Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 丸鑿の刃こぼれ
    木彫技能に関して師匠を持たない自分は、初歩的なミスをしてしまうことが多々あります。いつも鑿は研いでから作業に入るのですが、今日は気が急いていたせいか、うっかり鑿を砥石にあてることもなく彫り始めて、しばらくしたところで刃こぼれを起こしてしまいました。鑿の当て方にもよるのですが、よく研がれた刃は刃こぼれすることが少ないように思います。作業を中断し、電動砥石で刃先を削り、またせっせと研いでから作業再開。道具の扱いには充分注意をしなくてはならないと肝に銘じました。昨年の作品から鑿跡を残すようにしています。カタチの方向性を表す意味で鑿跡が大切な造形要素となり、ざっくりした感じにまとめたいと思っているのです。幅の広い丸鑿を使っているのも鑿跡をしっかり残すためにやっているのです。   Yutaka Aihara.com
    「かもめ食堂」の空気
    映画「かもめ食堂」のDVDを観ました。フィンランドで何となく巡り合った3人の日本人女性が小さな和食のレストランをやっている物語。和食と言ってもよく海外で見かける高級和食ではなく、おにぎりやトンカツ定食といった日本の家庭料理で、洒落たフィンランド調のキッチンで調理されていました。観ていると清潔感のある丁寧な描写があって、すっと引き込まれていきます。3人の女性はみんな自立していて、過去に何かあったような素振りはあるものの物語では触れていません。何気ない日常を描いていて、ちょっとしたことがドラマを紡いでいきます。自分が引き込まれた理由は全体に流れる空気。海外で暮らしたことがあれば、異文化とのちょっとした出会いを体験していて、その空気をこの映画は何となく感じさせてくれていました。Yutaka Aihara.com
    府中市美術館の「藪野健展」
    仕事が早く終わり、午後3時頃になって横浜市の上大岡から東京の府中へと車を飛ばし、府中市美術館で開催されている「藪野健〜記憶の都市」展を見てきました。閉館間近に急ぎ足で見た個展でしたが、大きな画布に描かれた南欧の風景が広がり、時間がそこで止まっているような印象を受け、閉館時間を気にしながら、絵の前で長く留まってしまいました。青い空、廃墟となった古い町並み、作家の記憶の中に今なお生き続けている人々、路面電車やクラシックカーなど一貫したテーマを追い続けている姿勢が感じられて、大変見ごたえのある展覧会でした。車を飛ばして行ってきて良かったと思います。Yutaka Aihara.com
    「穴」の造形
    365点の連作を始めて8ヶ月目。今月はずっと「穴」をテーマにした作品を続けています。ポストカード大の平面に一日一枚ずつ何かを表現しているわけですが、9月1日に穴を穿った矩形をペンで描いたのがきっかけで、以後今まで様々な穴のある作品を描いてきました。実際に彫刻で穴を扱った作家は多く、たとえば穴と言うより内部空間と言った方がふさわしいヘンリー・ムアや穴に意味を持たせた堀内正和、飯田善国。全員故人となってしまいましたが、「穴」には不思議な魅力があるので、今まで数多くの作家が扱ってきたテーマなのではないでしょうか。セクシュアルな意味もあり、覗く、引き込まれるといった生理的な感覚と結びつくものではないかと思います。自分にとって「穴」とは何か。空虚を感じさせる要素のひとつです。たくさん穴を穿つことで物質ががらんどうになっていくのに魅力を感じています。でも365点の連作はそろそろ「穴」から別の世界へ展開しなければなりません。                             Yutaka Aihara.com
    「頑張らない」
    頑張りたいけど、つらい時に「頑張らない」とつぶやくようにしています。自分を「頑張らない」と自己暗示にかけることで、リラックスして仕事に向うことが出来るのです。「頑張らない」と自分に言い聞かせるだけで脳が休むのかもしれません。作家と公務員の二束の草鞋を履くのは、やはり大変な場面があって、素早い頭の切り替えが必要な時があります。そんな時は「頑張らない」と思うと、頭の切り替えがスムーズにいきます。なんか今回は精神論みたいになっていますが、「頑張らない」自己暗示が今の自分に必要になっているのでしょう。「頑張らない」ように公務をこなし、「頑張らない」ように創作活動をして、悠々としていたいものです。        Yutaka Aihara.com