2010.05.07 Friday
今月5日に美術館巡りをした折り、表題の展覧会に足を運びました。東京渋谷にあるBunkamuraミュージアムは斬新な企画で人を集めるので、自分はよく見に行っています。タマラ・ド・レンピッカも特異な女流画家だと思います。もともとポーランドのワルシャワ生まれのレンピッカは、パリやニューヨークを舞台に活躍しました。アールデコを代表する芸術家のひとりと称されますが、ルネサンスの絵画から様々な手法を学び、それをレンピッカ風にアレンジして独特の世界を作り上げました。レンピッカ風というのは、人物を描いても静物を描いても自然な光を感じず、むしろ舞台に照明を当てているようなキラリとした技巧的な光を感じるのです。レンピッカ自身も、モデルのように美しく女優のようなムードが漂う芸術家です。レンピッカが生み出す絵画全てがレンピッカの自画像のように思えてきます。アールヌーボーやアールデコが見直されている現代にあって、レンピッカは懐古と斬新の入り混じったユニークな地位を与えられている画家だと思います。
2010.05.06 Thursday
由緒ある家系に伝わる文化財を守っていくことは、後世の人にとって大切な役目であると思います。散在して失われた価値ある家宝は残念の極みです。旧熊本藩主である細川家は、永青文庫を設立して文化財を後世に伝えてきました。東京上野にある国立博物館平成館で、永青文庫が保有する価値ある文化財に、自分を含め多くの人が接することができるのは、細川家の人たちが代々守ってきた努力のおかげと思っています。美術的な価値で言えば、巧みな技が生かされた工芸品の数々が挙げられます。自分は刀の鍔の繊細な造形に惹かれました。織物の刺繍の美しさにも眼を見張りました。美術館の外は初夏の陽気になっているにもかかわらず、美術館の内部はひっそりとした暗がりになり、手の込んだ貴重な美術品ひとつひとつにライトが当てられ、じっくり鑑賞できる環境が演出されていました。休日だったので、人で混んではいましたが、骨董価値のある品々を時間をかけて堪能出来ました。
2010.05.05 Wednesday
ゴールデンウィーク最後となる今日は、美術館を巡ることにしました。知り合いにチケットをいただいていること、もちろんそれだけではなく、多忙な公務や週末の創作活動に終始する日常にあって、何とかスケジュールをやりくりしても美術館に足を運ぶことが自分にとって大切なことだと考えているのです。自分は美術館の空間が好きなので、これは創作に匹敵する楽しみのひとつになっています。午前中に東京上野の国立博物館平成館で開催している「細川家の至宝」展に行ってきました。展示品は骨董価値のあるものが多く、鑑賞者は年配の方が多いように思えました。次に向かったのは渋谷Bunkamuraミュージアムで開催中の「美しき挑発 レンピッカ展」。以前このブログにも書いたことのあるアール・デコを代表する女流画家の展覧会で、鑑賞者は女性が圧倒的に多く、頽廃ムードの漂う絵画を堪能しました。詳しい感想等はまた別の機会に書くとして、今日はこの2館だけで帰ってきました。夜に図録撮影をしていただいたカメラマンとの打ち合わせがあったので、美術館巡りは余裕をみて早めに帰宅したのです。ともあれ連休は充実していました。ゆっくり休むというわけにはいかなかったのですが、これも自分の性分なのかもしれません。
2010.05.04 Tuesday
まだ7月の個展が控えているのに、来年度に向けた新作を考え始めました。今年は「木・陶による構築シリーズ」の1回目の個展を企画しています。「構築~包囲~」「構築~瓦礫~」を発表する予定です。来年は「木・陶による構築シリーズ」の2回目となり、「構築~解放~」と陶彫を使った新作をこれから作ります。今年の「包囲」と「瓦礫」は、複数の柱の向きがピラミッドの形状になっていて、作品の上方のどこかで頂点をを結ぶように配置します。来年の「解放」はその逆で複数の柱が放射線上に広がっていくのです。当然今構想中の新作も、柱を放射線状に広げ、陶彫部品でその柱を固定するつもりです。「瓦礫」のパーツはお椀型を基本とする形態の陶彫です。新作はどうするのか、これが思案のしどころです。イメージはあるのですが、そのイメージを具現化するための効果的な形態は何なのか、放射線に広がる数本の柱に視点を誘導するための演出として、どんな形態をどのくらい配置すればよいのか、今月はそんなことを考えつつ試作を行っていきます。
2010.05.03 Monday
毎年5月3日に、栃木県益子で行われている陶器市と茨城県笠間で行われている陶炎祭に出かけます。今年もこの時期がやってきて、早朝から横浜を発ち、陶芸の祭りを見てきました。益子や笠間には、かれこれ20年近くも通っていることになります。益子では若手陶芸家のホソカワカオリさんの作品に注目しています。洗練された皿や小鉢は、デザインとしてみれば地味に見えますが、日用品として使っていくうちに、使い勝手の良さに気づき、作品たちは生活必需品の中にすっかり馴染んでしまいます。毎年少しずつ楽しみながら買い求めています。笠間では親友佐藤健太、和美さん夫妻に会ってきます。佐藤陶房は土の風味を生かした美しい日用品を作り出しています。焼き締めのざっくりしたマチエール、加えて繊細に行き届いた造形に特徴があります。日用品として使っても、オブジェとして眺めてもクオリティの高い作品です。今回は健太さんの直方体を基本にした一輪挿しとオブジェを買ってきました。若手陶芸家として活躍を始めた冨川秋子さんの作品は、ブルーの釉薬が清楚な造形を際立たせています。今後、注目していきたい作家です。陶炎祭の夜、野外ステージで開催されていたジャズ演奏や会場の一角にある野焼き窯の燃え盛る炎を見ながら、今年の祭りを満喫しました。