2009.07.23 Thursday
自分の個展開催中に東京の美術館を巡る旅を続けています。今日は六本木にある国立新美術館に行ってきました。「野村仁 変化する相」を見てきました。巨大ダンボールが自然に任せて崩れ落ちていく様を撮影して脚光を浴びた現代美術家の大掛かりな個展と知って、どんな思考を持つ人だろうと興味津々で会場を見て周りました。表現の根本に「時間」があって、しかも宇宙にまで視点を広げ、まるで観測のようにして表す作品は、果てない空間と時間とその偶然が織り成すもので、しばし悠久な時に思いを巡らせました。思索とは別に個人的な美意識で言えば、表現のひとつになっていた太古の樹木や化石の美しさに惚れ惚れしました。ただ、階下で開催していた「ルネ・ラリック」展に比べると観客層が若く、やはりこうした思考型の展覧会はまだまだ大衆に受け入れられるのに時間がかかるのかなと思いました。
2009.07.22 Wednesday
シュルレアリスムの思想家アンドレ・ブルトンの「魔術的芸術」は、当時限定出版された豪華本で、なかなか手に入りにくい書物だったようです。全訳されたものが2002年に日本で出版されたので購入しました。本書は、太古から現代まで定着した美術史として網羅されてきた芸術作品を、独自の「魔術的」視点から、もう一度構築し直す内容になっています。その規模や見解からいって、本書はそう容易く読めるものではなく、今は序論としての「魔術的芸術」の単元をじっくり読み込んでいるところです。現代でこそ注目されている芸術作品は、少し前まで美術史の通念から大きく取り上げられることはなく、「魔術的芸術」の中で発掘され、評価を与えられていて、こうした多様な視点があったればこそ、現在に通じる芸術作品の価値判断が生まれたのだということを思い知らされています。読み進むほどますます面白くなる「美術史新解釈」は、今年の夏のマイブームになっていて、人に邪魔されない時間にとつおいつ読んでいます。
2009.07.21 Tuesday
昨年もブログを読むと同じような行動をしていますが、東京銀座で個展をやっている期間を利用して、東京の美術館を見て周る計画を今年もやります。国公立美術館は通常月曜日が休館日ですが、昨日「海の日」で開館していたため、今日を代休にしている美術館が多く、今日は渋谷Bunkamuraのザ・ミュージアムくらいしか開館しているところがありませんでした。でもここで開催している「だまし絵」展はかなり大規模で、見応えがありました。ウィーン滞在時代に、よく美術史美術館で見たアルチンボルドの絵画にまた会えるとは思ってもみませんでした。出品されていたアルチンボイドはスエーデンやベルギーの美術館から来たものでしたが、野菜や魚を寄せ集めて顔を形成している絵画に滞欧時代の懐かしさを感じていました。視覚の詐術というか優れた技巧をもって表現された世界に面白さを感じ、洋の東西を問わない遊び心に思わず微笑んでしまいました。
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2009.07.20 Monday
今日から東京銀座ギャラリーせいほうでの個展が開催されます。初日はずっと画廊にいました。声楽家下野昇さん一家、版画家加藤正さん親子、後輩の長谷川聡さん夫妻、横浜市民ギャラリーの藤田恵さん親子をはじめ、最近知り合った臨床心理士稲垣さん夫妻など、今日はさまざまな訪問者があって、楽しい時間を過ごすことができました。贈り物では朝日屋呉服店の森さんからランの花、平成音楽大学学長の出田さんから祝電、同僚の石月さんからお心づくしを戴きました。この場を借りて御礼申し上げます。美大生たちも来てくれました。個展も4回目となると来客がどうなのか心配しましたが、オープニングパーティでも、例年のように多くの人たちと話が出来て、とてもいい時間を持つことができました。また明日も画廊に通いますが、管理職である自分は午前中は職場に行って、午後から年休を取って銀座に向う予定です。
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2009.07.19 Sunday
毎年のことで慣れたとはいえ搬入は骨が折れます。朝は昨日まで個展をやっていたアメリカ人女流彫刻家の搬出があったため、自分は午後1時に作品をギャラリーせいほうに運びました。業者2名、手伝い2名、家内と私の6名で搬入と設置を行いました。思ったより画廊の空間を有効に使っている気がしています。すっきりしてきたと画廊主から言われました。4年間のうち今回が4回目の個展で、回を増すごとにコンセプトがはっきりしてきたのかもしれません。じっくり見れば、まだまだ足りないところが目につくとは思いますが、今日のところはホッとしています。それにしても116本の柱の梱包を解くのは大変でした。明日から個展開催です。明日はずっと画廊にいる予定です。