2015.10.15 Thursday
「夢解釈」(フロイト著 金関猛訳 中央公論新社)の第五章「夢の素材と夢の源泉」の(d)「類型夢」のまとめをします。「(私たちが)類型夢に特別な関心を向けるのは、それらの夢がすべての人間において同じ源泉に由来すると推定しうるからでもある。」この類型夢分析で語られる私たちの幼児期の心的体験は、私にとって刺激的なものになりました。それは、私は男なので教育されていない幼児期には、父に敵意を持ち、母に性的関心を持ち、兄弟姉妹を押しのけ、利己的欲求を満たそうとした時期があったとする理論です。いずれ教育されて道徳観が身につき、家族に対し敬意が生まれるのですが、本能剥き出しの子どもには父や兄弟姉妹に対する除去(死)の欲求があると言うのです。さらに精神神経症者に見られるものが子どものものと一致することから、そんな分析が成されたことが論じられています。「数多くの私の経験からすると、のちの精神神経症者となるすべての人々の幼年期における心の生活において、両親が主要な役割を演じる。そして、のちの神経症の症候学にとってひじょうに重大な意味をもつ心的興奮の素材は幼年期に形づくられ、そのまま揺らぐことなく存続する。~略~私は精神神経症者と、正常であり続ける人々とが厳密に区別されるわけではないと思っている。精神神経症者がまったく新奇で彼らのみに固有なことを創造できるわけではない。精神神経症者が両親に対して抱く惚れ込みや敵意を含んだ欲望は、大多数の子どもの心の中でそれほどはっきりと強烈には起きていないことを、拡大して見せてくれるのであり、そしてそのことによって、子どもたちの心で起きていることを私たちに教えてくれる~こうした考えのほうがはるかに蓋然性が高く、また、ときどき正常な子どもを観察すると、それが裏づけられるのである。」
2015.10.14 Wednesday
今月のRECORDのテーマを「遮」にしました。遮る(さえぎる)という行為は、人の言動や動きを邪魔して止める行為です。何かに否定されたように思えることもあるし、場合によっては遮った方がより良い効果を生む場面もあります。いろいろな展開が考えられるので、テーマとしては面白いかなぁと思います。RECORDには具象表現はあっても、具体的な物語性はなく、そこが挿絵とは根本的に異なるところです。解説や説明的要素を出来るだけ排除しているため、イメージが発生する背景を盛り込まないようにしています。勿論旅先の記録はありますが、断片的で場面的です。5日間を連作として展開していきますが、そこに物語性はなく視覚的な展開に限っています。一日1点制作というペースを守って今までやってきましたが、下書きだけ出来上がり、仕上げは後日という時もあります。逆に下書きだけ先行し、仕上げを当日やっている時もあります。融通をつけてやっていることが今まで継続出来た所以と言えます。今月もコツコツやっていきたいと思います。
2015.10.13 Tuesday
私のホームページに2013年のRECORD7月分~9月分をアップしました。この1年間は漢字一文字を毎月テーマに掲げて制作をしていました。7月は「流」、8月は「棲」、9月は「渦」でした。7月は夏を迎え、涼を呼ぶ水の流れを描きたいと思っていました。その中でとりわけ記憶にあったのは尾形光琳の「紅白梅図屏風」の中央に出てくる川の流れの象徴的な表現でした。模倣と言われても、これをRECORDにしてみたいと思い立ち、手漉き和紙を配置して描いてみました。カタチの分割に気持ちよさを感じながら、リズミカルに描きました。さらに日本画に見られる鯉を描きたくなり、鯉が滝登りをしているところを描いてみました。日本画の名作を見ると、鯉の表現に賭ける巨匠の凄さに改めて驚きました。8月は長崎の軍艦島に出かけた印象をまとめました。スケッチと写真を使って描きましたが、その場の雰囲気を伝えようとすれば時間が足りず、スケッチをRECORDに応用する難しさを感じました。9月は日本古来のカタチを研究し、その中に登場する直弧紋に注目しました。前衛絵画を思わせるカタチに魅力を感じながら、縄文時代の抽象化を辿りつつRECORDにまとめてみました。そんなことを考えながらやっていた3ヶ月だったと述懐しています。私のホームページを見ていただけるなら、このNOTEの左上にある本サイトをクリックすると入れます。それからRECORDを選んでクリックすれば、今回アップした7月分~9月分のRECORD画像が出てきます。ご高覧いただけると幸いです。
2015.10.12 Monday
三連休最終日です。今日も朝9時から夕方4時過ぎまで工房に篭って制作三昧でした。昨日より疲労が回復していましたが、すっかり良くなった訳ではなく、今日も休憩を適時入れながら作業を進めました。体育の日は晴天に恵まれ、清々しい陽気で、制作をするには最適な季節だと思います。もっと時間をかけたいところですが、自分の集中力が持つのは7時間程度しかありません。夕方4時を回ると気力が失せてきます。今日はこれで終了と決めて、成形した陶土に水を吹きかけてビニールで覆いました。新作は円形劇場のような造形で、大きな擂り鉢型をしています。その一番外側の上段部分を20個の陶彫部品に分けて制作をしていますが、先月は10点終わり、今月は今のところ7点が終わりました。合計17点ありますが、まだひとつも窯入れをしていないので、順調とは言えないのです。窯入れが成功して初めて陶彫部品の完成になるので、今の制作は微妙なところにあって、心配の種になっています。そろそろ心配を払拭するために窯に入れようかと思っています。この三連休は充実していましたが、疲れが出て集中力が今ひとつでした。自分を忘れるほどの精神集中のピークに達することがなかったのが少し残念ですが、夏から秋に気候が変わって、体調を崩す人もいることを考えれば、制作工程通りに進めたのは良かったと思っています。次の週末では頑張ろうと思います。
2015.10.11 Sunday
三連休の中日になりました。今日は雨が降ったり止んだりしていましたが、気温は創作活動を行うには申し分なく、朝から工房に篭って制作三昧になりました。どうやら昨日の疲労があるらしく、制作は少しやったら休憩を取る繰り返しでした。椅子で休んでいると、また意欲が出て制作に立ち向かう按配で、今日は集中力が途切れずに制作に没頭することはなく、寧ろ身体に鞭を打ってやっている感じでした。ちょうどいい頃に、窯を扱っている業者がやってきて、お喋りに付き合ってくれたり、午後は職場の人が油絵を描きにきて雰囲気が和みました。意欲と疲労が交互にやってきた一日でも、朝9時から午後5時くらいまで工房にいて、成形を1点終わらせ、土錬機を回して土練りを行い、明日の作業のためにタタラを6枚準備しました。制作工程としては順調だったと言っていいと思います。創作活動が進んでいることに自分は満足していて、それだから疲労が蓄積していてもイライラすることはありません。創作活動が思う通り出来なかった若い頃は、仕事で疲れると家内や周囲に当たり散らしていましたが、現在はそうしたことはなく、これは人間が出来たというのではなく、創作活動に助けられていると言った方がいいでしょう。疲労がなかなか抜けないことに多少は加齢の影響もあるのかもしれないと思っていますが、曲がりなりにも制作を続けていきたいという意欲だけは萎えることはありません。明日も制作続行です。