2017.08.19 Saturday
台湾に来て2日目になりました。日差しが少ない今夏の日本に比べると、台北市は晴れて蒸し暑い日が続いています。不慣れな街をどう巡るのか、これは観光ツアーに参加するのがベストと考えました。今日は市内観光ツアーを申し込み、観光バスを使って街中を見物することにしました。朝は行天宮という寺院に立ち寄り、総統府や中正紀念堂を周りました。台湾では蒋介石の巨大銅像があって、人々に敬意を払われている様子が伺えました。午後は國立故宮博物院に行きましたが、ここがツアーの悲しいところで鑑賞時間が限られ、國立故宮博物院見学を目的にしていた私は忽ち芸術の消化不良を起こしました。これはまずいと思って、明日は空港に行くまでの時間を全て費やして國立故宮博物院を見なくてはならないと決めました。それでも走るようにして見た工芸品の数々は強力な磁力を放って私に襲いかかってきました。これをじっくり鑑賞しなければ一生悔やまれると思ったので、今日のところは展示の構成を知る下見と考えることにしました。他のツアー客にとって鑑賞は1時間で充分と思っているかもしれませんが、私は何日でも國立故宮博物院に通える拘りがあるのです。観光ツアーは台湾茶を購入させるために、ツアー客を店に連れて行ったり、マッサージの効能を教えるために、体験を入れたりしていましたが、興味関心が偏っている私は、こんなことをするなら國立故宮博物院に少しでも長くいたいと考えていました。ホテルに帰って家内にそのことを話したら、家内も快く了解してくれました。家内も國立故宮博物院にあった装飾具に興味関心が移っていたのでした。夕食は2人で地下鉄に乗って、有名な鼎泰豐に小籠包を食べに行きました。鼎泰豐という店は多くの客で賑わっていましたが、思ったより早く店員に名前を呼ばれて、評判の小籠包を味わうことが出来ました。これは絶妙に美味しい小籠包で、安価でお薦めです。小粒な小籠包でしたが、一口で味わうには最適な大きさと言えます。台北の繁華街は遅くまで賑やかで、台湾の人は夜更かしの好きな民族なのかなぁと思いました。
2017.08.18 Friday
毎年、私は夏季休暇をもらってアジア各国を旅行しています。仕事の関係で最大5日間しか休めませんが、東南アジアに点在する世界遺産を巡ることにしていました。今年は世界遺産ではなく、世界規模の博物館を見にいこうと決めていました。台湾旅行の目的は國立故宮博物院をしっかり見てくることです。初日は博物館ではなく、台湾らしい観光スポットに行くことにしました。格安の航空券のせいか、早朝のフライトだったため、昨晩のうちに私たち夫婦は羽田空港にやってきて、ロビーで仮眠をとりました。私たちはもう若くないとでも家内は言いたそうでしたが、昔から私に仕方なく同調してくれるところがあります。ところが飛行機が2時間も遅れ、台湾到着は昼ごろになりました。初日の台湾らしい観光スポットというのは、台北から少し離れた九份のことで、ジブリのアニメ「千と千尋の神隠し」のイメージに取り入れられた小さな町でした。民芸店が軒を連ねる階段坂の途中にある「阿妹茶酒館」が、アニメに登場するレトロな湯屋を髣髴とさせる建物になっていました。「阿妹茶酒館」は、洋の東西の折衷とも言うべき独特な景観に、赤い提灯が沢山掛かっていて情緒豊かな店構えでした。その脇には不思議な洞窟もありました。九份は、海が見渡せる沿岸に多くの建物が凝縮して建っているため、健脚でなければ観光できないスポットで、その狭い坂道に溢れるほどの観光客が訪れ、週末に近い今日は、先へ行くことも戻ることも出来ないほどの混雑振りでした。夕暮れ時の提灯が美しいとガイドブックにあるため、各国から夕方の時間帯に九份を目指して来るようで、路上では日中韓のコトバが飛び交っていました。夜になって九份を後にして、饒河夜市を訪れました。入口に慈祐宮という寺院があって、その煌びやかさに驚きました。夜市では雰囲気を見るだけで食べ歩きもせず、市街のホテルに戻ってきました。台湾の人々は全般的に親日であり、道で場所を尋ねても親切に教えてくれる人が多いと感じました。タクシーの料金も心配は要らないと思いました。明日は市内を観光しようと思います。
2017.08.17 Thursday
