2010.11.14 Sunday
今日も工房に行って制作をしました。大きな四角錘3点目の成形と陶彫土台の窯入れです。陶彫土台も3点目の焼成になります。やっと制作のリズムが出来てきました。次から次へ作業を進めていくリズムです。陶彫は新作ごとに作るカタチが異なり、また課題も違うのです。今まで通りの作り方や経験が通用しない場合が多く、初めの1点目に神経を使います。今回は1点目が何とか出来たので調子がつきました。まだ窯いっぱいのサイズで作っている大きな四角錘(ピラミッド)の焼成が出来ていないのが心配です。週末を工房で過ごしていると、時間はあっという間に経ちます。成形や焼成では心身ともに疲れてきますが、気持ちの良い時間を過ごしている実感はあります。窓から見える木々が、さらに色づいて秋の深まりを感じさせてくれます。ウィークディの公務では、あまり気に留めない季節ですが、制作の合間に何気なく木々を見ている自分に気づいて、モノを作ることは自然に近い感覚になることかなぁと改めて思ってしまいます。
2010.11.13 Saturday
毎週土曜日と日曜日は工房に来て制作をやっています。ほぼ毎回同じ時間に工房のカーテンを開け、FMラジオをつけて、陶土をいじり始めます。流れる空気を感じながら作業に入りますが、こうしている時間が実は一番幸せを感じる時間です。時に厳しい作業に追い込まれて幸せなんて言っていられない作業工程もあります。命を磨り減らしているのではないかと思う時さえあります。ウィークディに2回ほど夜スポーツクラブに行っているので、その筋肉疲労が残っている場合があって、そうした時の土練りやタタラ作りは本当に身体の芯から辛いのです。成形も神経を使います。こうして書いていくと、陶彫制作に面白みなんてあるのかと思いますが、窯から焼成が終わって出来上がってくる作品群を見ていると、疲れが吹っ飛びます。もちろん焼成が成功した場合に限りますが…。創作活動はそんなものかもしれません。クオリティの高い喜びを得るには、苦しい工程が数々あって、それを乗り越えなければならないと考えます。工房に流れる空気は、毎回同じ時間に工房を訪れるにしても、毎回違った空気が流れます。こちらの意識の成せるもので空気が変わるのですが、それでもやはり幸せは感じているのです。
2010.11.12 Friday
陶による表現は、最終段階でそれまで手塩にかけてきた作品を窯に入れて高温で焼く工程があります。土練りを丹念に行うのも、タタラや紐作り、またはロクロを回して成形するのも、全てこの最終段階でいかに自分の意図するものにできるかを求めたいがためにやっているようなものです。乾燥もまた然り。自分は釉薬は使いませんが、釉がけをするなら、さらに釉薬が高温で変化することを見極め、それについての研究も必要になります。最終段階の焼成で上手くいかなければ今までの細心の努力は全て水の泡。そこが陶による表現の醍醐味であり、また辛いところでもあるのです。先日、仕事帰りに工房に出かけ、先週末に窯に入れた作品の窯出しをしました。何年やっても、この時の期待と絶望の入り混じった緊張感は好きになれません。窯の扉を少々開けて、陶彫作品が壊れていたり変形していないかを確かめて、大丈夫とわかった時は、ホッと胸を撫で下ろします。とにかく新作部品第一号は何とか成功したのでした。今週末にまた窯入れをします。やっと今になって新作が少しずつ出来上がっていく気分に浸れました。
2010.11.11 Thursday
今月4日のブログのタイトルが「自分の中のシュルレアリスム」。今日はバウハウスです。自分はバウハウスに特別な思い入れがあります。ドイツが生んだ画期的な造形教育施設だったバウハウスは、ナチスの弾圧を受け、その理念は米国に受け継がれていった歴史があります。そのバウハウスという存在を知ったのは、自分が10代の終わりに大学受験のために通っていた予備校の講義でした。その頃、自分は建築科志望を諦めて、代わりに工業デザインを学びたいと考えていて、デッサンや構成の基礎を学んでいた最中でした。バウハウスはそんな自分の進路に活路を与えてくれる学校だったわけで、時代が時代なら本格的に入学を考えたかもしれません。結局、工業デザインから彫刻に方向転換した自分は、バウハウスに対する興味関心を封印して塑造に励むようになりました。再びバウハウスが自分の中で沸きあがってきたのは、欧州滞在から帰国した頃で、せっかくドイツ周辺で暮らしていたのに、どうしてバウハウスの痕跡を訪ねなかったのか悔やむばかりです。クレーやカンディンスキーの絵画にはよく接していたのに肝心のバウハウスには触れずに終わってしまいました。昨日のブログにありますが、バウハウス関連の展覧会は必ず行っています。でも今の自分は彫刻に身を捧げています。自分はバウハウスと一定の距離を保ちながら、今後も研究を続けていきたいと思っています。
2010.11.10 Wednesday
戦前、ドイツで誕生したバウハウス。全ての造形活動は最終的に建築に統括されるという理念を持った教育施設です。いわゆる美術学校とは路線の違う学校だったようで、大量生産を目的としたモダンデザインを考案し、近現代に即した生活のあり方を提案しました。先日、東京新橋のパナソニック電工が運営する汐留ミュージアムで「バウハウス・キッチン」という企画展が開催されていたので見てきました。家庭生活における女性の労働を少しでも改善しようと、さまざまな台所用品が発明されて、機能美を追究した作品が展示されていました。当時のバウハウスの工房がデザインしたキッチンが展覧会場に再現されていました。今でこそ何でもない収納棚や水周りが、バウハウスの時代に始まっていたと思うと、バウハウスの果たした役割はすごいものがあるように思えます。現在にも受け継がれている機能美は、ドイツ国民のもつ理知的な合理性と相まって普遍なるものを感じさせてくれました。