Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 周辺にあるキリスト教
    自分は宗教を深く考えたことがありません。信仰する心は自分のどこかにあるのでしょうが、今は特定の宗教はありません。先祖の菩提寺は仏教浄土宗ですが、だからといって自分が仏教徒という意識も薄いのです。環境的にはキリスト教信者になってもおかしくありません。叔父の量義治はカント哲学が専門の学者ですが、内村鑑三の薫陶を受けた無教会主義を唱えるキリスト教徒です。叔父が出版したキリスト教に関する文献を読んでいますが、それは宗教と言うより哲学書のような印象をもっています。師匠の池田宗弘はキリスト教を題材に真鍮による彫刻を作っています。毎年夏にアトリエにお邪魔して、作品による刺激を受けますが、それはあくまでも彫刻としての刺激であって、キリスト教美術のそれとは違います。家内の知人にもキリスト教音楽をやっている人がいたり、自分は横浜のミッション系の高校を出身しているので、自分の周囲にはキリスト教の環境があります。滞欧生活でもロマネスクやゴシックの教会に入るのが好きでした。でも信者になろうという意志はありません。宗教とは自分にとって何でしょうか。心の拠り所をいつか求める時がくるのでしょうか。自分の周辺に何気なくあったキリスト教は、その時自分の求めに応じてくれるのでしょうか。未だわからず自然のままに過ごしていくことが今の自分には一番だと思っています。そう考えているうちは特定の宗教は要らないのかもしれません。
    「W・ド モーガン展」
    ウイリアム・ド モーガンはイギリスのアーツ&クラフツ運動で活躍した装飾美術家です。アーツ&クラフツ運動と言えばウイリアム・モリスが有名ですが、ド モーガンは当然モリスとも親交があったようです。日本では馴染みが薄い人ですが、まとまった作品が来ているので、汐留ミュージアムに見に行きました。タイルはラスター彩と言われる西洋で昔から用いられる技法で仕上げられていましたが、多彩な色味があって、植物や動物の象徴的なカタチと相まって大変美しい印象を持ちました。晩年の具象傾向より、デザイン性に富んだ時代の作品の方が自分の好みに合いました。とくに花と葉の織りなす世界は、平面でありながら、豊かな空間を感じさせてくれました。ラスター彩でこの色彩を得るまでには大変な修練と努力が必要であったことはよくわかります。それが建築や室内装飾に美を与えていることは言うまでもありません。手仕事が生活を豊かにしていた時代はイギリスのみならず日本にもあったように思います。手間のかかる仕事ですが、コンピューター万能の現在だからこそ見直してみたいと思うこの頃です。
    土錬・土台成形…
    朝6時から土錬機を動かし、昨日の続きをやっていました。菊練り終了で、自宅から朝食に呼ばれ、また工房に戻ってRECORDの彩色に追われました。午後は柱を立てる陶彫土台の成形。一度失敗しているので慎重に作業を行いました。柱と接合するボルトナットの穴は、まず陶彫土台に開けました。これは陶彫が乾燥や焼成で縮小するので、陶彫と木の柱両方に穴を開けてしまうと穴の位置がずれるために予め陶彫の方に穴を開けておくのです。陶彫土台を焼き上げた後、陶彫土台から穴の位置を割り出して木の柱に穴を開ける方法をとります。今度こそ土台は保てると信じて、いくらか厚みのあるタタラで成形をしてみました。土台は一度に2つ作ります。立てる柱は8本あるので、うまくいけば4週間で土台成形は終了になるはずです。来週末のためにタタラを6枚作って、今日は4時半で作業を切り上げました。午前6時から午後4時半。もうクタクタです。幸い今日は暖かく工房内も暖房なしで過ごせました。逆に菊練りやタタラ作りは汗をかきました。週末が来るたび制作が行きつ戻りつして、いくつかのハードルをクリアしていくものだと改めて認識しました。毎回そんなに甘くはないのに、イメージでは簡単に出来てしまう錯覚に陥ります。自分は生来の楽天家だなぁと思っています。
    余裕のない週末
    工房内は寒さでストーブの前を離れがたく、動きが緩慢になっていましたが、スケジュール的にはそうも言っていられず今日は作業に集中しました。ボランティアの子に追加購入した陶土の混合を頼み、自分は先週失敗した柱を支える陶彫土台の作り直しをやっていました。朝から土錬機の音とFMラジオの音楽を流し、午後4時くらいまで延々と作業を続けました。陶土の混合はとりあえず100kg出来上がり、明日菊練りをして保存します。陶彫土台もまだ途中です。前に準備した陶土が無くなってしまったので、今日土錬機にかけた陶土を早速明日から使うことになります。今月の工房にいられる時間はどのくらいか、休庁期間があったとしても、たいして時間がとれないのではないかと思います。併行してRECORDも少しずつ始めています。毎日描いている下書きに色彩を施しているのです。ウイークディは師走を迎え職場は多忙を極めていますが、週末は週末で、自分は制作上の多忙さがあって、いつも時間に追われる生活をしています。明日は早朝から土錬機にかけた陶土の処理と陶彫土台の成形完成を目指します。
    ポリヒムニア・シンガース
    ギリシャ神話に登場する9人のミューズのうちの一人で、頌歌を司る女神をポリヒムニアと言うそうです。その女神の名を冠した女声合唱団の一員に、家内の知り合いがいて、この時季に定期演奏会があるので、横浜の菊名カトリック教会に行ってきました。この合唱団は日本国内だけではなくヨーロッパにも演奏旅行に出かけるそうで、所謂キリスト教音楽を聴かせる合唱団です。私たちもずっと前から聴かせて頂いていたのですが、今回はどうやら最後の演奏ということで思い入れがありました。確かに合唱団員も年齢を重ねて20年、美しいハーモニーは相変わらず健在でしたが、ここで幕引きというのもわかりました。それでもW・バード作曲のミサ曲や高田三郎作曲の聖母賛歌は圧巻で、歌声が天空を舞うが如く快いひと時を味わいました。教会音楽は、神が私たちのもとに降りてきたような響きがあって、心が浄化されていく過程で官能にも似た陶酔状態になります。クリスマスが近づいたこの時季に、こんな機会が持てたことの幸せに浸った夕べでした。