Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 2月は木彫一辺倒
    2月になりました。「発掘~地殻~」の制作が佳境を迎えています。今月は「発掘~地殻~」の木彫部分の制作に明け暮れる1ヶ月になりそうです。今まで作ってきた陶彫は可塑性のある陶土を使うモデリングで、成形するために土を加えていく足し算の造形です。逆に木彫は木材を削り取っていくカーヴィングで、引き算の造形です。ひとつの作品の中にモデリングとカーヴィングが混在するのが自作の特徴で、さらに言えば彫刻といえども平面性が強く絵画的な面もあると思っています。今月は出来上がった陶彫部品に組み合わされる木彫を作っていく予定です。週末は木彫一辺倒です。どこまで出来るのか遅々として進まない現状を考えると焦りますが、こればかりはひたすら作業をしていくしか方法がありません。ウィークディの夜も作業したいところですが、騒音の出る電動工具を使わない作業に切り替えてやっていくつもりです。木彫は今月の作業如何によって、その後の作業が大きく変わります。頑張っていこうと思っています。
    ブールデルの構築性
    東京上野の国立西洋美術館で開催中の「手の痕跡」展でロダンに並んで展示されている彫刻家ブールデルの塑造は、ロダンと比べると一層構築性に富み、堅牢な存在感を示しています。有名な「弓を引くヘラクレス」にしても極端なポーズの人体ですが、ロダンのような無理なポーズをしているようには見えません。粘土が流麗なリズムを刻むロダンは、ややもすると抒情に流れる嫌いがありますが、ブールデルは神話的なテーマを扱っていても記念碑的な象徴性を湛え、揺ぎ無い塊としての存在を感じます。自分の学生時代はまずロダンありきで、さらにロダンのもとで学んだ荻原守衛に憑かれていましたが、今となってはブールデルの構築性が好きなのです。ブールデルの方が現代性を持っているとも思えます。ブールデルの構築性を突き詰めていけば、やがて抽象化していくだろうと考えられるからです。現代彫刻の父と呼ばれるブランクーシは構築性が全てで、無駄を省いたカタチに重力を超えた軽やかさを感じます。逆にブールデルは重厚な雰囲気を湛えていますが、現代への道を切り開いた具象彫刻家だったと思っています。
    グレコによる「無原罪のお宿り」
    先日、東京都美術館で開催中の「エル・グレコ展」を見て、キリスト教の図像学も知らず根拠もないまま、その迸る表現に単純に圧倒されてしまう自分がいました。グレコはギリシャで生まれ、イタリアを遍歴し、スペインに至る道で次第に己の表現を極めていきました。今回来日した作品で最も巨大な作品は「無原罪のお宿り」です。縦3m以上、幅170cm以上の大画面に聖母マリアが曲がりくねって上昇するように描かれていました。複数の人体が縦に長く描かれているのは、天上へ視点を誘う意図であろうと思われます。この絵画は全体を同一視点で眺めるより、視点を変えて描かれた部分を見ていく方が相応しいように思えます。ドラマを紐解くように彫塑的な人体を下から上へと撫でるように見ていくと天上の光に到達するようになっています。人が罪を許されて神に導かれていくように思えてきます。今回の展覧会では最後の部屋に展示されていた「無原罪のお宿り」はグレコの集大成的な絵画であることに間違いはありません。
    HPリニューアルのRECORDについて
    自分のホームページがリニューアルし、作品や展覧会等のページが一新しました。RECORDのページにも新しい視点が加わりました。年月ごとに並んだ表紙のどこか1ヶ月を選んでクリックすると、1ヶ月分のRECORDが一つの画面になって登場します。今まで通り1点ずつの作品が右から左へ流れる仕組みになっていますが、とりわけ30日または31日分のRECORDを一挙に同一画面に羅列した最初の扉が今回リニューアルした目玉です。月によっては繰り返される織物の文様のようであったり、連続する作品が方向を持った流れを表していたり、1ヶ月全体を眺めてみると自分の感覚が浮き彫りになって、改めて自分を振り返る機会になります。自分は構図をまとめすぎる傾向があることもわかってきました。RECORDの制作中、時に緩慢になった作品は、小さくまとまってしまい自己破壊をしようとする意識が薄いことがあります。一旦作り上げた構図を壊すことはパワーが必要です。それは永年継続という中で、慣れによって齎されるものでもあり、表現したい意欲よりも先に手が動いてしまうことで、退屈な作品になってしまうのです。1ヶ月の作品全体を眺められるのは、そうした課題を見つけ出す契機にもなると思っています。
    ホームページの全面リニューアル
    このNOTE(ブログ)を含むホームページを全面リニューアルしました。作品を一層見やすくしたい要望があって、自分のホームページの管理や支援をしていただいているディレクターと何度も相談を持ちました。全面リニューアルなので扉にも内容にも変更があります。以前NOTE(ブログ)に書いた風景の中に陶彫を置いて撮影したLandscapeが新たにホームページに加わりました。これはカメラマンの意図によって詩情溢れる画像を作り出したもので、リニューアルの目玉とも言える仕上がりになっています。Galleryは全作品の一部を見せるモノクロの表紙に変わりました。作品をクリックしていただけると全貌がカラーで現れてきます。Recordは1ヶ月分の作品がまとまって見られるようになっています。これは自分にとって大きな意義を持っています。理由は機会を改めますが、大きく変貌したホームページを是非ご高覧ください。なお、ホームページにはNOTEの左上にあるアドレスをクリックしていただけると入れます。よろしくお願いいたします。