Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 仕事が山積する年度末
    3月も後半になり、いよいよ仕事が山積してきました。やってもやっても終わらない仕事で辟易しています。ケジメをつけようとしても自分が思っていたようにはいかないのです。明日は週末ですが、出勤して仕事をやります。仕事は次から次へ湧き出てきます。管理職は職員全体のためにする仕事がほとんどで、自分の仕事は置き去りになっています。自分の身辺整理もしたいのですが、なかなか時間が取れません。ただ、日曜日だけは工房で砂マチエールをやりたいので、時間を空けようと考えています。制作も切羽詰った状況で、二束の草鞋双方が困難なところに差し掛かっていると感じます。今月をどう乗り切るか、残り1週間をどう過ごすのか、到達するイメージを描きながら、ひたすら仕事と制作を遂行するより他に方法がありません。
    「瀧口修造の詩的実験1927~1937」
    現在、通勤時間帯ではドイツ表現主義の画家アウグスト・マッケに関する書物を読んでいます。自宅の食卓には「瀧口修造の詩的実験1927~1937」(思潮社)がいつも置いてあって、毎晩適当な頁をめくっては何となく読んでいます。相変わらず読書好きな癖は抜けませんが、RECORDの下書きをやりながら、瀧口修造のコトバに戯れるのが今のストレス解消法です。詩人で美術評論家であった瀧口修造は、自分が尊敬してやまない人です。瀧口修造全集13巻が自宅の書棚に眠っています。以前は1巻から読み始めていましたが、途中で長い休憩を入れているうちに中断してしまいました。自分の読書好きな癖とそれを中断する癖は昔から変わりません。暫くしたら再読を始めるかもしれませんが…これも癖のひとつかもしれません。「瀧口修造の詩的実験1927~1937」は単独の詩集を出さなかった詩人の処女詩集にあたるものです。詩集の中に世界的な芸術家の名前が表題についた詩があります。それは作品の解説などではなく瀧口が創作したコトバで綴られています。芸術家の作品とコトバの関係を考えてみるのはとても楽しくて、お互いが対峙する世界観が垣間見えてきます。RECORDがその日の気分に左右されるように、コトバもその日の気分で眼に留まる箇所が違います。コトバから導かれるイメージも違ってきます。面白いものだなぁと思いながら、今晩もRECORDのエスキースを鉛筆で描いては消しながら、瀧口ワールドに酔いしれています。
    画家アウグスト・マッケ
    以前読んでいた「クレーの日記」に登場し、クレーと一緒にチュニジアへ旅行した画家アウグスト・マッケ。ドイツ表現主義の画家の中では第一次大戦によって命を落とした夭折の画家として知られています。煌く色彩と豊かな詩情。夭折の画家に見られる精神性の高さ。自分はアウグスト・マッケの人生に関して詳細を知らなかったので、「色彩の詩人アウグスト・マッケ」(佐藤洋子著 中央公論事業出版)を購入し、改めてマッケ・ワールドを堪能したいと思いました。マッケは1887年ドイツに生まれ、1914年戦地であったフランスのシャンパーニュ地方の村で亡くなりました。享年27歳。第一次大戦がなければ、マッケは画家として充実した人生を全うできたのではないかと思うと心苦しい限りです。それでも短い人生の中で画家として美しい作品が残せたことは不幸中の幸いだったと言えます。これから通勤時間帯でマッケの人生と画業に読書を通して浸っていきたいと思います。
    懐かしい顔ぶれに会う
    今日は春分の日で朝から工房に篭りました。砂マチエールの作業が先週末から続いているのです。今日は若いスタッフは来ず、家内と私で一日中砂マチエールと格闘していました。家内が手先が器用で随分助かりました。作業は同じ姿勢で続けているので、首から背中、腰から腿にかけて厳しくなり、夕方4時には終えることにしました。それでも6時間以上も同じ姿勢を保っていたことになります。砂マチエールの作業は山場を越しました。もう一日あれば何とかなりそうな気がしています。自宅へ辿り着くと疲れて少しばかり眠ってしまいましたが、今夜は15年前に勤めていた職場関係の人たちに会うことになっていたので、気を取り直して横浜駅に向かいました。会場に入れば懐かしい顔ばかり。お互いの現状やら当時のエピソードを話すうちにあっという間に2時間が過ぎました。今夜は元気をもらった気がしました。皆と再開を願って会場を後にしました。公務員という仕事を続けているからこそ昔の仲間に会って楽しいひと時が持てることを身にしみて感じた夜でした。
    「クレーの日記」の読後感
    通勤時間帯しか読書ができないので、一冊の書物を読み終えるのに相当時間がかかります。やっと「クレーの日記」(P・クレー著 南原実訳 新潮社)を読み終えたので感想を述べようと思います。クレーが39歳の時に除隊する寸前で「クレーの日記」は終わっています。第一次大戦が始まり、クレーが徴兵され、その生活ぶりを日記から窺い知ることができます。飛行機の輸送する任務にあたったり、会計の帳簿をつけていたりするクレーがそこにいて、彼を取り巻く後方部隊の様子が日記からよくわかります。戦争の動向がどうであれ、クレーは時間を見つけては絵や版画を作り、その精神的な記述も多く残されています。戦争という異常な事態にも関わらず、社会的集団的な鼓舞もなく、クレーはあくまでも個人として内面で起こる創造的な仕事に埋没しているようです。決して自己を見失わないでいることのしたたかさを感じ取ることができます。クレーが体験した兵士としての手枷足枷とは比べものにならないにしても、自分が公務員として勤務している状況の中、時間を見つけては創作活動をしているところに何か共感できるものがあって、妙なところで自分は勇気をもらいました。10代から30代後半までのクレーの生き様を、日記は生き生きと映し出していて、今回はとても楽しく読むことが出来ました。