Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • バイオリズムと作業
    いつぞやブログに書いた記憶がありますが、今日は一日のバイオリズムを考えながら過ごしました。丸一日自分のために時間が使える日は貴重な一日で、とことん作業をやっていたいのですが、気分や集中力に限界があって、思ったようには出来ません。創作行為はとくに感情に左右されるところがあって、気持ちが入るまでに時間がかかります。午前9時から作業を始めて、集中力が増すのが11時くらい。昼食後は午後1時から始めて、3時くらいにもう一度ヤマ場が来ると感じました。夏に制作を集中してやっている時も同じような具合だったと思います。また、彫刻だけではなく、別の作業を始めると集中力が再燃します。木を彫ったり土を練ったりする行為と、平面に絵の具で描く行為は別の世界で、新たなバイオリズムがあるように思えます。作業を変えながら複数の技法を同時にやっていくのがいいのではないかと思いました。                           Yutaka Aihara.com
    陶彫新作の土台作り
    陶彫は数点の窯出しが終わって、まずまずの仕上がりです。これからこの陶彫を組み合せた部分が置かれる土台を作ります。土台と言っても全体の8割を占める作品の一部で、かなり重要なところです。土台は厚板にレリーフを彫り、砂マチエールを施して油絵の具を染み込ませる方法でやります。これは旧作に用いた慣れた技法です。ただ厚板に鑿でレリーフを彫り込んでいくのは初めてです。陶彫の加飾が土台に文様として続いていくように彫っていこうと思います。作業工程としては1ヶ月を考えています。とは言っても普段は公務があるため週末しか出来ません。さらに土日にかかる出張があって日程的には厳しいものがあります。ただ、いつも時間に追われて制作しているため、こうした日程的な厳しさは慣れてしまっていて、何とかなると信じています。明日も土台作りを行います。
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    アフリカンデザイン
    新聞記事にアフリカの色彩やカタチを取り入れたファッションが掲載されていると思わず目がいきます。アースカラーや原色に近い色彩に魅かれ、また単純化されたカタチが大好きで、ドロ臭い情感がモダンにアレンジされていると、それだけでグッズが欲しくなってしまいます。自分は仮面も集めていて、アジアの仮面に混ざってアフリカの黒い仮面を壁に掛けています。ドロ染めの布も持っています。一度アフリカの風土を味わいたいと思っていて、かつてヨーロッパに暮らしていた時に、どうしてアフリカに行かなかったのだろうと悔やまれます。ピカソやモデイリアーニが影響されたアフリカンデザインは、今も自分を刺激していて、制作に迷った時はアフリカンデザインの本を見て心を新たにしています。
    RECORDの新シーズン
    今年の1月からシーズン3になるRECORDを始めています。RECORDとは、ポストカード大の平面に毎日1枚ずつ作品を作っていく仕事を言います。RECORDも3年目ともなれば習慣化しているはずですが、創作的な仕事のためか時には厳しい時間を過ごしています。イメージ通りの作品が出来た時の喜びはひとしおですが、毎日がそういうわけにはいかず滞る時も結構あります。シーズン3はパターン化した文様の中にカタチが変容していくようにしています。先月も今月も格子文様を使っています。2月になってから格子の縦横の割合を変えています。これは5日を区切りに変化する連作にしています。昨年やっていたシーズン2の幾何形体を使った連作の名残があって、5日でひとまとめにしていくのが自分にとって具合がいいのです。
    ドナルド・ジャッドの箱
    現代彫刻は空間についての概念を学ぶものだということを大学を卒業した後になって知りました。これはもう哲学と言っていいもので、空間の捉えを思索し、個展の場で画廊の空間にそのコンセプトを表出させるものです。そうした考え方に立たなければ、米人彫刻家のドナルド・ジャッドを初めとする同世代の彫刻家の仕事は理解できません。自分はドナルド・ジャッドの作品があったにも関わらず、美術館で立ち止まることもなく通り過ぎてしまったのが、初めてジャッドの箱型の立体に遭遇した時だったと思います。何の変哲もない金属製の箱、というのが第一印象で気も留めずに歩き去ったように思います。ジャッドはヨーロッパ的な量や動勢や構成的な彫刻の要素を否定し、単なる物体としての彫刻を初めて世に出した人で、今までの彫刻の概念に囚われない様々な表現が登場する契機を作った人でもあります。自分もそう考えれば納得できますが、そこにある物体の何が革新性をもたらすものなのかわからない時があります。では、ジャッド以後の現在はどうなのか、自分の気づかないところや考えが及ばないところに新しい価値感が眠っているのかもしれません。                         Yutaka Aihara.com