Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 個展搬出の日を迎え…
    始まれば、あっと言う間に終わってしまう印象でした。今日で個展が終了です。ギャラリーせいほうの開館時間に合わせて、大学生たちや職場の人たちが来てくれて朝から盛況でした。懐かしい人たちともお会いできました。こうした旧交を温める機会としても個展を開催して良かったと思いました。美大で彫刻を専攻する学生たちも教授に連れられてやってきて、卒業後の悩みを打ち明けていました。毎年見ていただいている写真家野掘氏から「手馴れた陶彫を、今回チャレンジした木彫と併せて展示するのはどうか?木彫だけで勝負した方がよかったのではないか。」という貴重なご意見を戴きました。搬出にはボランティアを含め8名のスタッフが揃って、梱包や運び出しをしてくれました。4回目の個展ともなると、自分も冷静に周りを見ることができます。来ていただける方、ご意見ご感想を述べていただける方、搬入搬出を手伝っていただける方、いろいろな人に支えられた個展だということを改めて確認して感謝している次第です。来年は木彫だけで勝負する年になります。「構築シリーズ」を始めます。来年もよろしくお願いいたします。明日から来年に向けて制作開始です。                 Yutaka Aihara.com
    倉庫の引渡し日
    農業用倉庫として建設していた作業場が今日完成を迎えました。収納庫も兼ねているので、明日の個展搬出で現在展示中の作品が、この倉庫に戻ってきます。大雨の中、業者立会いの下で鍵や書類の引渡しを行いました。自分にとっては記念すべき一日です。一時横殴りの雨になっていたので、雨漏りの具合を確かめることができました。雨漏りがないどころか、内部は空調設備がないにもかかわらず、空気は乾燥していて、モノを収納するのには最適な環境だと思いました。もともとここは植木畑だったところで、まだ植木を多く残しているので、外の環境も気に入っています。今後、倉庫内外で自分は創作活動に携わっていくつもりです。ここが自分の心の拠り所になります。とくに横浜市公務員を退職したあとは、自宅とここを往復する毎日になると思っています。                           Yutaka Aihara.com
    「野村仁 変化する相」展
    自分の個展開催中に東京の美術館を巡る旅を続けています。今日は六本木にある国立新美術館に行ってきました。「野村仁 変化する相」を見てきました。巨大ダンボールが自然に任せて崩れ落ちていく様を撮影して脚光を浴びた現代美術家の大掛かりな個展と知って、どんな思考を持つ人だろうと興味津々で会場を見て周りました。表現の根本に「時間」があって、しかも宇宙にまで視点を広げ、まるで観測のようにして表す作品は、果てない空間と時間とその偶然が織り成すもので、しばし悠久な時に思いを巡らせました。思索とは別に個人的な美意識で言えば、表現のひとつになっていた太古の樹木や化石の美しさに惚れ惚れしました。ただ、階下で開催していた「ルネ・ラリック」展に比べると観客層が若く、やはりこうした思考型の展覧会はまだまだ大衆に受け入れられるのに時間がかかるのかなと思いました。
    「魔術的芸術」序論
    シュルレアリスムの思想家アンドレ・ブルトンの「魔術的芸術」は、当時限定出版された豪華本で、なかなか手に入りにくい書物だったようです。全訳されたものが2002年に日本で出版されたので購入しました。本書は、太古から現代まで定着した美術史として網羅されてきた芸術作品を、独自の「魔術的」視点から、もう一度構築し直す内容になっています。その規模や見解からいって、本書はそう容易く読めるものではなく、今は序論としての「魔術的芸術」の単元をじっくり読み込んでいるところです。現代でこそ注目されている芸術作品は、少し前まで美術史の通念から大きく取り上げられることはなく、「魔術的芸術」の中で発掘され、評価を与えられていて、こうした多様な視点があったればこそ、現在に通じる芸術作品の価値判断が生まれたのだということを思い知らされています。読み進むほどますます面白くなる「美術史新解釈」は、今年の夏のマイブームになっていて、人に邪魔されない時間にとつおいつ読んでいます。
    渋谷の「だまし絵」展
    昨年もブログを読むと同じような行動をしていますが、東京銀座で個展をやっている期間を利用して、東京の美術館を見て周る計画を今年もやります。国公立美術館は通常月曜日が休館日ですが、昨日「海の日」で開館していたため、今日を代休にしている美術館が多く、今日は渋谷Bunkamuraのザ・ミュージアムくらいしか開館しているところがありませんでした。でもここで開催している「だまし絵」展はかなり大規模で、見応えがありました。ウィーン滞在時代に、よく美術史美術館で見たアルチンボルドの絵画にまた会えるとは思ってもみませんでした。出品されていたアルチンボイドはスエーデンやベルギーの美術館から来たものでしたが、野菜や魚を寄せ集めて顔を形成している絵画に滞欧時代の懐かしさを感じていました。視覚の詐術というか優れた技巧をもって表現された世界に面白さを感じ、洋の東西を問わない遊び心に思わず微笑んでしまいました。                 Yutaka Aihara.com