Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 街角の具象彫刻
    ヨーロッパで5年間生活して日本に戻ってきた時、日本も変わったなと思ったのは、新しく作られた街には広場があり、街路樹が植えられていたことでした。ショッピングモールにもベンチがあり、オブジェが設置してありました。ガラス張りの最新の建築には、石や金属や硬化プラスチックなどによるオブジェがよく似合います。でもやはり馴染めないのが街角に佇む人体による具象彫刻です。昔からある銅像もそうです。街の美観としては美しく感じないのは私だけでしょうか。彫刻のもつテーマや置く環境によってはしっくり馴染んでいる彫刻もありますが、ビルを背景に見る立体作品としては人体以外の作品の方が映えるように思います。街の中に出てきた彫刻。でも場所を選ばずというのではありません。それなりの環境があってこそ鑑賞できる美術作品です。ヨーロッパのように建築の一部として人体彫刻があったわけではないので、日本の人体による具象彫刻はまだまだ模索の時代なのかもしれません。
    「塑造」という原点
    しばらく塑造をやっていません。自分が彫刻の世界で初めて作ったものが塑造による具象彫刻でした。針金にシュロ縄をまいて心棒を立て、そこに粘土を肉付けして目の前にいるモデルを作りました。空間に粘土でデッサンするという感覚でした。骨格やボリュウムが決まると立体ならではの快さを感じることができました。現在やっている彫刻は塑造(モデリング)ではなく、彫造(カーヴィング)です。木材を彫るのは、量をプラスする塑造とは反対の量を削り取るマイナスの造形になります。同じ立体造形ですが、たまに「塑造」という原点に戻ってみたくなります。木彫と併行してやっている陶彫は粘土という可塑材を使っているにも関わらず、塑造とは表現方法が異なります。陶土をたたら(板状)にして組み合わせていくので、いわば構成による彫刻です。いづれ時間ができたら、もう一度塑造をやってみようと思っています。そういえば10年前に作った「手」が石膏取りをして作業場に放置してあります。この時も久しぶりに試みた塑造でした。        Yutaka Aihara.com
    仕事の隙間の創作行為
    木を彫ったり陶芸をしたりするのは週末の昼間です。ウィークデイは公務があって大きな彫刻は作れませんが、仕事から帰って夕食を済ませた後に自分の時間がやってきます。ボ〜としている頭をもう一度リセットして、365点の連作に取り掛かります。ポストカード大の平面作品なので大きさとしては気楽に出来ます。しばし熱中してイメージを搾り出し、身近にあるペンで描いていきます。気持ちが乗れば時間は瞬く間に過ぎていき、その日の満足が得られます。それからこのブログです。これを書いて就寝。毎日の生活パターンになっています。たまにスポーツクラブで汗を流す夜もあります。そんな時も日々の小さな創作とブログはやっています。早朝6時過ぎに職場に行って、この小さな創作をやっていることもあります。出張に出かけるついでに立ち寄るレストランでもイメージの搾り出しに熱中していることもあります。どこでも創作行為。仕事の隙間に存在する貴重なひと時。ポストカード大の厚紙とペンはいつも携帯している日常です。 Yutaka Aihara.com
    ウイークエンドアーテイスト
    週末は制作だけやっていられる生活なので、まさにウイークエンドアーテイストです。作業場は木槌の音が響いています。来年早々に発表する木彫による新作「構築〜解放〜」の制作が正念場を迎えています。毎週末に必ず制作をしなければ完成まで辿り着けないことが判明しました。もう予断を許しません。数日前に体調が悪かったので、今週末は心配でしたが何とか制作ノルマは達成できました。体調が悪ければ週末にゆっくり休んで、といきたいところですが、そこは二束の草鞋のつらいところ、週末は普段の仕事とは違う意味できつい仕事が待っているのです。こんな生活になってから夜更かしとは縁が切れました。しっかり寝ないと身体が持たないのです。30数本彫らなければならない柱のうち3分の2は終わりました。残り3分の1の柱とテーブル板材の砂マチエール作り、そして全体の組み合わせ。予定通りにいけば来年1月中旬に終わるのですが…。
    365点の連作 11月分
    11月も早や10日になって、365点の連作も11月分だけで10枚になりました。ふとしたことで陶彫による壺が作ってみたくなり、すぐ土練りが出来る状況ではないので、まず365点の連作にシリーズとしてまとめることにしました。毎日こんなものにしよう、あんなものもいいなと思っているうちに4つほど城壁のような要塞のような壺のイメージができました。そういえば先頃作ったランプシェードも365点の連作に登場しています。街並みのようなランプシェードになりましたが、365点の連作を見ると虫の甲羅のようなイメージから出発したことがわかります。連作を長く続けているとイメージの変遷があって、我ながら面白いと感じています。      Yutaka Aihara.com