2011.05.13 Friday
2012年の個展に向けて明日から制作を開始します。大地に埋め込まれた陶彫の破片。擂り鉢型の劇場に出現する空間を遮る装置。崩れかけた大きな球体の一部。生物的な動きをもって大地を這う都市の地下構造。それらを立体屏風に仕立てていきます。立体構造と平面的広がりの双方から凝縮した世界を作り出したいと考えます。昨年と今年の構築シリーズは木彫の柱を構成した外へ広がる構造体で、軽みのある空間を演出する意図があります。一転して来年の発掘シリーズは箱の中に押し込めた重厚な空間を演出したいと思っているのです。塊として捉える集合彫刻です。あわせて平面作品としての屏風も同時に制作していくつもりです。立体作品と向かい合って、この平面屏風を展示しようと意図しているため、立体のもつ実在感に負けないような作品にしようと思っています。
2011.05.12 Thursday
先日、7月個展のために作品の撮影を行いました。今回も個展にあわせて図録を作る予定です。図録も6冊目になります。今まで同じサイズ、同じページ数でやってきました。そのフォームを今回も踏襲しています。ただし、少しずつレイアウトを変えて毎回特徴を出そうとしています。今回の特徴は野外での撮影です。幸い好天に恵まれたので、真っ青な空の下で作品の影が美しく落ちている写真が撮れました。ポートレイトも作品を解体する際に野外で撮影したもので、私の周りには若い女性アシスタントたちの姿が写っています。夜、カメラマンが数十枚の画像を携えて自宅にやってきて、相談をしながら画像を選び、図録の大まかな構成が決まってきました。こうした作業は楽しくて時間が経つのを忘れます。そこから次へのイメージ・ステップがあるのです。「木・陶による構築シリーズ・Ⅱ」と名付けた図録は、来月中旬には完成する運びです。
2011.05.11 Wednesday
通勤中の電車内でA・ブルトンの「シュルレアリスムと絵画」を、とつおいつ読んでいます。同書にオブジェに纏わる箇所があり、オブジェの意義を考えました。オブジェというコトバがいつ頃から使われだしたのか記憶は定かではありませんが、日本美術史に出てくる彫刻(彫塑)というコトバに比べれば、新しい時代が生んだコトバであることに異論はないと思います。自分はおそらく学生時代にM・デュシャンのレディメイドの作品を通じて、オブジェというコトバを知ったように思います。「~略~必要性からではなく、むしろ習慣から人間が用いている事物によって感覚世界が侵略されつつあるいま、それに対抗しうる防御手段をなんとしても強化しなければならない。ここでも他のどこでも、慣用という気ちがいじみた獣を追い立てることである。そのための手段は存在する。~略~詩人たち、芸術家たちは、相異なる二つのイメージの接近によって想像力のうちにつくられるあの『力の場』のさなか、学者たちと出会う。二つのイメージのこの接近の機能が彼らに、一般には限界となっているオブジェの明白な生命の重視というレヴェルを、さらにこえて高まることをゆるすのである。~略~」(A・ブルトン)事物の持つ価値を転換させ、新しい価値を創造することを芸術と科学双方で連携して試みること、これがオブジェの意義であると自分も考えます。
2011.05.10 Tuesday
今月から6月にかけて気温の変化に身体がついていけないことがあります。自分は比較的元気で、滅多に体調を崩さない方ですが、それでも気分が乗らない一日があります。疲れているのかわからない時は、大抵気温の変化による外的な要因が多いと思います。自分は精神的に病むことは今のところありません。作品を煮詰めていく時に精神的に厳しい時がやってきますが、週末を越すと別の仕事が待っているので、精神的な深みに嵌ることはありません。次の週末は再び仕切り直しになるからです。ただし気温の変化は気分にも変化を齎せ、二束の草鞋双方の仕事にダメージを与えることがあるのです。夏に向かい気温上昇に備えていきたいと思うこの頃ですが、具体的にはどうしたらよいのかわかりません。睡眠と適度な運動かなぁと思っています。確かに近隣のスポーツクラブに行って汗を流した後は爽快感があります。週末を精一杯制作にあてるために体調は万全にしておきたいものです。
2011.05.09 Monday
抽象形態のパターンをベースにしている今年のRECORD。一日1点制作のペースは崩さずに継続しています。今月は小さな正方形が並んだ画面をベースにやっています。縦横に同じ正方形が並んでいるだけで自分は意欲が沸きます。今年の個展に出品することになった「陶紋」の基本は正方形で、かつてRECORDの立体化を図ろうとしたのが「陶紋」を作る契機になっているのです。一日1点の陶彫は時間的な制約があって現在は保留にしています。いずれ時間が出来た時は立体RECOEDを試みようと考えていますが、その前に平面作品としてイメージを貯蓄しておこうと思っています。それが今月のテーマです。もっと自由にやれるRECORDですが、どうも陶彫から離れられない癖があって、その手枷足枷が自分を追い詰めてしまう結果にもなることも自覚しています。