2011.07.17 Sunday
目の前にモデルを置いてデッサンするのは何年ぶりだろうと考えました。人体塑像を作っている時から、かれこれ20年以上は経っています。滞欧中に同地の美術学校で裸婦デッサンをやって以来かもしれません。今日は相原工房始まって以来、初の男性モデルがやってきました。モデルと言ってもプロのモデルではなく、相原工房に出入りしている若いアーティストの一人が知り合いの男性に頼んだのでした。長身で手足が長くスラリとした肢体をもつ彼は、1ポーズ20分で6ポーズをやってくれました。下だけは下着を着けてもらって、床に敷いた布の上で、立ちポーズや座りポーズ、寝ポーズ等を要求に応じて快く引き受けてくれました。私を含めて3人でデッサンを開始。久しぶりのデッサンはなかなか調子が出ず、骨格構造のアタリをつけるのに手間取りましたが、6ポーズ目には昔取った杵柄で何とかカタチにしていきました。美大受験生にとっては勉強になったようです。自分も時々はこうしたデッサンをやって立体構造の把握をしなければならないと実感しました。今日は本当に面白い一日でした。
2011.07.16 Saturday
朝9時に懇意にしている運送業者2名が相原工房に個展出品作品を取りに来ました。工房に出入りしている若いスタッフ2名と家内と私とで作品を乗せたトラックを追いかけ、10時半には銀座8丁目に到着。業者を加えた6名で梱包を解き、ギャラリーせいほう内に今年の作品の部品が揃いました。業者はそこまでで引き取り、家内とスタッフ2名で作品の組み立てと設置を行いました。「構築~解放~」のサークルが大きすぎたため、板材の円形を2分割して配置しました。結果として作品に面白い効果が生まれたので、これはこれで良いと判断しました。撮影時に組み立てた「構築~解放~」のサークルはややまとまりすぎる傾向があったので、半円2つを別々にした配置は意外な視点を与えてくれました。「構築~楼閣~」は中心にぎゅっと集中させた構成にしました。今回はギャラリーせいほうの空間を考えながら臨機応変した展示をしましたが、ある意味で満足しています。思い通りにならないことがあっても、スタッフ全員で知恵を絞ることの意義を感じました。明後日から始まる個展。今年も何とかここまで辿り着けました。
2011.07.15 Friday
明日から三連休になります。計画は前から決まっていて、創作活動で言えば夢のような三連休になる予定です。初日はギャラリーせいほうでの個展準備。つまり搬入と展示です。果たして「構築~解放~」をどのように見せるか、その場で考えていきたいと思います。中日は相原工房に初めて男性モデルがやってきて、若いアーティストの卵たちとデッサン会を企画しています。3人の卵たちは全員20代前後の女性です。女性と言うより女子と言った方がぴったりくる可憐な美大生です。どうなるものやらわかりませんが、自分もデッサンに参加します。人体デッサンは久しぶりです。三連休最終日は個展のオープニングがあります。今回はどんな人たちと出会えるか楽しみです。工房に出入りしている女子たちも今回はスタッフとしてお手伝いをしてくれます。個展も6回目ともなれば、もう浮き足立つことはありませんが、それでも夢舞台を感じる三連休になりそうです。
2011.07.14 Thursday
パウル・クレーの作品集を折に触れて眺めています。「The Klee Universe」という厚めの洋書です。グロテスクで幻想的なエッチングがあったり、クレーらしい記号化された世界が多く掲載されていて飽きることなく見ています。戯画化された線描が心の琴線に触れることがあります。一見あどけない表情の絵が、畏怖の念をもって再び立ち現れてくるようにも感じます。クレーはどんな思いでこんな世界を描いたのでしょうか。何か心理的な分析を試みたくなるのは私だけでしょうか。繰り返される色彩のパターンをもつ絵は北アフリカで見た情景や風物が昇華した結果でしょうか。自分が一日1点ずつ作っているRECRDの制作を始める時は、一旦クレーの印象を記憶の奥に仕舞いこんでから行います。クレーに引きずられてしまうからです。でもイメージが固定化してくると、決まって自分は「The Klee Universe」を開きます。そこで今一度自分の世界を見直し蘇生を図るのです。クレーは模倣を許さない作家です。でも、イメージの何たるかを与えてくれる作家でもあると思っています。
2011.07.13 Wednesday
何か小・中学校で出される夏休みの自由課題のような表題ですが、毎年夏になると知識欲が湧いて学生のように勉強したくなるのです。学校教育で身についた癖なのか、夏休みは何かをやらねばならないと思い込んでいる自分がいます。何年か前は世界的な彫刻家を取り上げて、その著作を読んだり、展覧会に出かけたりしたこともありました。学生時代に興味をもったドイツ表現主義について再勉強した夏もありました。さしずめ今夏は、ずっと以前から著作に取り組んでいるA・ブルトンかなぁと思いつつ、瀧口修造全集を読んでいる頃から関わっているシュルレアリスムの全体像を、ちょっと休んでみたいとも思っています。思い切って日本の古美術あたりをテーマにしてみようかと思いますが、まだ捉えどころが定まらず、漠然とイメージしているに過ぎません。追々何かをテーマに据えて実り多い夏にしたいと願っています。