2025.07.05 Saturday
週末になりました。土曜日は今週の振り返りを行ないます。今週も毎日工房に通いましたが、連日真夏のような気温で、朝から夕方まで工房に籠ることが耐えられなくなりました。空調設備がない工房では窓を開けて、大型扇風機を回しているのですが、それでも汗ばんできてシャツがびっしょりになります。作業は2週間後に迫って来た個展搬入の準備で、陶彫作品を収める木箱を作っています。木箱がどのくらい必要か様子を見ながら、ほぼ8割程度収まってきた現在の状況に、今回は余裕があって満足を覚えます。見通しが立てるようになったので、そろそろ来年に向けた新作にも腰を入れていこうと思っています。気温が高いと陶土の乾燥が早く進むので、先行して作っていた新作の2点の大きな陶彫作品が早くも仕上げを施して、窯入れができるところまできています。でもまだ窯入れはしません。こんな真夏に焼成したら、作業場に近づけない温度になってしまうからです。涼しくなるまでに出来るだけ多くの陶彫作品を作り上げておこうと思っています。今週は今日になって東京銀座のうしお画廊に友人のグループ展に行ってきました。「7月の光」展は独立美術協会に縁のある3人の画家によって構成されたグループ展で、いずれも100号以上の大きな作品を出品しています。そのうちの一人が嘗て横浜市中学校の美術教諭をやっていて、私が管理職だった時に役員を引き受けていただいた経緯があります。彼女は横浜市を退職されて、高校の非常勤をやりながら大きな油絵に挑んでいるのです。私もそうでしたが、二束の草鞋生活をしながら創作活動をやっている人が何人かいます。その大変さを私もわかっているので、つい応援したくなる気持ちにもなります。ぜひ、長く続けて欲しいものです。私も間近に迫ってきた個展を何とか乗り切っていこうと気持ちを固めました。グループ展の帰りに横浜駅の画材店に立ち寄って芳名帳を購入してきました。
2025.07.04 Friday
今月開催する私の個展の案内状を、7月初めにお送りしたところですが、そろそろ届いているとラインで知らせてくれた人がいます。個展案内状はギャラリーせいほうから出すものと、私が直接、知人友人に出すものがあって、毎年かなりの発送数になります。ただ、昨年来ていただいた方の中には芳名帳に住所の記載がなかったり、また住所が間違っていたりして、ギャラリーに個展案内状が戻ってしまうケースもあり、出したくても出せない場合があります。また、旧交を温めても住所が分からない人も多くいます。昨年は高校の同窓会があり、私の方から一方的に昨年の図録を配りましたが、懐かしい友人たちの住所がわかりません。そこで毎年やっていることですが、このホームページの扉に個展の情報をアップしています。画像と簡単な日程しか載せられないため、NOTE(ブログ)を使って個展の詳しい情報を伝えます。「相原裕展 陶彫・『発掘』シリーズⅩⅤⅡ 期間2025年7月21日(月・祝)~26日(土)11:00~18:30※最終日18:00まで 場所:ギャラリーせいほう 〒104-0061東京都中央区銀座8-10-7 電話:03-3573-2468 FAX:03-3573-5678」ギャラリーせいほうは銀座8丁目にあるため、JR新橋駅の北改札 銀座口が最適と思います。地下鉄では新橋駅1番出口か、銀座駅A3出口が近いと思います。ギャラリーせいほうはビルの一階にあって、ガラス越しに作品が見えますので、近くまで来ていただけたらすぐわかります。私は急用がない限り、期間中はずっとギャラリーにおります。今年で20回目を迎える個展ですが、この時期毎年銀座に通っていると、街の変化が目に留まります。外国人観光客も多く、銀座中央通りをトランクを押したり、大きなバッグを持って歩いている人も見かけます。時の移り変わりとともに瀟洒な店舗が入れ替わり、銀座は散歩していても飽きません。ただし、この季節は大変な猛暑になることもありますので、熱中症に十分注意して来ていただければ幸いです。
2025.07.03 Thursday
「芸術家列伝1」(ジョルジョ・ヴァザーリ著 平川祐弘・小谷年司訳)の「チマブーエ」について、気に留まった箇所をピックアップいたします。「(チマブーエは)サンタ・マリーア・ノヴェㇽラ寺のために聖母像を描く。ルチェㇽライ礼拝堂とバルディ・ダ・ヴェルニオ礼拝堂の間にかけられている絵で、これまでに描かれた人物画のなかで最大のものである。まわりの天使は、チマブーエが、いまだにいくばくかのビザンチン風を残し持っていたとはいえ、徐々に現代の様式、画法に近づきつつあることを如実に示している。こんな立派な作品を見たことのなかった連中は、すっかり驚嘆して、チマブーエの家から寺院まで絵を運ぶのに、大騒ぎでラッパを吹き鳴らし、荘重な行列をしたという。~略~今や、それらの作品を通して、チマブーエの名声はますます上がり、フィレンツェにあるサンタ・マリーア・デル・フィオーレ寺の建築にあたって、当時のすぐれた建築家であったアルノルフォ・ラーポとともに設計を受けもつようになる。