Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 建築家を惜しんで
    建築家黒川紀章さんが亡くなったという新聞記事を見ました。都知事選に出たりして晩年知名度が上がりましたが、自分は本来の建築の仕事にずっと注目してきました。最近では東京国立新美術館の設計に力量を感じていました。波打つ正面ガラスはとても美しい曲面を描いていて、美術作品に導いてくれる心豊かになる建物です。展覧会場もゆったりとしていて、観ていても疲れが少ないように感じました。建築という仕事は高校生の頃から憧れていた分野で、一度は本格的にやってみようかと思ったことがあります。今でも自分の作品が建築的な要素をもっているのは、この時代の名残かもしれません。生活を包む作品である建築。著名な建築家が亡くなったニュースを見て自分の諦めてきた夢が甦って複雑な思いに駆られます。
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    彫り跡の気持ちよさ
    昨年も同じ傾向の木彫作品を作っていました。柱を組み合わせる作品は今年2年目。彫り跡をどこまで残すかを考えていると、昨年の記憶が甦ります。ざっくりした感じを出すため、表面は出来る限り彫り跡を残し、ささくれだったところだけ処理する方法を今年もやっています。滑らかにしてしまうと工芸品のようになってしまい、彫刻としての立体感が薄れます。陶彫の方は粘土に残った手の跡を消してしまうのに対し、木彫の方はわざわざ手の跡を残します。これは彫り跡の気持ちよさがあって、これを潰してしまってツルツルにしてしまうのがもったいないと思うからです。陶彫はブロックのように組み合わせる関係で、ひとつひとつの面が整理されていないとうまくいかないのです。木彫は組み合わせ方が異なり、柱の一本一本が独立した作品としてみることができるため、彫り跡の気持ちよさを残すようにしたのです。Yutaka Aihara.com
    読書の秋と言うものの…
    読書の秋と言うものの、なかなか時間が出来ず、夏から読んでいる本がいまだにあります。夏に画家カンデインスキーに関わる著作・翻訳を再読または新しく購入して読み始めましたが、まだ読み終えていません。カンデインスキーの生きた時代や抽象芸術移行期のことをもっと知りたいと考えたのは2ヶ月も前のことです。多忙な公務、週末の創作活動、毎晩描いている365点の連作、週何回か通っているスポーツクラブ、そしてこのブログ。こうして書き連ねていくと読書が入り込む余地がありません。ウィークデイの事務処理であれ、週末の自己表現であれ吐き出す一方の毎日です。読書や旅行などして心の貯蓄をしなければならないと思いつつ、その日その日のやることに追われて、時間はどんどん過ぎていきます。読書も行楽もなく芸術一辺倒の秋。それでも創作活動ができるのでよしとするのか、画業と文筆業を両輪として表現者たりうるカンデインスキーに夢でお伺いを立ててみようと思います。Yutaka Aihara.com
    365点の連作 鉄骨シリーズ
    365点の連作は、一日一点のペースで平面作品を作る計画で現在進行中です。10月は公務が多忙なため凝ったことができず、ペンで描くだけで精一杯です。しかもイメージはずっと鉄骨シリーズ。自分では描くモチーフは鉄と決め込んでいますが、見る人には鉄と見えないかもしれません。空いた時間を見つけては、ちょこちょこと描いています。画面がポストカード大なので、いつも携帯しています。仕事の合間、食事を待つ間、早朝など時と場所を選びません。ただ今の鉄骨シリーズは鉄骨が立方体であったり、直方体であったり、円柱であったりするので机がないと描きにくい難点があります。色彩をつける時はまとめてつける場合が多いです。アクリルガッシュを日々出すのが億劫だけなのですが、似た色彩が続いてしまうのはそのためです。カタチも似たものばかりになってきています。なんとかしようと思いつつ…。                               Yutaka Aihara.com
    ランプシェードのカタチ
    以前のブログでランプシェードについて触れました。昨日から窯出しをしているので、ようやく陶彫による完成したカタチが見えはじめ、そこに光源を入れてランプシェードにしていく予定です。以前書いた記憶では朴訥なカタチに単純な照明を入れる計画で、その意図は変わっていません。光の工夫や面白さは益子や笠間でよく見かけるので、自分は奇を衒うことはせず、簡素な陶彫から光が漏れるようにしたいと考えました。照明がなくても充分に鑑賞に耐える作品にしようとも考えました。ひとつ出来上がると自分のクセが出て、ついシリーズにしてたくさん作りたくなります。どんどん展開していけば面白いと思いつつ、まだ大きな木彫作品や日課になっている小さな平面作品もあって時間が取れないのが残念です。逸る気持ちを抑え、今日も昼間は木を彫り、夜は小さな平面作品を作っています。           Yutaka Aihara.com