Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

  • Tag cloud

  • Archives

  • 「小野元衛」展
    小野元衛という画家を自分は展覧会を見るまでは知りませんでした。28歳という若さで世を去った画家は、とくに今まで話題になることもなかったので、美術館での展覧会としては初めてだったのでないかと思いました。先日、神奈川県立近代美術館鎌倉館別館で開催されていた「小野元衛」展に行って、夭折の画家の魂に触れてきました。貝殻のモティーフ、風景や仏像をテーマにした連作、走り書きしたスケッチ等を見て、もう少し長く生きられれば大作も生まれたであろう可能性に無念を感じました。自分は教会や東京のニコライ堂を描いた作品が好きです。画家はどんな思いでこうした建物を描いたのか、心が命じるままにデフォルメされた建物は、何か炎に揺らめいた情感を感じさせます。小品絵画に込められた思い。一時は朱や黄色を主調にした激しい表現の吐露は、画家がその宿命を知っていたかのような感があります。
    「江口週 彫刻/デッサン」展
    木彫家江口週は、いわゆる日本の伝統的な木彫とは異なる世界観を持つ彫刻家です。木材を構成する造形作家と言った方がいいかもしれません。難波し大海を漂った巨大な木造船の残骸が渚に打ち寄せられて、その大いなる櫂が空間に投げ出されたような、そんな衝撃的な空間構成が、江口ワールドと重なるのは私だけでしょうか。または突如出現した巨木に刻まれた古代の住居跡か、何かの祭壇か、江口ワールドにはイメージを刺激してやまない何かが潜んでいると感じます。先日、神奈川県立近代美術館鎌倉館で開催中の「江口週 彫刻/デッサン」展に行って、こんなことを思いつつ、同展には80歳になった造形作家の最新作を含めた作品群がありました。東京銀座ギャラリーせいほうでも見たことのある最新作を身近に感じながら、自分が彫刻を志した時から刺激を与え続けてくれた作家の足跡を見直し、涸れることのないイメージの源泉に触れたように思います。自分もこうありたいと願いながら、同展を後にしました。
    「シャガールとマティス、そしてテリアード」展
    先日、神奈川県立近代美術館鎌倉館で開催中の「シャガールとマティス、そしてテリアード」展に行ってきました。シャガールやマティスの色彩の美しさに改めて感動しました。展示されている作品は美術出版・編集者として知られたテリアードによるものです。色彩の巨匠であった2人の芸術家の多色刷りによる豪華な版画集は、時代の変遷により豊かな生活を求める人々のニーズに応えることを目的に作られたものでした。リトグラフ(石版)やステンシル(孔版)によって鮮やかな色彩を獲得した表現は、今になっても美しさは変わることがありません。自分はマティスの「ジャズ」に昔から惹かれていましたが、オリジナル版画を見るのは初めてでした。切り紙絵による大胆な構成と明快な色彩。人も文字も象徴化したカタチも踊るように跳ねるように描かれた軽快さに、身体が衰退しても感覚が若返っていくマチィスの巨匠たる所以を見る思いがしました。
    クリスマスに思いを馳せる
    25日になるとクリスマスの話題を何年もNOTE(ブログ)に書いています。アーカイブを見ると、やはりルーマニアで過ごしたクリスマスが印象深くて何度も取り上げています。当時自分はオーストリアに住んでいたにも関わらず、その牧歌的なルーマニアのクリスマスが忘れられないのです。ルーマニアのマラムレシュ県にある小さな村ポエーニで村人たちと過ごした一夜は、自分の脳裏にすり込まれた異教の輝きです。ルーマニアはカソリックでもプロテスタントでもないオーソドックスと言われる東方系キリスト教が主流の国です。ロシアやギリシャと並んでルーマニア正教も、礼拝時の人々の合唱が素晴らしいハーモニーを生み出し、背筋がゾクゾクするほど感動した記憶があります。当時ルーマニアは社会主義国家でしたが、今はどうなっているのでしょうか。ポエーニ村のクリスマスは昔ながらの行事として継続しているのでしょうか。この時季になると思い出す珠玉の場面なのです。
    三連休 創作に捧げるクリスマス・イヴ
    三連休最終日はクリスマス・イヴです。工房には若い女性スタッフが2人来ていて、持参のケーキやチキン等でちょっと特別な食事会を工房で行いました。日本のクリスマス気分に少しでも浸りたいと思ったのです。街の賑わいはFMラジオから流れていて、クリスマスソングを聴きながら制作に励みました。今日は自分もスタッフもそれぞれ制作に集中していました。自分は相変わらず陶彫の成形に苦労していました。スタッフの一人は画家ですが、今回は新作の人形原型作りをやっていました。もう一人は染織専攻の美大生で、染を生かした平面作品を作っていました。ケーキを囲む時は3人で話が弾み、若いスタッフ2人はアーティストとして将来に向けた固い決意を表明していました。スタッフの一人は、作品だけでなく自分自身もその作品世界の一部になりたいと主張していました。身体表現も想定した展開に意欲的で、性別を超えた世界が見え隠れしていることが覗えました。相原工房から個性的な世界観が生まれることを願ってやみません。自分も野外風景や環境を考えた空間設計に思いを寄せています。今日は創作に捧げたクリスマス・イヴを過ごしました。