Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 「点・線・面」より線について
    今月4日にカンデインスキー著「点・線・面」の中の「点」について読んだ感想を書きました。今日は「線」を取り上げます。「線は、運動から生まれるーしかも、点そのものが内蔵している完全な静止を破壊することによって。そこには、静的なものから動的なものへの飛躍がある。」と初めに点と線の相違を述べ、水平線・垂直線から始まり、線と線が衝突によって生じる折線や直線と曲線の緊張の相違、その中で「直線と曲線とは、根源的に対照的な一組の線」と結論づけています。点に比べると、線はバリエーションが広く論考も音楽や演劇に及んで述べています。「点はー静止、線はー運動から生まれたもので、内面的な動きを表す緊張。この二つの要素ーその交錯と並置、それらは言葉では表現しえぬ独自の言語をつくる。」と最後に結んでいました。こうした基本的な要素は、造形の根本をつくる要素であると改めて考えた次第です。
    平面と立体 共通するイメージ
    365点の連作の8月分は、立体のエスキースみたいな作品になっています。365点の連作はポストカード大の平面作品で、これは何かのエスキースとして考えず、あくまでも小さな平面作品として作っているつもりです。ただ今取り組んでいる陶彫作品が、365点の連作と同じイメージでやっているので、並べてみるとどちらかが主になり従になる関係と捉えられてしまうかもしれません。平面作品の自由さはイメージの具現化に大変都合よく、いろいろなバリエーションが出てきます。立体作品は素材の制約を受けるので、自由にやることは出来ませんが、そこに具体的な空間を感じ取ることが出来ます。同じイメージでも表現の異なる作品として作っていくと、お互いを補い合う関係が生まれてきて、双方で楽しむことが出来ます。連日暑い作業場に篭もって、頭を左右に振りつつ、汗を滴らせながら、そんなことを試みた一日でした。                          Yutaka Aihara.com
    陶彫の成形
    先日から粘土を練って準備していた陶彫作りを始めました。このところ木彫ばかりやっていたので、陶芸は久しぶりです。ずっとやってきた粘土の触り心地を確かめながら、小さなオブジェを作ってみました。香炉にしようか、ランプを入れようか考えながらやっていくうち、やはりオブジェとしか使いようのないカタチになってしまいました。作業場は相変わらず暑くて、ただいるだけで汗が流れてきますが、今日は粘土の魅力に取りつかれて、しばし暑さを忘れました。それでもシャツはたちまち汗だくになりました。木彫の鑿を振るう時に吹き出る汗と違い、じっとりとした汗をかきました。明日も粘土と戯れようかと思っています。粘土はどんどん乾燥していくので、一度始めたら休めない性質のものだということを改めて思い出しました。   Yutaka Aihara.com
    猛暑の作業場
    今年も暑い日が続いています。作業場は身体を動かしていないといられない暑さです。このくらいの気温だと頭を使ってのエスキースは出来ません。ボ〜として頭の中が白くなってしまいます。むしろ単純に木を彫ったり、粘土を練ったりしている方が暑さが紛れて楽です。いったい一日にどのくらいの汗をかくのだろうかと思います。汗をかきやすい体質になっているのかもしれません。ただ汗をかいた方が身体が動きやすくなるのも事実です。木を彫って6時間。粘土を「たたら」にして1時間。そんな具合の一日です。気が急いてもこれ以上作業すると長続きしません。余力を残して終わるというのがいいのです。自分はこんな制作活動に幸せを感じています。ストレスは皆無、一日仕事をした後の充足感は何にも変えられません。創作欲しかない日常はいつまで続くのか、でも完成に近づくにつれ緊張が高まり、言いようのない不安に襲われることもしばしばあります。創作である以上これは仕方のないことですが。                          Yutaka Aihara.com
    粘土の荒練り
    久しぶりに粘土を練りました。この夏に陶彫のランプシェードや香炉を作ろうと決めていたので、粘土の荒練りをしました。このところ木彫ばかりやっていたので、粘土とは新鮮に向き合うことができました。菊練りまでやったところで今日は終了。成形は次回。作業場は荒彫りした木の柱と荒練りした粘土があって、制作がいよいよこれから佳境に入るという感じです。しかし空調の無い作業場の暑さは容赦なく、あれもこれもやるには身体がついていきません。粘土の荒練りもやっている途中から汗が噴きだし、Tシャツを何枚も替える始末です。こんな湿気のある蒸し暑い中での作業ですが、陶芸の粘土にとっては好条件で、ゆっくり乾燥するため失敗が少ないのです。最近の都会生活では考えられない厳しい環境は、まさに日本の夏そのもので、そうした風土に育まれた木彫や陶芸をやっている自分は、自然に逆らわずに制作しているのではないかと妙に納得しています。