2015.03.18 Wednesday
相原工房には中国籍の若いアーティストが出入りしています。彼女は美大の大学院生ですが、この春からその美大に就職することが決まり、引き続き通い慣れた大学に勤務することになります。彼女はグラフィックデザインを学んでいましたが、アートに関心が強く、今後はアーティストとして創作活動を展開するようです。相原工房に出入りする若い世代の人たちは、ほとんどアーティスト志望で、私と同じ二足の草鞋生活を余儀なくされる人たちですが、その中で異文化で育った彼女は貴重な存在です。自分も20代の頃に海外で暮らしていました。自分にとって言葉の壁も異文化理解も思うように出来なかった記憶がありますが、辛うじて身につけたことが異文化に寄り添う心を持つべきということでした。最近話題になっている人間の尊厳が失われる非情な集団はさておき、生きていく上での価値観の相違や思考から嗜好に至るまで、お互いを理解し受容することが肝要と思っています。他国を知るのに単なる情報機器からではなく、人と人との関係の中から生きた情報として知ることが出来る機会は大切にするべきと考えます。アートには世界共通な美意識があるので、異文化理解には最適な手段かもしれません。
2015.03.17 Tuesday
2006年にホームページを立ち上げてNOTE(ブログ)をほとんど毎日書いています。話題の中心となるのは現在作っている作品の制作状況です。陶彫部品がどのくらい出来たとか、今後どのようにやっていくとか、常に過去の振り返りと未来に向けた展望を記録しています。それは他人が読んでも面白くないものばかりですが、自分にとっては有効で、とりわけアーカイブをよく見ていて、数年前に遡って制作工程をどのようにしていたかを確認しています。ホームページが立ち上がる前の制作については、かなり曖昧で制作年代が定かではありません。記憶では正確な制作年代を知ることが出来ず、逆に記録は正確な把握が出来るので、ホームページのNOTE(ブログ)が立ち上がってからは、細かい状況がわかる次第です。記憶の曖昧さは場合によっては有効です。たとえば滞欧中に見て回った地中海遺跡の数々は、記憶の中で細かい印象が薄れ、形態の取捨選択や抽象化に都合がよいと思っています。記憶と記録はともに残存の手段ですが、創作活動では使い分けていきたいと思います。
2015.03.16 Monday
重厚なロシア文学を読んだ後は、軽妙洒脱なものが読みたくなって「千利休 無言の前衛」(赤瀬川原平著 岩波新書)を手に取りましたが、果たして軽快な評論かどうかは読んでみないとわかりません。ただ、赤瀬川原平氏の著作は不思議なほど分かり易く奥深いという先入観があるため、きっと難しい思想も面白く解説してくれているのではないかと期待しているわけです。率直で肩肘張らない文章は、時に目の前をパッと明るくしてくれて、噛み締めると深く頷いてしまうことが暫しあります。読み始めたら、やはり期待は裏切られず、僅か数行で読者を思いきり惹きつけてしまう文才は、他に類を見ないと思っています。以前から自分は茶の文化をじっくりと考えてみたいと思っていました。単なる茶を飲む行為を茶道にしてしまう日本独自の文化を自分は嬉しく思うところがあって、茶を飲む空間や道具まで全てが芸術的に統一される表現は、最終的に自分が極めていきたい芸術です。本書から学ぶところが多いと思うので、また通勤の友としてじっくり味わっていきます。
2015.03.15 Sunday
今週末は「発掘~群塔~」の木彫部分の制作に入っています。陶彫部分でもまだ仕上げや化粧掛け、窯入れしていない作品が多く残っていますが、木彫と併行して制作することに決めました。木を彫る前に木材を鋸で切断して、そこに彫り込む箇所をデッサンする必要があります。正面や側面に簡単にデッサンを描きますが、粗彫りの時に描線が失われるので、何度も描いていきます。今日はとりあえず切断する作業だけで一日が終わってしまいました。昨日は夜9時半まで工房にいましたが、疲れが残っていたので、今日は7時間程度の作業にしました。朝9時から夕方4時までの定番の作業時間でした。埃のせいか花粉のせいか作業中はクシャミが止まらず難儀をしました。自分は30代の頃に、ある日突然花粉症になって毎年この時期は苦しんでいましたが、加齢とともに花粉症は軽くなっていました。今年も軽症で済みそうだと思っていた矢先にこの始末で、鋸を引きながらクシャミを連発しました。工房に来ていた中国籍の若いアーティストに心配されながら、辛い一日を過ごしました。夕方に焼成の準備が出来ている陶彫部品を窯に入れました。窯出しは水曜日になります。従って明日と明後日の夜の制作はありません。水曜日から夜の制作を再開しようと思います。
2015.03.14 Saturday
今週末で陶彫から木彫へ作業が移行することになりそうですが、今日のところは木材を陶彫を配置した画面に置いて、全体のバランスを見る程度に留めました。木材に切断する箇所のデッサンを施し、陶彫との関係を考えました。陶彫による数々の塔を目立たせるために、木彫はあまり凹凸を作らずに、緩やかな彫り込みにしようと決めました。陶彫の作業でまだやり残したことがあって、なかなか木材の切断まで辿り着けませんでしたが、朝9時から夜21時半まで長い時間を工房で過ごしました。夕食や買い物に家内と出た時間帯もありましたが、ここにきて制作に弾みがついていることは確かです。ただ、昨日のイベントの疲れが残り、一日中身体が重くて作業能率は悪かったと思っています。明日も頑張ろうと思います。