Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • イメージが浮かぶ時
    どんな時にイメージが浮かぶのか。自問自答してみると、何気なく見ている風景の記憶や寝る前に布団の中で思い描く一日の振り返りの時だったりします。即座に書き留める作家もいますが、自分はそんなにマメではないので、イメージが浮かんでも夢うつつの彼方に消えてしまいます。それでもなお残るイメージが作品になっていくのです。それは今のところ自然の情景ではなく、人工の産物だったりします。作品が都市のイメージを持っているのはそのせいです。工場にも魅力を感じてしまいます。首都高湾岸線を横浜から羽田空港に向かう途中に工場があり、その建物が何ともいいのです。円柱形の建物が赤と白に塗り分けられていて、手前の緑の自然の中にそれが現れると嬉しくなります。イメージが浮かぶ時は、視界に入ったもののうち何に感じるかにより、それが記憶にすり込まれて現れてくるものだと思っています。Yutaka Aihara.com
    快い空間の夢
    自分がリラックスしている時はどんな時か。夢の中では快い空間の中でお茶を飲んで本を読んだりしてぼんやり過ごしている情景が浮かびます。空間は白っぽいガランとした部屋の中です。古木で作られた重厚な家具があります。天井にも古木の梁があって、古い民家をモダンにリニューアルした趣きです。奥の方に大きな陶芸窯と作りかけの陶彫作品、乾燥した木材や鉄、溶接や道具の数々。う〜ん、これは自分が理想としている工房なのかもしれません。こんなところで制作したいという願望があるのです。でも環境に満足してしまうと作品に集中できるのかしらと思うこともあります。環境がなければ作業はできませんが、願望や野心を抱いているうちが一番乗っている時期なのかもしれません。
    街角の具象彫刻
    ヨーロッパで5年間生活して日本に戻ってきた時、日本も変わったなと思ったのは、新しく作られた街には広場があり、街路樹が植えられていたことでした。ショッピングモールにもベンチがあり、オブジェが設置してありました。ガラス張りの最新の建築には、石や金属や硬化プラスチックなどによるオブジェがよく似合います。でもやはり馴染めないのが街角に佇む人体による具象彫刻です。昔からある銅像もそうです。街の美観としては美しく感じないのは私だけでしょうか。彫刻のもつテーマや置く環境によってはしっくり馴染んでいる彫刻もありますが、ビルを背景に見る立体作品としては人体以外の作品の方が映えるように思います。街の中に出てきた彫刻。でも場所を選ばずというのではありません。それなりの環境があってこそ鑑賞できる美術作品です。ヨーロッパのように建築の一部として人体彫刻があったわけではないので、日本の人体による具象彫刻はまだまだ模索の時代なのかもしれません。
    「塑造」という原点
    しばらく塑造をやっていません。自分が彫刻の世界で初めて作ったものが塑造による具象彫刻でした。針金にシュロ縄をまいて心棒を立て、そこに粘土を肉付けして目の前にいるモデルを作りました。空間に粘土でデッサンするという感覚でした。骨格やボリュウムが決まると立体ならではの快さを感じることができました。現在やっている彫刻は塑造(モデリング)ではなく、彫造(カーヴィング)です。木材を彫るのは、量をプラスする塑造とは反対の量を削り取るマイナスの造形になります。同じ立体造形ですが、たまに「塑造」という原点に戻ってみたくなります。木彫と併行してやっている陶彫は粘土という可塑材を使っているにも関わらず、塑造とは表現方法が異なります。陶土をたたら(板状)にして組み合わせていくので、いわば構成による彫刻です。いづれ時間ができたら、もう一度塑造をやってみようと思っています。そういえば10年前に作った「手」が石膏取りをして作業場に放置してあります。この時も久しぶりに試みた塑造でした。        Yutaka Aihara.com
    仕事の隙間の創作行為
    木を彫ったり陶芸をしたりするのは週末の昼間です。ウィークデイは公務があって大きな彫刻は作れませんが、仕事から帰って夕食を済ませた後に自分の時間がやってきます。ボ〜としている頭をもう一度リセットして、365点の連作に取り掛かります。ポストカード大の平面作品なので大きさとしては気楽に出来ます。しばし熱中してイメージを搾り出し、身近にあるペンで描いていきます。気持ちが乗れば時間は瞬く間に過ぎていき、その日の満足が得られます。それからこのブログです。これを書いて就寝。毎日の生活パターンになっています。たまにスポーツクラブで汗を流す夜もあります。そんな時も日々の小さな創作とブログはやっています。早朝6時過ぎに職場に行って、この小さな創作をやっていることもあります。出張に出かけるついでに立ち寄るレストランでもイメージの搾り出しに熱中していることもあります。どこでも創作行為。仕事の隙間に存在する貴重なひと時。ポストカード大の厚紙とペンはいつも携帯している日常です。 Yutaka Aihara.com