Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • SW 連休の制作目標
    シルバーウィーク(SW)の制作は実際には今日から始めました。陶彫部品の成形・彫り込み加飾の目標数は4点にしています。シルバーウィーク(SW)の前に6点の成形・彫り込み加飾が終わっているので、今回の目標数を加えると10点になります。昨日タタラを準備していたので、今日は朝から成形に取り掛かり、彫り込み加飾まで一気に作り上げ、7点目を終えました。今日のうちに明日のタタラを準備して、しかも土錬機を回して陶土も作り置きしました。この陶土の分量でもシルバーウィーク(SW)中に足りなくなるので、もう一度土練りをする必要があります。今日の工房は若いスタッフがいなくて自分一人で作業をしていました。夏の暑さは去りましたが、身体を動かしていると汗が滴り、真夏のように汗でシャツを濡らしました。現在、新作の擂り鉢状になる一番外側の陶彫部品を作っています。全部で20個の陶彫部品が必要になります。陶彫部品は今までにないカタチをしているので、乾燥で収縮する時に生じる皹がどこに出るのか漸く分かってきました。そこを厚くするのではなく、寧ろ逆に欠いた表現にすることにしました。敢えて皹の箇所を作為的に作るのです。陶土の危ういところを表現として利用するのも素材との対話から生まれた積極的な方法です。明日も頑張ります。
    SW 東京の展覧会巡り
    5連休となるシルバーウィーク(SW)が始まりました。SWは当然制作目標を立てていますが、今日は東京の展覧会を見て回ることにしました。家内が胡弓の演奏に出たので、今日は単独で丸一日かけて美術館等を奔走でき、合計4つの展覧会を見てきました。家内が同伴していると無理な行程が組めず、せいぜい2つくらいが限界です。先日の展覧会巡りも単独でしたので、4つ見て来ていました。SWの制作目標があるため、今日は陶彫のタタラを用意しなければならず、早朝7時に工房へ出かけ、座布団大のタタラを5点準備しました。自宅を出たのは朝8時半、電車を乗り継ぎ、東京江東区にある東京都現代美術館に到着したのは11時になっていました。東京都現代美術館は自宅から遠いという印象があって、あまり行くことがないのです。ここでブラジルを代表する建築家オスカー・ニーマイヤーが展覧会を開催しているので見てきましたが、ブラジルの国家プロジェクトと言うべき首都ブラジリアの主要な建築を全て手掛けている巨匠は、その規模において他の建築家を圧倒する力量を見せていました。曲線を効果的に使い、モダニズムを追求したカタチは有機的で自然に逆らわず、風景に溶け込んでいるように思えました。詳しい感想は後日改めます。次に向かったのは東京駅のステーションギャラリーでした。今日から同ギャラリーで詩誌「月映」を発行した3人の画家・版画家の展覧会が始まったので、初日に見てきました。自分は夭折した田中恭吉に昔から注目してきました。3人の魂が込められた個性的な版画の世界に触れて、自分が学生時代に影響を受けた世界が甦ってきました。これも詳しい感想は後日にしたいと思います。次は新宿区にあるアートコンプレックス・センターで開催している「留学生フェアプログラム」を見てきました。相原工房に出入りしている中国籍アーティストが大きなパネルを4点出品していたので、その全貌をじっくり見させていただきました。工房では1点ずつしか作っていないので、全連作が一同に展示されるのを見るのは初めてでした。ガッシュとペンで表現した波のうねりは、大きな世界を獲得していて見事でした。彼女には大陸系美女子の大らかさと執拗さがあります。繊細で骨太な感覚は今後のダイナミックな展開を予感させるものではないかと思いました。最後に六本木に移動し、国立新美術館で開催中の女流造形作家ニキ・ド・サンファルの大がかりな展覧会を見ました。原初的な煌く色彩、デフォルメされた大らかな女体、有名なニキ・ワールドが空間いっぱいに広がり、その逞しさに圧倒されました。これも感想は改めたいと思います。以上が今日巡った展覧会の雑感ですが、SWの初日に相応しく充実した鑑賞でした。明日から制作を中心にしたSWを過ごしたいと思っています。
