Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

  • Tag cloud

  • Archives

  • 週末 低めの四角錘の成形
    新作の陶彫部品の制作を続けています。今日作ったのは低めの四角錘です。これはいくつか作っていく予定ですが、今日はその第一点目。今まで作った大きな四角錘や天辺が欠損した三角錐に比べれば容易いと思っていたところが、なかなか難しいことがわかりました。やはり第一点目はどんな作品であれ苦労すると思いました。この低めの四角錘は加飾に凝るつもりです。浮き彫りを施したピラミッドがイメージされていて、この四角錘数点で試みます。ピラミッドというより寄棟の屋根といった方がしっくりくるかもしれません。屋根に瓦があるようなイメージで、成形したカタチに微妙な彫り込みを入れていきます。それが幾重にもある情景を思い浮かべているのです。工房での作業は朝から夕方まで続いたので、手がガサガサになってきました。冬の陶彫は手荒れします。そろそろハンドクリームを用意したほうがいいかなと思って、工房を後にしました。明日も継続です。
    「風のアルファベット」I・タンギー
    空漠たる風景の中に象徴めいた何かが存在しているという絵画があります。そのトーンがちょうど嵐の前の空に似て、異様な雰囲気を醸し出しています。フランス人画家イヴ・タンギーの「風のアルファベット」はシュルレアリスムの典型的なスタイルをもつ絵画です。シュルレアリスム絵画を初めて知った時、それは自分の学生時代に遡りますが、タンギーの絵画は脳裏に刻まれました。当時はスペイン人画家サルバトール・ダリが、その作品の質量とも圧倒的で、ダリこそシュルレアリスムの代表と思っていたわけですが、一方でタンギーの不安を煽るような独特な画風にも魅せられていました。横浜美術館にあるコレクションの中に「風のアルファベット」があります。これは写実的傾向が強いシュルレアリスムの傑作のひとつだと思っています。デペイズマン(意外な組み合わせと言うものでしょうか)が不思議な情景に一役買っているように思います。
    12月RECORDは「蠢く」
    「蠢く」は「うごめく」と読みます。お恥ずかしいながら自分が最近覚えた漢字です。春の下に虫が2匹…というのが、いかにも「うごめく」雰囲気を表しています。今月のテーマはこの1年間のRECORDを締めくくるもので、命あるものが動き出す様子を描きたいと思いました。このシーズンはこのテーマで最後になります。今年の初めからのテーマを追うと、「絡みつく」「渦巻く」「穿つ」「繋がる」「集まる」「曲がる」「組み立てる」「増殖する」「逆巻く」「吊るす」「崩れる」そして最後に「蠢く」になります。こうしてテーマにしたコトバを連ねると、自分がイメージしやすいものが見えてきます。このテーマ選択にも自分なりの個性があるのかもしれません。RECORDの制作も今月が終われば丸4年。時間がない中で工夫して作ってきましたが、欲を言えばキリがありません。作品がマンネリズムに陥り、日々慣れていく恐ろしさを感じつつ、それでもああしたい、こうしたい、という気持ちだけは衰えていません。まだ頑張ってみようと思います。
    今年の締めくくりをどう過ごすか
    12月になりました。光陰矢の如く時の早さを実感しています。こんなふうにして、あっという間に定年を迎えるのでしょうか。でも残り数年は公務員と彫刻家の二束の草鞋を履いて頑張る予定です。昨年は工房が完成して嬉しい半分、制作の遅れを心配していました。今年は昨年よりも少しばかり早く制作が進んでいます。難しい大きな陶彫の部品にも取り組んでいますが、これで満足ということはなくクオリティをもっと高めていきたいと思います。幸いイメージはどんどん広がるので、時間の不足を嘆くばかりです。付け加えれば時間の無さを言い訳にして陶彫と木彫以外の素材に手が出せません。いろいろ実験したいことはあるのですが…。RECORDは時間をやり繰りして何とか続いています。一日1点の葉書大の作品を作ることを自分に課して、4年目を迎えています。彩色は週末にまとめて行うことがありますが、イメージを下書きしてペンを入れるのは毎晩の仕事です。このブログも毎晩書いてアップしています。今月はまさに今までやってきた制作、つまりライフワークの区切りです。例年12月は締めくくりという意識があって、かなり頑張る1ヶ月になります。今月もその流れにそってやっていこうと思います。
    「少女が見た湖の夢」M・エルンスト
    横浜美術館は自分の地元にある施設なので頻繁に訪れます。主に企画展が目的ですが、常設にも注目すべき作品が多く、常設展示会場にもよく足を運びます。自分の憧れる彫刻家イサム・ノグチの他にシュルレアリスム絵画や彫刻のコレクションが充実していて嬉しい限りです。その中の1点、マックス・エルンストの油絵「少女が見た湖の夢」は、美術館を出る前に必ず見にいきます。何回見ても飽くことのない世界で、その深みに入り込んでしまうのです。謎めいたタイトルと神秘的な色彩。さらにシュルレアリスム絵画特有のオートマティスム(自動筆記)を効果的に使っています。技法としてはデカルコマニーを多用していて、その偶発的な表現に何かの幻影を見てるような錯覚に陥ります。幾重にも重なる岩石の層、太古から甦る化石のような層、そこに染み入る水、それが湖となって夢とも現ともつかぬ世界が出現しています。近隣の美術館において、こんな世界観をもった作品がいつでも見られる幸せを実感しています。