Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 「田中一村 豊饒の奄美」
    表題は大矢鞆音著「田中一村 豊饒の奄美」で、3月に奄美大島に行った時に購入した書籍の一冊です。田中一村は以前NHK「日曜美術館」で取り上げられて興味を持った日本画家で、横浜のデパートの巡回展にも足を運びました。それ以来現代的なセンスで描かれた一村ワールドの虜になり、当時の図録だけでは飽き足りず、今回も奄美の美術館を訪ね、このような本を買った次第です。中央画壇に背を向けた経緯、奄美の生活と創作の充実、自分も美術に関わる作者の端くれとして、取材から浮き彫りされる一村の足跡がよくわかり、生々しいイメージが沸きました。とくに奄美に渡ってからの創作活動に興味津々でした。自分も年1回の個展以外に発表する手立てがなく、画壇との付き合いも望むべくもない作家ですが、ひたすら創作して心がいっぱいになっている充実感はあります。もっと認められたいと願うのは作家である以上つきまとう現実ですが、まず創作活動ありきと思っています。認められる認められないは結果としてついてきてくれればと願ってやみません。
    造形の果てない魅力
    横浜の地方公務員である自分は、いずれ近い将来定年がやってきて、晴れて自由人になります。勤務時間がなくなるということは、一日のリズムはどうなるのだろうと今から思いを巡らせています。自分は決まった時間に仕事を始めるのが気持ちの上ではとても楽で、またその中で集中力も増してきます。自由人と言っても気儘な制作は考えられません。きっと決まった時間に工房に入り、決まった時間に一日の仕事を終えるのではないかと想像しています。造形の魅力にハマッている時間は一体いつまで続くだろうと考えることもあります。果てしないのか、気持ちが萎えてしまうのか、自分にはわかりません。ただ今は公務の合間にふと造形芸術の果てしなさが頭を過ります。早く自分だけの時間が持てないか切望しています。アイデアはいつも頭にあって、どんどん制作に移したいと考えていますが、労働の束縛があればこそのイメージの膨らみなのかもしれません。             Yutaka Aihara.com
    姪の結婚式
    この歳になると冠婚葬祭では圧倒的に葬式や法事が多くなり、周囲にも親近者が亡くなったり、介護をしている話題が増えてきます。その中で結婚式は久しぶりです。姪は自分が渡欧中に自分の妹の長女として生まれた子です。大学を出て幼稚園に勤めていましたが、学生時代から付き合っていた人と今日ゴールインしました。今まで自分の個展の搬入や搬出を快く手伝ってくれています。多分今年の7月の個展にも声をかけるつもりですが…。披露宴の間に自分も結婚を決意した時のことを思い出しました。自分の理解者であり協力者である人が傍にいてくれたことが、彫刻家を志す自分には大変な力となり、また勇気づけられてきました。精神的な支えが必要とすることを当時の自分の師匠はわかっていて、早く結婚するように勧められたのでした。姪にはどんな夢があるのでしょう。ともかく今日は祝福の気持ちでいっぱいです。Yutaka Aihara.com
    「発掘〜遺構〜」全体配置
    この週末は来月の銀座での個展に備えて、「発掘〜遺構〜」のテーブル部分を支える杉材の全体配置を考えました。48本の柱をどう配置するか。テーブルにした時に支柱としての強度はどうか。地震がきて作品が転倒してしまわないように、また安全に配慮して柱一本一本に補強の部品をつける必要があると感じました。柱が48本もあると高さの微調整も必要になってきました。電動工具で柱の先端部分を1ミリから数ミリ削らなければならないと考えています。こうした仕事が増えて、結局搬入までの余裕がなくなります。いつものことなので焦りはありませんが、作品の内容とは別の仕事なので、つい面倒だと感じてしまいます。立体を複数の部品で組み立てるので、これはいつもついてまわる問題で、こういうことが生じるからこそ早めに作ろうと意図するのですが、なかなかうまくいきません。何とかしていかなければならないと決めたところで今日の作業を終えました。
    日常の中のRECORD
    1日1点ずつポストカード大の作品を仕上げていく「RECORD」のシリーズは1年半を迎えようとしています。我ながらよくやっていると自負していますが、どうしてもパターン化してしまう傾向があって、最近はあまり気に入っていません。習慣化は作品の蓄積にはいいのですが、質的な向上は疑問です。2月から始まっているセカンドシーズンは月ごとの幾何形体を決めてやっているので、なおさらパターン化を感じてしまいます。あえてそうすることによって、なお展開できる力をつけたいと考えて始めたのですが、苦しい限りです。構成に遊びがなくなり楽しめなくなってきています。今日は楽しいと感じて表現するには、なにか新しい視点、思索、工夫が必要だと痛感しています。明日こそ、と思えるだけまだまだ続けられそうですが、意欲が失われないように方策を考えていこうと思います。          Yutaka Aihara.com