Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 思いが伝わる一遍の詩
    今日職場で何気なく開いた新聞に掲載された一遍の詩に目がとまりました。造形作品と同じで、コトバにも出会いがあると思います。詩に綴られているコトバは自分の気持ちに訴えかけてきて、日常のちょっとした場面が思い出され、また心が救われる思いがしました。とくにこの作者は自分と同じ公務員であることがわかって親近感を持ちました。引用させていただくと「知らなくてよかった事を、知るべき事として教えてもらう。感心してみせる。面白くもない。」詩は改行も大切な要素ですが、ここでは続けて記すことをお許しください。このコトバには職務上のニュアンスが表されていて深く頷いてしまいました。まったくその通りなのです。「多彩な闇の沈黙の中から 言葉を手繰り寄せることができる時間を待つ。」差し詰め自分なら多彩な闇の空間から、造形イメージが立ち上ることが出来る時間になるのでしょうか。「実用的な昼間」というコトバも「面白くなくても、何が何でも、呼吸を止めないように。」というコトバも、自分には生き生きと伝わるコトバです。同じ思いをしている人がいるだけで世界の共有感が生まれて、心が解放できる夜の訪れを待ち望む心情が伝わります。引用誌面を紹介しておきます。(第41回神奈川新聞文芸コンクール「言霊は夜に飛ぶ」赤木祐子・作)
    窯とのつき合い
    陶彫を始めた頃は、作業場も付帯設備としてあった陶芸用の窯もすべて借り物でした。その時は、自分の好きな時間に作業をして窯入れをすることは出来ませんでした。でも作業場を借りていた時期が長くて、ギャラリーせいほうで個展をした最初の頃の作品は、いずれも借りていた作業場で作ったものでした。自分の工房が持てたのは、つい3年前のことです。そこに窯を設置して、ようやく自分の好きな時間に窯入れをすることが出来るようになりました。窯とのつき合いは随分経ちます。窯は自分にとって何にもまして大切な道具です。陶彫制作で一番最後に窯に入れるという工程は、とても面白くてハマってしまいます。何しろ最後になって運任せ、別の言い方をすれば炎の神に全てを委ねる儀式をして作品が生まれてくるのです。制作者としてはスリル満点で、落ち着かない気持ちで数日間を過ごしますが、窯出しした作品に再会すると、今まで手中で大事に育ててきたモノが自分の手を離れて遠い旅路から帰ってきたようなそんな気分にさせられます。今日は管理職仲間との夜の懇親会がありましたが、遅い時間に帰宅して工房に立ち寄りました。先日窯に入れておいた作品が出来上がっていて、すぐ窯出しをしました。また次の窯入れを行い、落ち着かない数日間を過ごします。次の窯出しは土曜日です。窯とのつき合いも蜜月関係が続けばいいのですが、炎の神の気まぐれに翻弄される時もあります。面白いと言えば面白い、不安と言えば不安な創作活動です。
    超過勤務時間の1週間
    今日から金曜まで残業続きの1週間です。毎晩帰宅は22時をまわるので、当然工房には行けません。そのために工房では陶彫の焼成に入っているのです。窯焚きをしている間は工房で作業をしないようにしています。でもそんな時ほど工房に行って作業がしたくなるのは何故でしょうか。作品のイメージが湧くのも、こうした多忙な時期が多いように思います。出張先で仕事とは関係のない作品のイメージがふと出てきて、仕事用資料の片隅に落書きのようなメモをしてしまいます。それがどこかへいってしまっても、一度描き留めたものは忘れません。集中しなければ出来ない仕事を抱えている時は、作品どころではありませんが、勤務時間だけが長い日の場合は頭の中のスケッチブックが開くのではないかと思います。超過勤務時間の1週間の真ん中にあって、週末が楽しみでなりません。
    人生のラスト・イベント
    今年86歳になった母は、これが生涯最後の旅行と言って関西に出かけました。知り合いにも、これが最後と言いながら、もう10年も毎回ラスト・イベントをやっている人がいます。母もそうであって欲しいと願っています。母が参加した旅行は、我が家の菩提寺である浄性院が企画する京都散策で、法然上人ゆかりの知恩院等を訪ねる檀家向けの旅行です。父が亡くなってから、母が今までこの旅行に一人で参加してきました。今回は家内を誘って出かけたところを見ると、母も齢を感じたのでしょうか。そんな姿を見て、自分のラスト・イベントはどんな内容で、いつやってくるのかをぼんやり考えてしまいました。自分は回顧展をやるのがラスト・イベントとして理想と考えています。生前に回顧展をやってみたいと思うのです。ギャラリーせいほうに毎年展示した作品を一堂に集めたら、どんな雰囲気に包まれるのだろうと思います。これから作られる作品も数々あります。自分にしたら、やりたいことのまだほんの一部が出来たとしか言いようのない有様です。ラスト・イベントはまだまだ先であって欲しいと願っています。最後のひと呼吸がやってくるまで工房で制作に打ち込んでいたいのです。或いはその日がラスト・イベントなのかもしれません。
    週末 出勤の合間の窯入れ
    日曜日なのに職務絡みの仕事があって、ほぼ一日拘束されました。朝9時から午後4時までというのは、普段の週末なら制作をしているところです。それなら朝7時から工房に行き、1時間程度の作業をして、午後は5時頃から1時間程度の作業をしました。高だかトータルで2時間の制作ですが、新作の陶彫部品を窯入れするとなると、これでも貴重な2時間になります。新作の陶彫は成形が終わって、仕上げと化粧掛けを残すだけになりましたが、昨日数点の作品の仕上げと化粧掛けを行い、今日の夕方に窯に入れようと考えていました。窯入れと窯出しは何度やっても緊張します。午後6時に窯のスイッチを入れたところで工房を後にしました。窯出しは水曜日です。焼成がうまくいくことを祈っています。こればかりは自分の手の届かない工程で、運任せ或いは神のみぞ知る世界です。炎をくぐり抜けて土が石化するのは何ともドラマチックですが、作者にとっては胸中穏やかではありません。水曜日は管理職仲間で懇親会を夜やることになっていますが、酔ってなければ帰りに工房に立ち寄って窯出しをしようと思います。