先日、横浜のミニシアターに「ヒトラーへの285枚の葉書」を観に行きました。お盆の時期のためかミニシアターは観客がほぼ満席状態でした。自分は意識していなかったのに結果的には終戦記念日に相応しい映画を観たことになりました。「ヒトラーへの285枚の葉書」は実話に基づいた映画です。原作はドイツ人作家ハンス・ファラダで、ゲシュタポの記録文書を基にした「ベルリンに一人死す」に記されたハンペル夫妻の行動を映画化したものです。映画では原作にない周辺人物たちが登場していますが、戦時下におけるベルリンの市民生活を今に伝えるための工夫と解釈しました。時代は1940年、フランスに勝利したナチス政権で、戦況に沸き立つベルリンが舞台です。軍需工場で職工長をやっているクヴァンゲル(実話はハンペル)の元に一人息子の戦死を伝える手紙がやってきます。忽ち喪失感に打ちひしがれる夫妻、やがて夫はペンを手にしてカードに怒りのメッセージを書き始めます。政権を糾弾するメッセージを街のあちらこちらに置く夫妻、その数は285枚に上り、ゲシュタポの警部の捜査が始まります。大佐の圧力から誤認逮捕をしてしまい、追い詰められた警部がついに夫妻のところに現れるのでした。解放や自由という人間の尊厳を取り戻した夫妻が凛として刑場に向かうシーンで終わりますが、逮捕した警部もまた束になった葉書を前に自らの命を絶つラストがありました。平凡な労働者階級の夫婦がペンだけでナチス政権に抵抗した実話を知ると、ヒトラーに反感を持っていた人々が多く存在し、何らかのレジスタンスがあったと考える方が妥当でしょう。日本の近隣にも独裁国家がありますが、果たしてそこに生活する人々はどうなのか、現代にも通じる課題が突きつけられた映画だと思いました。
2017.08.16 Wednesday
ホームページのExhibitionに今夏の個展をアップしました。Exhibitionは毎年個展会場をカメラマンに撮影していただいて、コトバをつけています。ギャラリーせいほうの白い空間の中で、彫刻作品が自然に見える状況がとても良いと思っていて、その雰囲気を出しているExhibitionのページは私のお気に入りです。彫刻作品は周囲の環境によって変化します。野外工房の太陽の下で撮影した時や、工房の室内で撮影した時もそれなりに気分が高揚しますが、何と言っても東京銀座のギャラリーせいほうで見る彫刻作品は格別です。彫刻作品がステージでスポットライトを浴びる役者のように凛々しく見えるのです。まさに私から旅立った作品が、歌舞伎で見栄を張る一場面のように感じさせるのは、作者冥利に尽きるというものです。Exhibitionのページは、また個展の記録としても意味をもっています。1回目から12回目までを一覧できるので、作品の制作順序を知ることが出来ます。過去を辿ると、毎年2点ずつ大きめの作品を展示しているので、現在まで24点の作品があります。その時その年代の思い出も甦ります。毎年何らか苦労して、搬入までの危うい綱渡りをして発表に漕ぎつけてきました。個展は回を重ねても慣れることはなく、毎回刺激的なのです。そんな世界を12年間も持てたことは幸運でした。でもまだ振り返る余裕はありません。来年も個展は続くので、次のゴールに向かって現在も作り続けています。来年も同じ時期に13回目の個展がExhibitionのページを彩るはずです。Exhibitionのページを見るには左上にある本サイトをクリックしてください。ホームページの扉が表示されますので、Exhibitionをクリックしていただければ、そのページに入れます。ご高覧いただければ幸いです。
2017.08.15 Tuesday
職場で設定した休庁期間が今日で終わります。休庁期間と言えども職場に行くことはありましたが、休みを取得し易い環境を整えた関係で、この一週間は創作活動に没頭することが出来ました。今日は休庁期間最終日のため、年休をもらって東京の美術館に行くことにしました。制作と併せて鑑賞をも充実させたいと考えたのでした。午前中は工房に行って、昨日からやっている木彫に取り組みました。新作のテーブル彫刻の脚は木材で作り、そこに陶板を貼り付けていくのです。脚の床に接する部分は細くするため、彫り跡を残したまま木を彫っていきます。来年の作品はテーブル彫刻を複数作る予定で、木彫はこの時期にまとめてやっていこうと思っています。午後は東京広尾にある山種美術館に「川端龍子展」を見に行きました。お盆で高速道路が渋滞している情報が流れ、電車も若干空いている印象がありましたが、どのくらいの鑑賞者がいるのだろうと思いながら恵比寿駅を降りました。雨がどしゃ降りになっていました。日本画家川端龍子は人気があるためか、雨でも大勢の鑑賞者が来ていました。大作の日本画が並ぶ中で、眼に留まったのは「草の実」という紺地金泥の絵画でした。確か2012年に東京国立近代美術館で開催されたコレクション展で見た「草炎」という同じ紺地金泥の絵画が、私の印象に残っていて、今回の「草の実」は「草炎」に再会したような気分になりました。その他にも印象的な絵画がありましたが、別の機会に書こうと思います。