しかし、齢すでに60歳を越えたチマブーエは、1300年、絵画芸術を事実上蘇生させたのち、あの世へみまかった。多くの弟子を残したが、後日大成するジョットをそのなかに数える。」チマブーエが「芸術家列伝1」の最初に取り上げられているのは絵画の革新者第一号としているためでしょうか。「ジョットの名声の陰にかくれてしまったのは、弱い光が強い輝きの前では見えにくくなるのに例えられよう。チマブーエが絵画革新の一番手であったにしても、そこから出たジョットこそ、端倪すべからざる高い目標を定め、天賦の才にめぐまれ、深い考えをもって向上に向上を重ね、後世、われわれの世紀が日常目のあたりにしている芸術上の偉大な成果をもたらした人々に、真理の扉を開いた人物である。現代のおいては、画家たちの奇蹟や超絶技巧を日常見なれているので、人間が作った作品が、人間業というより神業であっても驚かなくなってしまっている。」ここでいう現代とはヴァザーリの生きた時代(1511-74)のことを言っているとつけ加えておきます。今回はここまでにします。
2025.07.02 Wednesday
自宅の書棚を眺めていたら、先日東京池袋のジュンク堂書店で見つけた「芸術家列伝1・2・3」(ジョルジョ・ヴァザーリ著 平川祐弘・小谷年司訳)があり、今日から読み始めることにしました。この書籍を知った経緯として、私はイタリア・ルネサンス期に活躍した芸術家の生涯を扱った物語を読んだ時に、本書は頻繁に登場していた資料であり、実際にイタリア・ルネサンスの芸術家に疎かった私には、いずれこの時代を網羅的に学ぼうと思っていたのでした。私でも有名な3人の巨匠(ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ)は知っていて、教職に就いていた時には、美術鑑賞の時間に必ず生徒たちに教えていた芸術家たちでした。他に私が関心を持った芸術家はボッティチェㇽリとピエーロ・デㇽラ・フランチェスカくらいでしたが、これは私の個人的な趣向を越えるものではありません。イタリア・ルネサンスはギリシャ・ローマ時代(古典古代)の文芸復興という意味を成すものですが、14,15世紀のイタリア半島にある諸都市において文化の変革運動があったことは疑う余地はありません。さらに線による遠近法(透視図法)や光の描写が確立され、近代に脈々と続く西洋美術の画法が構築されたことで、日本における西洋美術優位の位置を占める結果となりました。それは私にとって重要なことだと理解しています。何と言っても現在私がやっている彫刻という概念は、西洋美術そのもので、そこを多少日本流にアレンジしていても、その視点は西洋の美学にあると言っても過言ではありません。私は学生時代から仏像を見ても、そこに西洋彫刻の視点が存在していて、それが証拠に彫刻的な肉付けが顕著だった運慶の仏像が理解しやすかった点が挙げられます。そんなイタリア・ルネサンスで活躍した芸術家たちを取り上げている「芸術家列伝」を楽しみに読んでいこうと思っています。書籍の中に著者ジョルジョ・ヴァザーリに関する説明もありました。ヴァザーリとはどんな人物なのか、ここにも興味があります。
2025.07.01 Tuesday
7月になりました。今月は毎年東京銀座のギャラリーせいほうで個展を開催しているため、私にとっては年度変わりのような心持になり、ここで心機一転して次のステージを迎える重要な1カ月となるのです。まさに7月に始まり、7月に終るのが私の創作活動の1年間です。その第一歩は個展の広報で、案内状の宛名印刷を行うことです。毎年、東京銀座まで足を運んでいただける方や、たまたま東京に用事があってギャラリーに立ち寄っていただける方、初めて彫刻をご覧になられる方、事情はさまざまですが、自分の1年間の創作活動の成果を見て、感想を述べてくださるのは自分にとって無上の喜びなのです。さて、個展開催の7月ですが、実際は来年の個展に向けての制作が始まっております。個展開催の間、私はギャラリーにおりますが、その他の日程は次年度の制作工程を始めています。私はひとつの作品が終わる前に、次の作品のイメージが湧きあがってきて、作品梱包の退屈さを紛らわせるために、次の新しい作品に挑み始めます。次年度の作品は先月からやっていて、次のステージを思い描いているのです。今月は先月に続いて真夏日が続くようで、工房に長く留まれないものとして、制作工程を組んでいこうと思っています。今月は美術館鑑賞やら映画鑑賞もやっていきます。教職に就いていた頃は、7月と8月は夏季休暇を取っていて、創作活動だけではなく旅行も満喫していましたが、今となっては人が混雑する時期を避けて、気温が涼しくなってからどこかへ行くことも可能です。飼い猫もいなくなった今年はどこかに旅行しようかと家内と話し合っているところです。物価高もあって以前のように頻繁に海外に出かけて行くことはないのかもしれませんが、「発掘シリーズ」のイメージが枯渇する前に、もう一度海外の世界遺産が見たいなぁと希望しています。