2011.07.27 Wednesday
このNOTE(ブログ)は日記としての役割も担っていて、ホームページで公開しているにも関わらず、創作活動だけではなく個人的なことも書いています。毎年、公務員共済組合から定期健康診断のお知らせがきますが、今年は夫婦で人間ドックに申し込みました。自分にとっては個展に続く大きな今月のイベントです。この年齢になって初めて人間ドックを経験するので若干の不安はありましたが、この際なんでも診てもらおうと思っていました。結果が出るのは先ですが、診察ではあまり厳しいことも言われず、ただ減量はしなければならないと感じました。バリウムを飲んだので、午後から仕事に行く気にならず年休をもらいました。家内と久しぶりに中華街を散策して早めに帰宅しました。食卓でいつものようにRECORDを描きました。RECORDは5日間でひとつのシリーズになるように企画しているので、その日のニュースを描くわけにもいかないのですが、今日のところは胃腸に異物が入っている状況を描きたいなぁと思いました。そこで、RECORDの来月のテーマは曲線を使った有機的なカタチを作ってみようと思い立ちました。
2011.07.26 Tuesday
先日、東京ブリジストン美術館で開催中の「青木繁展」に行きました。青木繁は我が国の近代美術史に「海の幸」や「わだつみのいろこの宮」によって名を残した夭逝の画家です。28歳の若さで急逝した青木は、没後友人たちの力によって画業を世に留めた画家でした。「当時僕は歴山大帝(アレキサンダー大王)を崇拝して居たので、あのやうな男子にならねばならぬ、しかし今日では軍人となったところで、一の戦争を業とする人間で、到底歴山大帝の心事は実現し得べきものではないといふことを考へた。(中略)この時に考へて見たのが、哲学であり宗教であり文学であったが、最後に来つたものは芸術であった、それと同時にその実行であった。(以下略)」という青木の言葉が示す通り、美術学校では、師であった黒田精輝が才能を認めつつも青木の不遜な態度に手を焼くありさまだったようです。日本神話をテーマとした青木の絵はやがて認められ、「海の幸」等の代表作が生み出されていくのですが、まさに夭逝の天才画家として青木は草分けだったのかもしれません。その後も我が国の美術史では多くの夭逝した画家が登場してきますが、生き急いだ表現に見られるほとばしる筆致は、夭逝の画家に共通した雰囲気を感じさせます。短く燃えた画業。命を削りながら創り上げた未完ともとれる表現が、恒久なるものを刻んでいると私には感じとれます。
2011.07.25 Monday
表題の展覧会に開催2日目の平日に行きましたが、既に混雑していて仏教美術に対する人々の関心の高さがわかりました。ひと昔前であれば、日本は西洋美術一辺倒で、東洋美術が省みられる機会は少なかったように思います。こうして私も含めて鑑賞者が大挙して訪れるのは、博物館側の企画力、宣伝力等の努力だと思いますが、我が国の文化を誇りにできることは大変喜ばしいことだと考えます。確かに東京上野の国立博物館平成館で企画される国宝級の作品ばかり揃えた大掛かりな展覧会は魅力的です。今回の展示の中で、自分が注目したものは「帝釈天騎象像」でした。京都の東寺では一番隅にあって見落としがちな仏像ですが、照明にくっきり浮かび上がった「帝釈天騎象像」は、惚れ惚れするほど美しく、帝釈天の表情は自然で人魂が乗り移ったような印象を持ちました。象のカタチは幻想に満ち、その象徴性故に豊かな造形となって、全体の生々しさを抑えていました。これは仏像全体に言えることですが、仏師たちの技が西洋彫刻の量感に通じ、さらに一歩踏み込んだ表現の饗宴は、時代を超えて私たちに訴えてくるものがあると感じました。自分はこうした展覧会では学問的な捉えができず、彫刻制作者の眼でしか語れないのですが、書簡も多く展示されていたので史学に精通していれば、さらに感動を呼ぶものがあっただろうと察します。いろいろな要素を含んだ展覧会だけに、彫刻だけでは済まされない鑑賞の仕方もあって、そうした自分の不勉強さを露呈してしまう結果にもなりました。
2011.07.24 Sunday
昨日までの個展の疲れを残したまま、今日は朝から工房にいました。個展の余韻に浸りたいところですが、ここでホッと一息ついてしまうと次に繋がらないのです。ひとつ終わって、またひとつ始めるという考え方はしないようにしています。ひとつ終わる前に次のものが始まっているのです。新作はもう既に作り始めているので、個展の後で間髪をいれずに制作再開をしました。制作を休む時は中途半端な状態の時に休むことにしています。つまり制作を中途で放ったままにしておくと、次の工程に進みたくて仕方なくなります。その時に休めば即座に再開でき、容易に気持ちが戻ります。今日は新作の成形加飾を行いました。先週は個展の作品梱包に時間が取られたので、何とか新作を先へ進めようとしましたが、やはり疲れがあるせいか、今一歩頑張れずに終わりました。でもやっと通常の制作生活に戻れた感じがして、気分良く工房を後にしました。
2011.07.23 Saturday
今年の個展が最終日を迎えました。始まれば、あっという間に終わる個展。このために1年間手間暇かけてやってきたのですが、もう終わりかぁという一抹の寂しさを感じます。今日一日を追えば、朝10時に新橋駅で降りました。ギャラリーせいほうは11時に開くので、その前にパナソニック電工汐留ミュージアムで開催中の「浜田庄司スタイル」展を見てきました。感想は機会を改めます。ギャラリーが開くと同時に入り、来訪者を待ちました。案の定、いろいろな方が来てくださいました。初めて来られた方や懐かしい方々と話ができて良かったと思いました。本当に有難うございました。搬出は旧知の業者2名と、手伝いに来た若いスタッフ4名、画廊のオーナーと受付嬢、家内と自分の合計10名で、作品の解体と梱包を行いました。10人の人海戦術は見事に効果を発揮し、あっという間に作品がバラバラにされてエアキャップに包まれ、運搬車の荷台に納まりました。手伝ってくれた皆さまに感謝です。また、来年開催の約束をオーナーと交わし、今年の個展は無事終了いたしました。