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  • 「バルラッハの旅」を読んで
    「バルラッハの旅」(上野弘道著 風間書房)はドイツ近代彫刻家を取り上げたもので、著作の前編はバルラッハの足跡を辿りながらドイツを巡る、いわば紀行文のような構成になっています。数年前に日本で大きな展覧会があったとはいえ、バルラッハは日本での知名度があるとは言えません。自分は滞欧中にウイーンの美術館でバルラッハの彫刻と出会い、かなり刺激を受けたのですが、それがなければバルラッハを知り得ていませんでした。著者は既に他界されていて、その遺志を受け継いで、著者のご子息がこの本をまとめられたようです。バルラッハを初めとする近代ドイツ彫刻史を論じている本書を読むにつれ、著者の急逝が惜しまれてなりません。後編は教員養成大学の教壇に立っていた著者が大学と地域の小学校との連携に取り組んだ実践記録が記されています。陶芸を通して、地域で採取した土やリサイクルした窯で、子どもたちと焼き物作りに生き生きと取り組む日常が描かれていて、今後の教育に一石を投じるものがあるように思えます。
    新作最後の窯出し
    陶彫による大きな作品を作っている自分は、いくつかの部品に分けた陶彫を何回も窯入れして、作品を組み立てていく方法をとっています。今回の新作「構築~瓦礫~」はそこに炙った杉材の柱を8本加えています。8本の柱は陶彫部品にボルトナットで固定してサークル上に配置する計画です。サークルの中に陶彫部品をランダムに置き、タイトルにある瓦礫を表現しようとしています。日曜日の夕方に、陶彫部品の最後となる成形した大き目の作品を窯入れしました。やや肉厚の作品であったため乾燥ができているかどうか心配しましたが、3日目の今日窯を開けました。何とか成功したようで、ホッと胸を撫で下ろしました。窯は1230度まで時間をかけて温度を上昇させ、またゆっくり冷まします。3日目となれば窯の中は100度前後になっているのです。窯開けは3日目がちょうどいいと思います。これで新作の陶彫部品は全て揃いました。陶彫部品ひとつひとつに貼る印も彫りあがりました。今週末に全体を配置してみようと思います。
    拡大レンズ付スタンド
    先日から新作「構築~瓦礫~」の部品につける印を彫り始めています。一日の仕事が終わって、帰宅してからの作業になるので、手許が覚束無く、おまけに細かい作業なのでつらいものがあります。老眼と思いたくないのですが、確かに前よりは見えにくくなっています。そこで実家で母が使っている拡大レンズ付スタンドを借りてきました。夕食後にダイニングテーブルの上で作業するには大変好都合です。印を彫るためにわざわざ工房には行きたくないし、印床も印刀も自宅に持ってきているので、今週はRECORDと併行して印作りをやっていきます。勤めている職場ではパソコンを見ている時間が長く、さらに帰宅しても印材に向かって細かい作業をやっているので、最近は眼を酷使していると感じます。ただし家では電話や来客の応対に追われないだけ、拡大レンズを見ながら、じっくり作業ができるのがいいのです。
    新作の印を彫る
    絵画や版画には作家のサインがあります。自作の彫刻で、そのサイン代わりと考えているのが自分で彫る印です。書の落款と同じですが、ナンバリングとしての用途があるので、書のそれとはちょっと違います。数多くの陶彫部品を組み立てることで成り立つ彫刻を作っている自分は、全体で部品がいくつあるのか、また旧作と間違えないようにするために、それぞれの部品に新作なりの印をつけています。だから印は新作ごとに新しくデザインして作ります。作品の数だけ印の数もあるわけです。印は小さな和紙に押印してナンバリングして陶彫の目立たないところに貼っています。昨日から新作「構築~瓦礫~」の印を彫り始めました。自作の印は書というより抽象絵画を考案するように作っています。書家が見るとデタラメな印になっていると思いますが、もともと自分には書道の基礎がないので、自由気儘に作るしかないのです。デザイン化した氏名を毎晩少しずつ彫り上げていく作業は楽しいと感じます。RECORDと併せて作業するのはつらいものがありますが、こういうつらさは大歓迎です。
    週末 「瓦礫」修整と「包囲」運搬
    「構築~瓦礫~」の最終仕上げに入りました。瓦用隙間接着剤を使って、ヒビの入ったところを修整しました。無理なカタチをしている陶彫部品があるため、窯の中で微妙にヒビが入るものがあるのです。最後にもうひとつ大きな陶彫部品の窯入れがあって、これですべて「構築~瓦礫~」の部品は揃います。来週末には全て部品が出揃って全体構成を行い、29日の撮影に備える予定です。数多くの陶彫部品を作ったつもりが床に並べてみると、こんなものかと思えて、辛い気持ちになりました。今日はボランティアの子がやってきたので、午後から自宅のアトリエに眠っている「構築~包囲~」を工房に運びました。分解してあるとはいえ、2人で交互に運ぶのはきついものがありました。この「包囲」と午前中に修整をした「瓦礫」が今年の個展に出品するのです。29日の撮影は、この2点が中心です。