    12‘RECORD 11月・12月分アップ
    私のホームページに2012年のRECORDの11月分と12月分をアップしました。今回アップしたのは、約3年前に作っていたRECORDですが、その時の状況が思い出されます。普段忘れてしまっていることが記憶の隅から思い起こされるのは、それだけ制作が自分の心に刻まれている証拠でしょう。制作に対する思いは自分の中で相当強いものだと認識しました。RECORDは現在3000点を超えています。日々の積み重ねによって地道に作ってきたものですが、今のところイメージの枯渇はありません。似たイメージに偏る傾向はありますが、自分の得意とする世界観が見えて、それはそれでよいのではないかと思っています。具象、抽象、象徴、超現実をはじめ表現主義や漫画・戯画風に至るまで、その時の気分で描きたいモノを描いてきました。苦手なのは瀟洒にしたつもりのイラスト風の世界で、自分では難しい挑戦でした。逆に得意とする世界は、重く構築された建造物を描いたものです。渦を巻いていたり、紐が絡んだ世界も好きで、幾度となく登場しています。自分のホームページに入るのには、左上にある本サイトをクリックしていただければ入れます。ご高覧いただければ幸いです。
    「花器〈ブドウとカタツムリ〉」感想
    先日、東京のパナソニック汐留ミュージアムで開催されていた「アール・ヌーヴォーのガラス」展を見に行って、とりわけ印象に残った作品が「花器〈ブドウとカタツムリ〉」でした。図録によると「無色ガラスに黄色と赤味を帯びたオレンジ色の粉末ガラスを封入し、その上に、濃青色ガラス、白と錆赤、紫がかった赤、青緑、濃青色、黄色の粉末ガラスを部分的に重ねて溶着している。酸の腐食によるさまざまな度合いの浮彫で表した濃青色のブドウの実の部分には、いくつかの小さな透明の玉飾りを溶着し、側面には二匹のリンゴマイマイ(エスカルゴ)を両側に一匹ずつ、あらかじめ形づくったものを溶着し、エングレーヴィングによる彫刻を加えて仕上げている。」という技法解説があって、手間暇かけた1点制作であったことが伺えます。職人の計算と偶然の融合が、鑑賞する側を魅了し、いつまでも見飽きない世界を創出させています。展示されていたガラス越しに息がかかるほど見惚れていた私は、色彩と浮彫の織り成す妙をたっぷり味わっていました。当作品はA・ベルジェのデザインによりドーム兄弟が1904年に制作したもので、リエージュ万国博覧会に出品されたと記述がありました。
    汐留の「アール・ヌーヴォーのガラス」展
    東京では既に終わってしまった展覧会ですが、「アール・ヌーヴォーのガラス」展はなかなか見応えのある印象的な展覧会だったので、感想を述べたいと思います。パナソニック汐留ミュージアムは興味深い企画展が多く、企業が経営する美術館の中で私はよく出かける美術館のひとつです。今回の企画は独デュッセルドルフ美術館所蔵の個人コレクションが中心になっていました。コレクションをされた人はゲルダ・ケプフという実業家夫人で、収集品を見ると確かな審美眼をもっていて、その素晴らしさが私にも伝わってきました。その中で目を引くのは、やはりエミール・ガレとドーム兄弟の作品群です。両者の制作に対するアプローチが異なるので、比較対象にはなりませんが、最終的には芸術性の高い優れたガラスを創り出したことでは、兄たり難く弟たり難しになっていると感じました。その源泉とも言うべき作品で印象的だったのはウジェーヌ・ルソーの「台付蓋付花器」で、そこからガレに受け継がれて、まさにアール・ヌーヴォーのガラスは開花期を迎えたように思えます。ルソーは当時流行ったジャポニスムの影響が随所に見られ、日本の浮世絵からのイメージがガラス面に溶着していました。動植物が大胆にシンボライズされて応用されていますが、日本人からすれば、文様のもつ意味が剥奪されて、単なる装飾になっている感も否めません。いずれにせよ豊かなデザインと卓抜した技法が、ひとつの時代を築いたことに変わりはなく、その精緻な優美さに目を奪われました。