Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 週末 全体を見渡しながら…
    今日も涼しい一日でした。工房には若い世代の子たちが3人来て、それぞれの課題をやっていました。自分は工房の床に新作のボックスを6箱並べて全体を見渡しながら成形と加飾をやりました。いつもこのくらいの気温の中で作業ができるといいなぁと思います。今回の新作は部分を作ったら、その場で全体との兼ね合いを見ていく方法をとっています。今までのように部分を組み立てる構造ではないので、全体を常に把握しておいた方がよいのです。いくつかの陶彫部品が出来上がりボックスの中に置いています。円形劇場やドーム型の部分があって空間が少しずつ凝縮してきました。集中と拡散。秩序と無秩序。覆い隠す部分と現れ出る部分。内蔵と表層。思索と伝達。陶(モデリング)と木(カーヴィング)。思考的にも技巧的にも相反する要素が大きな世界を形成していくと信じています。この新作に関する稿は改めて別の機会に起こしますが、今日はそんなことを思いつつ制作に励みました。
    週末 涼しい工房にて
    昨日の豪雨から気温が一気に下がり、今日は涼しい工房で制作に勤しみました。工房には美大生がデッサンをやりに来ていて、いつも若い世代の子たちが出入りしているのは有難い限りです。今日は新作の陶彫部品がある程度出来上がってきているので、全体の中に置いて初期イメージの確認をしました。全体を見渡すと汗が流れます。気温は低いのに汗が出るのは精神的なものだろうと思います。作品は精神の産物なので常に自分の感覚を呼び覚まし、自分の中で自分自身と対話しているのです。もう一度初期イメージに立ち戻り、イメージの具現化がどこまで進んでいるのかを確かめます。どこを造形補填をすれば、さらに作品が深化して緊張感が生まれるのか、ひとつひとつの陶彫部品は生かしきれているのか、作り直しはないか、全体がまとまり過ぎてはいないか等々考えていくと身体全体が熱を帯びていくのがわかります。このまま涼しくなってくれれば制作に弾みがつきます。明日もう一度イメージの確認を行います。
    相馬黒光と荻原守衛
    フランスのシュルレアリスムから日本の近代美術の夜明けへ。現在読んでいるものがアンドレ・ブルトンから一転して、明治・大正を生きた女性の伝記に変わりました。「新宿中村屋 相馬黒光」(宇佐美承著 集英社)です。自分が塑造を学び始めた頃、明治を生きた彫刻家荻原守衛に心酔していました。荻原守衛の代表作「女」は日本美術史に残る名作ですが、その背景を知りたくて当時は「荻原守衛」(林文雄著 新日本出版社)や「彫刻真髄」(荻原守衛著 中央公論美術出版)を繰り返し読んでいました。その中に登場する相馬良(黒光)という人物が気になっていて、ようやく30年経った今になって相馬黒光なる人物の伝記を読もうと思い立ったのでした。新宿中村屋は、自分の学生時代にはまだ現在のような店構えではなく、階上の喫茶室に行くと相馬黒光と交流のあった画家や彫刻家の作品が展示されていました。ベーカリーの上がギャラリーになっている雰囲気に釣られ何回となくここを訪れていました。長野県穂高の碌山美術館にも何度も足を運び、新宿中村屋そして相馬黒光と荻原守衛の浅からぬ因縁に思いを馳せていました。映画にでもすれば面白いのに、と当時は思っていました。今までは荻原守衛側から見た黒光像、そして今は相馬黒光側から見た守衛像といった比較検討ができて楽しさは倍増しています。相変わらず短い通勤時間の中で少しずつ読んでいますが、ブルトンの伝記よりは速いペースになっています。学生の頃から慣れ親しんだ明治・大正を彩った芸術家が登場するせいかもしれません。
    茨城県の親友宅へ
    茨城県笠間近郊で陶芸をやっている佐藤健太・和美夫妻は、私たちと家族ぐるみで付き合っています。家内と和美さんが高校の同級生、おまけに自分は陶彫、佐藤夫妻は陶芸の道を歩き出していて、手法は違えども陶による表現を追求している仲なのです。数年前に佐藤夫妻は家を建てる計画を話してくれました。一昨年訪ねた時は自分たちの力で家の建築が始まっていて、今回は完成した新居のお祝いに東茨城郡城里町徳蔵まで出かけて行きました。屋根や水周りは専門の人を雇い、他の部分は全部自力でやった家は、夫妻の思いが籠もっていてとても気持ち良く清々しい気分になりました。陶房も移築されていました。作陶しながら家の建築に励み、それでも作業場が狭いと嘆いていたので、そこはまた考えながらやっていくのだろうと思います。家も陶芸とともに成長するのかもしれません。今日は午前中は笠間にある茨城県陶芸美術館に立ち寄って「第21回日本陶芸展」を見た後、佐藤陶房を訪ね、夜には横浜に戻ってきました。2日間の夏季休暇でしたが、充実した時間が過ごせたと思っています。
    夏季休暇 美術館巡り
    今日と明日の2日間夏季休暇を取っています。先週の2日間の夏季休暇は菩提寺の墓参りと長野県麻績にいる彫刻家池田宗弘先生宅にお邪魔して2日間を過ごしました。今回の夏季休暇の予定では、今日は都心の美術館巡り、明日は茨城県にいる陶芸家佐藤和美宅に行くつもりです。今日は2つの展覧会を見てきました。2つとも力作揃いで詳しい感想は後日にしたいと思います。まず北浦和にある埼玉県立近代美術館で開催中の「彫刻家エル・アナツイのアフリカ」展。小さな金属片を銅線で繋いで巨大な壁を創出する仕事は、その空間処理のスケールから言っても圧倒的な迫力をもっていました。現代アフリカの風潮を廃物をもって雄弁に語っているように思います。次に向かったのが東京の練馬区美術館で開催中の「礒江毅 グスタボ・イソエ」展。2007年に享年53歳で世を去った具象画家の回顧展で、写実を極めた精緻な画風に固唾を呑んで見入ってしまいました。今日はこの2つの展覧会で鑑賞の疲れがピークに達しました。表現のパワーに圧倒されたというのが本音でしょうか。満足した一日を過ごしたなぁというのが実感として残りました。今日も暑い一日で、厚い作品に触れて、熱い思いがこみ上げてきました。頭の中でじっくり整理して別の機会にNOTE(ブログ)にしたいと思います。