2009.08.17 Monday
A・ブルトンの「魔術的芸術」を読み進み、ついに表現主義の時代に到達しました。昨年夏のブログに表現主義について多くの文章を掲載していることもあって、「魔術的芸術」における「混沌への誘い 表現主義から表意文字へ」の章は大変興味深く読むことができました。マルクの色彩を帯びた幻覚的な動物たちのモチーフ、ムンクの人間の苦悩を描き出す精神性、そして多く紙面を割いているのはカンディンスキーで、「魔術的芸術」の論点からカンディンスキーを知ることになりました。昨年夏に読んだカンディンスキーに纏わる評論や「点・線・面」などの自論に加えて、ブルトンの「カンディンスキーは世界の再創造の中心に一気に飛びこんでゆき、『抽象』の問題を提出すると同時に解決してしまう。(中略)カンディンスキーの作品は、『カオスの通過』のリズミックな、また、象徴どころではない紋章的な解決を提示している」という文面を通して、抽象化を進めた芸術の開拓者の並々ならぬ業績を感じずにはいられませんでした。 Yutaka Aihara.com