2009.10.21 Wednesday
ホームページを持つようになって、アップした画像の合間にコトバを書いています。学生の頃から詩が大好きで、自宅の書棚には今も学生時代に集めた詩集が眠っています。埃を叩いて、たまに頁をめくって、今の気持ちに合ったコトバを探します。書店の立ち読みでも同じで、コトバが気持ちに寄り添ってくると、つい購入したくなります。学生時代のバイト代のいくらかはそれに費やしています。ひらがなだけで書かれた詩集にコトバの面白さを感じる時があります。ひらがなや漢字やカタカナが共存している日本語に慣れた眼には、ひらがなだけのコトバが飛び込んできて、意味が瞬時に掴めないもどかしい面白さがあるのです。ひらがなだけで辿る日本語は不思議な感覚に襲われます。じっくりと、そしてフワフワと、心に直に響くように入ってくるのです。「ひとりでるすばんをしていたひるま きゅうにはだかになりたくなった あたまからふくをぬいで したぎもぬいでぱんてぃもぬいで くつしたもぬいだ よるおふろにはいるときとぜんぜんちがう すごくむねがどきどきして…」(「はだか」谷川俊太郎)幼くて乾いたエロティシズムを感じる詩です。自分は今やひらがなの持つ不思議な魅力に憑かれつつあります。
2009.10.20 Tuesday
今年の7月の個展に発表した「構築〜起源〜」がホームページのギャラリー・ページにアップしました。ちょっとフランスあたりの白黒映画のような、またはアンティックショップで売っているような写真に仕上げてあります。抽象形態でまとめた彫刻作品が、詩情を醸し出しているミスマッチが何とも愉快です。これがヨーロッパの街角で人物や背景を捉えた写真であれば、ごく普通の写真になってしまいますが、被写体が抽象彫刻というのが面白いのです。ずっと自分の作品を撮り続けているカメラマンの遊び心によるもので、毎回こんな演出を考えてくれています。自分のホームページにあるギャラリー・ページは、作品を作る自分と、それを演出するスタッフ(カメラマンやHPアートディレクター)の協働によるもので、自分としては大歓迎なのです。自分は彫刻を見る一方的な眼しか持てず、そこに映像という別な眼が加わることで、自分の気づかない世界を知ることができるからです。これは自分にとって大変幸運なことで、彫刻家とカメラマンのコラボレーションをいつもホームページ上でやっていることになり、日々の制作とは別の世界が生まれていると言っても過言ではありません。なお、自分のホームページはこの文章の最後にあるアドレスをクリックしていただけると入れます。ホームページに入ったらGALLERYのページをクリックしてください。ご高覧いただけると幸いです。
Yutaka Aihara.com
2009.10.19 Monday
昨年のブログを読むと、「起源」の柱の彫りの進み具合のことをよく書いています。ブログはもちろん万人に公開しているものですが、自分の制作工程のメモとして活用していて、現在の作品の進み具合をリアルタイムで報告しています。今日は土曜出勤の代休で、朝から工房に籠もって作業をしていました。自分には幸福な時間帯です。「構築〜瓦礫〜A」の柱8本の荒彫りが今日終わりました。まだ仕上げをしていないので、木彫が終わったわけではありませんが、木片を気持ちよく削いでいく仕事は終了です。荒彫りは健康的な作業でバンバン仕事が進みます。カタチが大雑把に出てくるのも気持ちがいいものです。逆に仕上げは造形的な面白さが半減しますが、木目の美しさや優美な感じを味わえるのが一興だと思います。次回から仕上げに入ります。同時に陶彫も進めなくてはなりません。新作は木彫部分よりも陶彫部分の方にウエイトがかかっているのですから…。
2009.10.18 Sunday
農業用倉庫として建てた工房ですが、住居機能はないにしても、最近は使い勝手がよくなりました。空調がないため、今夏は蒸し風呂のような暑さの中で、引越し作業や整理を行いました。整理はまだ完全ではありませんが、作業はやり易くなっています。今日は秋晴れの一日で、湿気が少なくて、工房では気持ちのいい時間を過ごすことができました。杉の柱の荒彫りを進めましたが、真夏のように汗が吹き出ることもなく、坦々と鑿を振るっていました。この自分と向き合う時間が、自分にとって一番幸福な時間です。貴重な週末のかけがえのない時間。自分の内部にあるカタチを「発掘」し、「構築」していく作業。今日も次から次へと休むことなく作り続けました。ふと、作業中に自分は立ち止まりたくないのかもしれないと思いました。ずっとイメージを追い求めていたい、さらに変われるものなら変わりたい、昨日の自分を脱皮したい、そんな欲求があって、ひたすら作り続けているのだと思っています。
Yutaka Aihara.com
2009.10.17 Saturday
今日は週末で、本来なら杉柱の荒彫りをやっているはずですが、休日出勤になりました。職場でも仕事を抱えている人が個人的に休日仕事をやりに来ることはよくあることですが、組織的に休日出勤する日はそう多くありません。代わりに職場全体で月曜日休むことにしました。週末がずれたカタチになります。自分は制作が出来れば、どこで休んでもいいのです。休日出勤のメリットは通勤電車が空いていること、本庁から電子メールが一通も来ないこと、電話も少ないことです。仕事はいつものように多くの書類処理があって、始まれば土曜日という感じがしませんでした。でもやはり土曜日まで働くというのは、一週間がとても長く感じます。前は土曜日も働いていたのに、週休2日制になったために、その習慣が身についてしまったようです。労働時間で身についた習慣と言うのは、身体のバイオリズムまで変えてしまうようです。週末になると作品を作りたくなるというバイオリズムもあるのかもしれません。