2013.05.13 Monday
このところアメリカ人造形作家ジョセフ・コーネルに関する書籍をよく読んでいて、コーネル・ワールドに魅了されています。図版が多く掲載された「コーネルの箱」(チャールズ・シミック著 柴田元幸訳 文藝春秋)は作品解説集と思って読んでいましたが、解説と言うよりシミックの詩によって綴られた文学性の高いものでした。本書の訳者あとがきから次の文章を引用させていただきます。「一連のコーネル研究書を評して『コーネルは美術史家や評論家の一番よいところを引き出すようだ』とシミックは言っているが、それはむろんシミック自身によるこの本にも当てはまり、メディアを超えた二人の芸術家の見事な対話になっている。ふだんは一見素朴なユーモアと表情を抑えたアイロニーを身上とするシミックのなかに隠れている、洗練された知的なエッセンスが、コーネルを通して実に魅力的に浮かび上がっている。」何かの機会にコーネルの別の研究書を見つけたら、再びコーネル・ワールドに触れたいと思います。
2013.05.12 Sunday
雨模様だった昨日と打って変わり、今日は晴天になり、気温も上昇しました。本格的に新作へ向けて準備段階に入りました。自分は陶彫と木彫を併せた表現をすることが多く、窯入れをしなければ作品にならない陶彫を初めに手がけ、次に自分次第でどうにでもなる木彫をやって完成に持ち込む制作工程を組んでいます。「発掘~地殻~」で木彫をやっている間、陶土はビニールに包んだまま放置していたので、数ヶ月ぶりに陶土を点検しました。細かく砕いて水を打ち、柔らかくなったところで土錬機にかけます。それから全身をかけて菊練りを行います。昨日砕いた陶土が水を吸っていい具合になっていたので、新しい陶土と混合し土錬機にかけました。自分の陶土は複数の土を割合を決めて混ぜ合わせて作ります。焼き締めた時に錆びた鉄のような風合いを出すためにやっています。今日はこの土練りを汗をかきながらやりました。新作への第一歩ですが、地味で退屈で地道な作業です。でもこれをしなければ作品が始まらないのです。来週は1点目の陶彫部品の成形を始めます。
2013.05.11 Saturday
木彫土台のひとつが野外撮影の際に風で倒れ、多少の修整をしなければならなくなりました。後輩からラッシングベルトを借りて午前中に接着固定をしました。破損個所が最少で良かったと思っています。午後は新作への第一歩を踏み出しました。大きな塔を作るには準備が足りず、陶彫部品が連結した床置きの作品をまず作ろうと思っています。「発掘~地殻~」の延長線上にある作品で、床を木の根のように這っていくイメージがあります。今日のところは土練りの段階で、旧作で余った分の陶土の再生やら混合やらで時間が過ぎていきました。先週までは木彫や塗装に追われていて、今日になってようやく陶彫制作に戻ってきました。新作への第一歩は土練りという地道な作業から始まります。これから1年間、右往左往しながら長い制作の道を歩んでいきます。
2013.05.10 Friday
ポストカード大の平面作品RECORDは文字通り「記録」する目的で、一日1点の作品を作り続けています。7年目を迎え、作品数は2000点を超えています。日記と言うより現在はイメージの蓄積を目標としているので、その日の気分に左右されないように月ごとにテーマを決め、さらに5日間で構成が展開するようにしています。もう今月も中旬に差し掛かっていますが、5月のテーマを「響」にしました。「響」と言うと20世紀初頭に活躍した非対象絵画の巨匠カンディンスキーの作品が頭に浮かびます。カンディンスキーには「黄色い響き」という舞台作品があり、書籍によって脚本や演出等を知り得たことが自分の想像を逞しくさせ、自分なりのイメージを持つに至りました。実際の舞台を見ていないので何とも言えませんが、カンディンスキーの世界に没入してRECORD制作に取り掛かっています。とにかく今月も頑張っていこうと思います。
2013.05.09 Thursday
提出期限のある仕事に追われ、何をやるにも時間の制約に縛られている現状を思うと、それが労働であれば仕方がないと割り切れますが、創作活動ともなれば、締め切りがあることがいいことなのか悪いことなのかわからなくなります。公務員としての仕事には期限付きの書類が各種あって、とくにこの時期はそれを遂行するために四苦八苦しています。創作活動も7月の個展を目指して同じように四苦八苦しているのを思うと、内容のある創作が出来ているのかどうか疑問になります。締め切りは人を追い込んで感情を鼓舞させるためには有効ですが、間に合わせの雑さも伴います。本当の創作はそうであってはいけないと思いつつ、時間の制約がなくなると元来怠け者の私は自分を追い込んでいくことをしなくなり、結果としては緩慢な作品になりかねないとも思います。締め切りの考え方としては、締め切りが自分にとって有効な手段となるように自分をコントロールできるのが理想です。