2010.01.27 Wednesday
帰宅が夜7時頃だったので、自宅に帰る前に工房に寄りました。いつもより早い帰宅時間で気持ちに余裕が持てて、陶彫の焼成の具合を確かめようと寄り道をしたのです。日曜日の夕方に本焼きを始めて、20時間くらいで1230°になり、そこから温度が下がり始めて、今日は温度が200°を少し下回っていました。これは窯の扉を開けても大丈夫な温度なので、開けてみることにしました。もう何回窯出しをしているのか見当がつきませんが、窯を開ける時はいつもドキドキします。今回は上手く焼けていました。細かいところまではチェック出来ませんでしたが、前回のように大きく割れた作品がなかったのが救いです。もともと陶彫は無理なカタチをしているので、無事に焼けてさえいればOKです。焼成で面白みを出そうとは思いません。電気窯を使っているので、計算通り均一にすっきり焼けてくれれば満足です。窯から作品を出すのは時間のある週末に行います。陶彫ひとつひとつは大きな彫刻のためのパーツなので、完成した陶彫のパーツを並べてみて全体を捉えます。そこから「構築〜瓦礫〜」の雰囲気を感じ取り、また新たなパーツを考えていこうと思います。
2010.01.26 Tuesday
マルセル・デュシャンがガラスの大作「独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」を構想しながら書き溜めた「グリーン・ボックス」と呼ばれているノートがあり、その和訳可能な部分を翻訳したものを読み解いています。難解というより、その時々に脳裏を過るコトバを書き連ねたものという印象で、作品にするための準備のようであり、作品に拘らず日常の事象を思索したものとも考えられます。コトバを媒体にした何らかの表現活動ですが、詩とも散文とも言えないもので、むしろそうした芸術活動の概念から解放されることを意図した作品とも言えます。「あのガラス作品には、たしかに画家の制作としては類を見ない忍耐と思索が投入されているにしても、デュシャン自身はあらゆる考証の結論から自由であろうとする。〜略〜たしかにデュシャンのノートはガラス作品の計画をめぐるノートであったにしても、それは彼の脳裏に起った思考の痕跡であって、できあがった作品のためのという既成概念による推理論証は、ふたたび芸術作品の罠に陥ることになるだろう。〜以下略〜」(瀧口修造全集3)マルセル・デュシャンは芸術や文学から自由になろうとし、作品にローズ・セラヴィという署名をすることにより、男性からも自由になりえたと瀧口は書いています。「あるいは自由という観念からさえも自由になりえたのだ。」(瀧口修造全集3)
2010.01.25 Monday
現代美術に大きな足跡を残したマルセル・デュシャン。実は学生時代から避けて通ってきた巨匠の一人で、いつかはマルセル・デュシャンの全貌を理解したいと思いつつ、その謎に触れると思考の混乱を招いてしまうのです。自分の認識と言えば、創作行為にレデイメードを持ち込んだことくらいしかありません。ガラスの大作「独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」は気になる作品のひとつですが、自分にとっては読み解くことが容易ではありません。「瀧口修造全集3」では多くの紙面を割いて、マルセル・デュシャンの仕事や創作メモを掲載していて、ひとつひとつ読み込んで、マルセル・デュシャンの造形思考や詩に近づきたいと考えています。「マット氏が自分の手でこの泉をつくったかどうかということは重要なことではない。かれはそれを選んだのである。彼はありふれた生活用品をとりあげ、新しい標題と観点のもとに、その実用の意味が消えてしまうようにそれを置いたのだ。つまり、その物体のために新しい思想を創り出したのだ。〜以下略〜」有名なレデイメードのことを書いた一節です。ここで言うマット氏はマルセル・デュシャンのことで、便器を逆さにしたものを「泉」という題名をつけて、ニューヨークのアンデパンダン展に出品したのです。上記の文はデュシャン自らが書いたとされています。マルセル・デュシャン入門としては、今日はこのくらいにしておきます。
2010.01.24 Sunday
昨日、陶彫土台が焼成できたことで気をよくして、今日もうひとつ陶彫土台の窯入れをしました。乾燥が完全ではない陶彫部品は後回しにして、とりあえず陶彫土台を含めて4点の窯入れをしました。水曜日に窯出しができるはずですが、仕事の関係で来週末に窯を開けます。今日の作業としては、前述の窯入れ前の仕上げ、化粧掛けを4点行い、さらに成形を1点、修整を1点、それから来週末の作業を考えてタタラを6枚作っておきました。昼頃、窯の業者が来て、前から注文しておいた高さのある支柱4本と灰釉、透明釉を持ってきました。自分は陶彫作品に釉薬を使わないのですが、時間が出来た時に器作りにチャレンジしたくて釉薬を揃えているのです。釉薬は焼成実験が必要なので、公務員をやってるうちは手が出せないかもしれませんが…。それにしても週末は過密スケジュールです。昨年までこの時期に横浜市民ギャラリーのグループ展に出品していました。どうしてそんなことが出来たのか今思うと信じられないくらいです。昨年4月に職場の異動があったことが大きいとは思いますが。また来週末に頑張りたいと思います。
2010.01.23 Saturday
日曜日に窯入れした作品5点を窯から出しました。水曜日には温度が下がっていたはずでしたが、ウイークディは工房に行く暇がなく、窯出しは今日になりました。5点のうち一番小さい作品が割れていました。素焼きを省略して、いきなり本焼きで1230°まで上げるので、作品の乾燥が足りないと割れてしまうのです。窯の隙間を埋めるために、若干乾燥が心配だった小品を入れたのが失敗でした。残り4点は上手くいきましたが、小品とは言え手痛い躓きになってしまいました。焦って毎週毎に窯入れすることはやめようと思いました。ただし、今回の窯で一度成形をやり直した陶彫土台8点のうち、乾燥が出来ている1点を入れてみました。何とか成功したので、焼きあがった陶彫土台に柱を置いて仕上がりを検討しました。ようやく「構築〜瓦礫〜」のイメージが具体化してきたように思えます。明日はまた乾燥を見極めて、仕上げと化粧掛けをやっていきたいと思います。