2012.03.13 Tuesday
先日、表記の展覧会を見に東京上野の国立科学博物館へ行ってきました。雨が降る土曜日の午前中、しかも開催初日でしたが、大勢の鑑賞者がいました。アンデス文明史上最大の国家「インカ帝国」は、どんな文明や文化を持っていたのか興味が尽きず、この展覧会には必ず行こうと決めていました。文字や鉄や車輪すらなかったインカ帝国は、一方で堅牢な石造建築を残しています。中でもマチュピチュは自分にとって憧れの建造物なのです。つづら織に見られる独特な図像や色彩も眼を引きます。周辺の民族を支配したインカ帝国は、視覚的なシンボリズムとして統制のきいた幾何学的な文様を、多民族から成り立つ職人に作らせていたとする見方もあります。確かに造形的に見てもわかりやすく美しいと感じます。今回の展示では数体のミイラがきていました。保存状態がよく人体の姿勢にも眼が奪われました。発見された墓地では布で包まれていたようで、ミイラそのものにも加工された跡がありました。展示の最後に3Dによるマチュピチュの映像がありました。空から自在に旋回して地上に近づくカメラは、遺跡の全貌を眺めまわし、私たちを鳥のように軽やかにさせてくれます。15分の映像でしたが、自分は2回見てしまいました。仕事から解放された週末に相応しいひと時でした。
2012.03.12 Monday
昨日アップしたNOTE(ブログ)にチェルノブイリ原発事故に触れた箇所がありました。昨年の福島原発の事故と相俟ってチェルノブイリのことが自分の頭を一気に駆け巡ってしまい、昨日のNOTE(ブログ)は長い文章になってしまいました。今日改めて昨日の文章を2つに分けて、自分の中に居座り続けている不安や憔悴のことを書こうと思います。自分が30年前に滞欧生活を引き上げた後で、チェルノブイリ原発事故が発生しました。自分は1980年から85年の暮れまでヨーロッパにいたので、1986年4月のチェルノブイリ原発事故には遭遇していません。正直に言えば、自分はチェルノブイリ原発事故前に帰国できて安堵していました。不安や憔悴の起因として考えられるのは、その後何年も経過しているにも関わらず、あの時の環境汚染が将来に及ぼす漠然とした影響です。自分だけではどうにもならないものですが、昨年フクシマで発生した原発事故に対する恐れが30年前の記憶を呼び起こしてしまいました。今度ばかりは対岸の火事とは言えず、汚染された環境とどう付き合っていくのか日々自問しています。チェルノブイリ原発事故の検証は進んでいると思いますが、そこから見えてくるものは何でしょうか。フクシマは今後どうなっていくのでしょうか。不安や憔悴が自分の中に居座り続けているならば、作品をイメージする深層心理にその影が落ちないとは言えません。造形美術は時として現代に警鐘を鳴らすことがあります。意図せずとも時代を反映するのが個々の表現活動だからです。
2012.03.11 Sunday
昨年の今日は未曾有の東日本大震災に襲われ、一瞬にして私たちの意識が変わってしまいました。昨年は金曜日だったため自分は職場にいました。幸い横浜は被害は少なかったものの、テレビの報道を見るにつけ、やりきれない気持ちでいっぱいになりました。あれから1年が経ちました。復興支援や身の回りの危機管理等で職場はもとより自宅でも有事のときはどうするかを話し合いました。東京の美術館や画廊に出かけた時、ここで震災に見舞われたら帰宅難民だなと思うこともあります。今日の14時46分には工房にいました。7月の個展に出す作品を作っている最中でしたが、手をおいて黙祷を捧げました。FMラジオから命の尊さを歌うメロディが流れていました。現在作っている「発掘~混在~」は、明確に意図したものではありませんが、原発によって環境に不安を感じている心境が多少反映されています。「発掘」シリーズは、滞欧生活の終わりに欧州最古の遺跡を巡った印象がイメージの中核を成していますが、「発掘~混在~」を作り始めようとする時に起こった震災や原発事故を思うと、感情の襞のどこかに何かが引っかかっているのです。工房で黙祷を捧げながら、そんな考えが脳裏を過った一日でした。
2012.03.10 Saturday
作品の制作工程が厳しい中、3月になって初の美術館巡りをしました。東京に出かけていくのは久しぶりでした。ギャラリーせいほうにも立ち寄って7月個展の打ち合わせを行いました。まず最初に訪れたのは東京上野の国立科学博物館の「インカ帝国展」。マチュピチュを空から捉えた3Gの映像に魅せられてしまいました。詳細の感想は後日改めます。その後、竹橋の国立近代美術館の「ジャックソン・ポロック展」。絵画の概念を破ったアメリカ人アーティストの生誕100年を記念した展覧会で、アクション・ペインティングはあまりにも有名です。この感想も後日改めます。最後にギャラリーせいほうの「北川太郎展」。ペルーに留学していた石彫家の個展で池田宗弘先生を介して知り合った人です。巨大な石をざっくり彫った骨太な作品に意欲と充実を感じました。今後、日本での活躍が期待される彫刻家で、同じ画廊で取り扱われている縁もあってお互い頑張っていければと願っています。自分の個展は7月なので時間が差し迫っているのですが、今日は3つの展覧会を見てヤル気が出てきました。弾みをつける意味では良い一日だったと思います。明日は制作三昧の予定です。
2012.03.09 Friday
昨年のNOTE(ブログ)を読むと、昨年の今日も大きなイベントがあったと書いています。私たちの職場では、必ずこの時期に最大のイベントがあるのです。普段は部署ごとに活動していて全体で大きなイベントに取り組む機会が少ない職場ですが、年間何回かあるイベントでは全職員が万全の協力体制を組んでいます。今日のイベントで働く職員集団を見ていると、災害等の有事でも私たちの職場はかなりのパワーを発揮するのではないかと頼もしく思えます。私は縁の下で支える立場で、私自身何もしていない気でいましたが、やはり今日は疲れました。昨年も同じ事を書いているので、毎年この時期は大きなイベントの成功を祈りつつ来年も過ごしているのではないかと思っています。それにしても今週は長く感じました。ようやく週末がきたという感じです。週末の2日間は職場の仕事から完全に離れて美術のことだけ見つめていたいと思っています。