ばれた125名の画家たちによって制作されたようです。図録には美術家森村泰昌氏による「絵画が動くという美術的な時間軸と、物語が展開していくという文学的な時間軸」という言葉がありました。日本人画家として制作に携わった古賀陽子氏の語るエピソードにこんな一文がありました。「何十とあるコマの途中に不備が見つかるとその箇所以降のコマを全て描き直さなければいけませんでした。そういう事が何度かあり大変でした。オーヴェールの教会のシーンを担当した際、オーヴェールの教会の模写をしましたが『似ているだけではダメ。かすれ具合なども全て同じにして』と上司に言われ、苦労しました。」本作は技巧的に渾身を込めた映画であることは疑う余地はありません。
2018.01.08 Monday
12月23日から設定した職場独自の三連休、12月29日から1月3日までの6日間に亘る休庁期間、1月6日からの成人の日までの三連休、といった年越し連休は今日が最終日になりました。飛び石連休だったとは言え、創作活動には有効な日々でした。ただし、今年は昨年の年越し連休のように連続して創作活動に埋没することは出来ませんでした。今年の夏に企画していただいている個展に向けて、連休が終わった今、全体の作品としてはまだ半分ほどの出来上がりですが、制作工程の上では順調です。今日は成人の日で、工房は今までにない寒さになりました。どんよりとした天候で、時折雨が降ったために体感的に寒く感じたのかもしれません。数年前の成人の日に大雪が降りました。家内が神奈川公会堂に演奏に出かけ、私は徒歩で駅まで迎えに行ったのでした。その時は成人を迎えた晴れ着姿の女性たちが長々と列を作ってタクシーを待っていました。成人の日と言えば思い出す辛い一日ですが、今日も雨の中を成人式に向う人たちは大変だなぁと思っていました。工房では彫り込み加飾をやっていました。今日一日で3点出来上がりました。彫り込み加飾は、成形した陶彫部品に矩形の文様を彫っていくもので、平面的で地道な作業です。ずっと作業台の前に座っていたため、寒さが堪えたのだろうと思います。夕方、自宅に帰ってきたら寒さで疲れました。今日も小さめのテーブル彫刻には手をつけられませんでした。窯入れも予定していましたが、明日から暫く若いスタッフが工房を使うため、窯入れは1週間遅らせることにしました。窯入れしてしまうと電気の関係で工房が使えなくなるからです。私はまた来週末に作業を行います。
2018.01.07 Sunday
三連休の中日です。朝から工房で陶彫制作に明け暮れました。昨年暮れの休庁期間に立てた制作目標である陶彫の「根」部分16個の完成は、何とか今日出来上がりました。と言っても彫り込み加飾は明日行うので、実際の完成は明日になります。「根」部分とは、新作の大きなテーブル彫刻の床に配置する陶彫部品から4つの根を4方向に這わせていく部分を言うのですが、その4本の根は4個の陶彫部品の連結によって長くしていきます。2013年に発表した「発掘~地殻~」の屏風から迫り出した部分や、2014年に発表した床置きの「発掘~増殖~」が今まで作った連結する集合彫刻でした。今回新作で応用する「根」部分はそうした過去作品と同じように連結するものです。4本の根にそれぞれ4個ずつとなれば陶彫部品は全部で16個になりますが、私の計算ミスで1個多く作ることになり、「根」部分は17個で構成される予定です。4本のうち1本の根が一関節長くなってしまったのですが、案外面白いかもしれません。今日は陶彫成形に終始してしまって、小さめのテーブル彫刻の2点目のテーブルを作ることが出来ませんでした。それは明日の三連休最終日に持ち越しになります。小さめのテーブル彫刻3点の厚板切断は、この三連休は無理そうです。とにかく制作目標は「根」部分の完成を目指していたので、目標達成と言って差し支えないと思います。今日は夕方になって、古くなった自宅のテーブルクロスを買いに、家内と横浜中華街に出かけました。今のテーブルクロスは中華街にある雑貨店「チャイハネ」で随分前に買ったものでインドネシア製の織物です。綻びがあちらこちらに目立つようになり、色彩も薄れてしまいました。これだけ使えば多少値の張るものでも充分ではないかと思っています。今回もアジアの織物を仕入れてきました。食卓は生活には大切な空間です。食器の下に敷くものも美しさを意識したいと私は考えていて、創作は衣食住の生活環境からも影響を受けるものと思っているのです。
2018.01.06 Saturday
月曜日に成人の日があるため、今日から三連休が始まります。正月の休庁期間が明けて、2日間職場に出勤して、またこの三連休は、創作活動をする者にとっては嬉しい限りです。休庁期間にやり残した制作を続行するため、朝から工房に篭りました。若いスタッフも来ていて、お互い張り詰めた時間を過ごしました。私は今日からやや小さめのテーブル彫刻に挑みました。まずテーブルの大きさを一辺90cmの正方形に定め、厚板を切断しました。テーブルは4本の柱で支え、下に吊り下がる陶彫部品は一辺40cm、高さ80センチのピラミッド型の角錐にすることに決めました。さらに二つテーブル彫刻を作りますが、これは次回にしようと思います。今後は大きなテーブル彫刻と小さめのテーブル彫刻3点を併行して作っていくことになります。夕方になってスタッフを車で送っていきました。些か疲れた今日の作業でしたが、夜になって常連になっている横浜のミニシアターに家内と映画を観に出かけました。私の新春第一号の映画は「ゴッホ 最後の手紙」で、驚くべきアニメーションによるものでした。125人の画家によるゴッホのタッチを再現したもので、まさに動く油絵とも言うべき映像に面食らいました。この映画はその奇抜な技法をもってゴッホの自殺を巡る事実関係が明かされていくストーリーで、ゴッホの世界観そのままに描き出したサスペンスでした。詳しい感想は後日にしますが、ゴッホの独特なタッチが揺れ動いて、心理的には落ち着かなかったと家内は感想を洩らしていました。ただし、手間暇のかかった試みであることに変わりなく、ゴッホの名画があちらこちらに登場して、ゴッホが好きな人たちにとっては堪らない映画であろうことは間違いありません。三連休初日は充実した時間を過ごすことが出来ました。
2018.01.05 Friday
今年も月毎にテーマを決めてRECORDをやっています。昨日のNOTE(ブログ)に書いたように今年の方針として1ヵ月分の画面構成を決めてやっています。今月は正方形の格子状の枠を作って、そこに絡むデザインを考えています。今年のテーマは漢字一文字にしました。漢字一文字のテーマは2013年と2015年にやっていますが、いろいろ考えた挙句、同じ文字のテーマになっても絵柄が変われば問題はないと考え、漢字一文字を採用しました。今月は「対」にしました。「対」には、一対、対峙、対話、対応など相対する何かが緊張をもって存在するイメージがあります。出来るだけ多くのバリエーションを考えて、今後の展開を試みようと思っています。というのは1年間の最初である1月のRECORDは重要で、この1ヵ月次第で年間のスタイルが定まっていくと言っても過言ではありません。RECORDは毎年厳しい状況になってしまうので、今年はそうならないように決意を新たにしていきます。