2010.01.17 Sunday
今日は化粧土の配分を変えて化粧がけを行い、仕上がった作品5点を窯に入れました。いきなり本焼きで、ゆっくりなペースで温度を上げていくパターンを選んでいます。1230°になったところで上昇が落ち、あとは自然に温度が下がるのを待つのです。3日くらいはこのままです。先週と同じく水曜日くらいに様子を見にきます。陶彫成形は、昨日タタラにした陶土がまだ柔らかかったため作ることができませんでした。立体として立ち上げていくためには、タタラの腰がもう少し強くないとヘタってしまうのです。今日はRECORDの彩色をやって、早めに工房を出ました。普段から疲れが溜まっていて、今日は今ひとつ身体の動きが緩慢だったので、夕方は休息をとることにしました。長丁場の作業は無理をしないことです。とくに真夏や真冬の作業は、自分が意識している以上に身体は疲れているように思います。風邪を引かずに仕事が出来るのは、この身体と心の匙加減かもしれません。土壇場で一気呵成に仕事を片付ける人がいますが、自分はそうした方法で仕事が出来ません。若い頃ならともかく今は休まず焦らず仕事をすることが一番と考えます。
2010.01.16 Saturday
今週月曜日の夜に窯のスイッチを入れ本焼きを始めました。水曜日と木曜日の仕事帰りに工房に立ち寄って、窯の温度を確かめました。木曜日には100°台になっていたので、スイッチを止めて窯の扉を開いてみました。まぁまぁの出来かなと思いました。ウィークディは作品を窯から出して見る余裕がなく、結局週末になって本焼きされた作品をじっくり見ることになりました。化粧土の配分をもう少し変えようと思います。黒一色に近くなって面白みに欠けるようです。ともあれ5点の作品が出来ました。全体からすれば、まだまだ完成は遠いと言わざるを得ません。週末毎に窯入れしていかないと間に合わなくなりそうです。今日はボランティアの子に土錬りを頼んで、自分はタタラを用意したり、RECORDの彩色をしました。いつものような作業をしている週末の風景ですが、底冷えのする寒さに手が悴んでしまいました。陶彫の作業は手がガサガサになります。明日は成形の作業があります。手を労わりながらやっていくつもりです。
2010.01.15 Friday
新作には新しい印を彫って、それを押しています。とくにパーツで成り立つ集合彫刻では分解した時に、それぞれの作品のパーツがわからなくなる可能性があります。そこで新作には必ず新しい印を作って押すという習慣がつきました。陶彫の場合は和紙に押印して番号をつけ、それを陶彫の目立たないところに貼り付けています。保存状態が悪かった作品は、多少印が滲んだり番号が擦れたりしています。RECORDも同じです。小さな印を作って押して月日をつけています。現在「構築〜瓦礫〜」と4年目を迎えたRECORDが進行中です。そろそろ印のデザインを考える時がやってきました。印は篆刻の決まりに拘らずに自由に作っています。アルファベットでもいいのではないかと思っています。絵柄を入れてもいいかもしれません。陶彫用の印とRECORD用の印。これも楽しんで作ってみたいと思います。朱と白の織り成す小宇宙は、一番小さな抽象絵画とも言えます。
2010.01.14 Thursday
昨日マチスが作ったロザリオ礼拝堂のことをブログに書きました。引き続き今回は藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作った平和の聖母礼拝堂について取り上げます。平和の聖母礼拝堂はフランスのランスにありますが、自分はまだ行ったことがありません。ロザリオ礼拝堂と同じようにテレビや雑誌で紹介されて、フジタ晩年の宗教画を知った次第です。日本人としての藤田嗣治の大規模な展覧会は東京で見ています。藤田は卓越した描写力と独特な陰影によって、肌理細やかで密度の濃い個性的な絵画を作り上げ、後にフランス国籍になり、名前もレオナール・フジタになっても、その本質は変わるものではないと思います。宗教的な題材は早いうちから出ているようですが、やはり晩年の礼拝堂で発揮された表現力は、それまでの藤田流絵画の面目躍如としたものがあって壮大です。フジタのアトリエも含めて、平和の聖母礼拝堂は生涯一度は訪れてみたい場所です。画像で見る限り内部空間の凝縮した宇宙は、キリスト教徒でなくても、その芸術性の高さに魅せられること間違いなしと思っています。フレスコ画とステンドガラスの織り成す空間を、じっくり味わってみたいと願っています。
2010.01.13 Wednesday
画家アンリ・マチスはピカソと並ぶ20世紀最大の巨匠です。マチスは色彩の画家と呼ばれ、とくに自分はマチス晩年の単純化した作品が大好きです。そんなマチスが最晩年に作った礼拝堂があります。テレビや雑誌で紹介されていますが、自分はまだそこに行ったことがありません。いずれ時間が出来たら行ってみたい場所のひとつです。それは南仏ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂。写真で見るとステンドガラスから入る光が、内部の白壁に色彩を落として何とも美しい空間を感じさせます。白壁に線のみで描かれた聖ドミニク像があるようですが、のびやかなタッチで描かれた壁画を一度じっくりこの目で見てみたいと思っています。「特にカトリック信者でもなく、かつては異教徒のようにさえ見られていたマチスだが、こうした宗教的な仕事をしたことについては、いろいろ推測されたが、直接の動機は極めて自然に訪れたのであったし、彼があくまで人間的な画家であったことの一つの自然な帰結であったと思えるほど、その仕事には無理が感じられないのである。〜以下略〜」(瀧口修造全集2より)画家として、作品を空間の中で息づかせることが出来るなら、それは理想であり、ましてや己だけの世界観をそこで表出できるなら、芸術家として生きた最高の証ではないかと自分には思えます。