2009.12.28 Monday
今年4月に職場が変わり、大所帯の管理職になりました。処理する内容が多く、4月からの数ヶ月は右往左往しながら夥しい書類を片付けてきました。組織がきちんと機能しているか、人事的な面にも気を配りつつ、日々有事に見舞われる勤務状態でした。それでも何とか職場の雰囲気に支えられて、ようやく今年最後の勤務日となりました。公務員としての仕事だけでも、かなり濃い内容でしたが、自分は二束の草鞋を履いているため、週末は休息返上で制作をしてきました。公務員としての仕事と彫刻家としての仕事、これがお互いのストレスを解消し合い、精神的なバランスを取っているように感じています。そうでなければ、こんな激務をこなすのは不可能だと思うのです。今日で仕事納めになりますが、管理職としての課題は常に抱えていて、来月4日には新年度用の資料を作り、5日には本庁に提出しなければなりません。明日からの休庁期間は、彫刻家としての仕事が待っています。休庁期間6日間でどこまでやれるのか、昨年は大晦日まで砂マチエールをやっていましたが、今年は陶彫の成形と修整、仕上げを出来るだけやっていくつもりです。
2009.12.27 Sunday
「かなり疲れているんじゃありませんか。」と工房に来たボランティアの子に言われてしまいました。昨日は朝早くから陶彫とRECORDをやって、午後に東京の博物館に出かけ、夜は近隣のスポーツクラブで泳いできたので疲れていると言えば、やはり相当疲れているのだろうと思います。週末となれば過密スケジュールで、これ以上は何も出来ないくらいに動いてしまうのです。今日もボランティアの子に土錬機による作業を頼み、自分は陶彫成形3点と昨日作った陶彫の修整、それにRECORDの彩色をやっていました。今日は工房での過密スケジュールで一日が終わりました。家内が手を骨折したために、灯油の運搬やら何やらで眼がくらむ時間を過ごしています。実は毎年同じような制作風景があって、年の瀬に家の掃除もできないくらい制作で追い込まれてしまうのです。思い返せば何もしないで一日を過ごしたことはここ数年なかったように記憶しています。休息に対する欲求は、公務をやっている時にあって、今度の週末は休みたいと思っているくせ、週末になると俄に制作への思いが募り、休みたい気持ちは吹き飛んでしまうのです。休息返上、常にこれでやってきています。いつまでもつのかわかりませんが、制作が継続する限り、休まず焦らずやっていくつもりです。
2009.12.26 Saturday
朝7時に工房に行き、陶彫成形1点とRECORDの彩色を済ませ、午後から東京上野の国立博物館に出かけました。これはイギリスの大英博物館で開催された「THE POWER OF DOGU」の帰国記念展で、我が国の有名な土偶が一堂に会して見られるので、とても楽しみでした。期待通り土偶は大変愉快です。なぜこんな造形が作られたのか諸説あるようですが、美術的な見方をすれば、カタチが象徴として抽象化されて、新鮮な驚きを齎せてくれます。国宝になっている縄文のビーナス(長野県出土)や中空土偶(北海道出土)、合掌土偶(青森県出土)の巧みさや面白さは言うまでもありませんが、自分は有名な遮光器土偶の奇妙なカタチに眼が奪われました。このデフォルメされた顔と身体はどんな思いで作られたものでしょうか。まことしやかに宇宙人説もあるくらいの不思議さです。身体全体に施された文様は何でしょうか。鎧なのか服のアクセサリーなのか、見れば見るほど楽しさが増してきます。言うなれば土偶も陶彫で、自分の先祖が残してくれた素敵な造形物だと思います。多忙な日々にちょっと一息ついたような展示内容でした。
2009.12.25 Friday
自宅から比較的近い場所に職場があるため、通勤で繁華街を通ることがなく、クリスマスのイルミネーションを今年はついに見ずに、クリスマスが過ぎていきます。本来は主イエスの誕生した日を祝う宗教行事なので、樅の木に飾った電飾を愛でることはないと思いますが、この雰囲気を生活のデザインとして取り入れるのはいいと感じています。色とりどりの照明に飾られた街は美しいと思います。最近の日本はこうした演出が大変巧みになったと思っています。いつぞやのブログに書きましたが、自分にとってのクリスマスはルーマニアの寒村で迎えた25日でした。その時の思い出が今だに脳裏に焼きつき、ヨーロッパの原点を見たような気がしたのです。小さな木作りの教会に集った村人たちの聖歌と祈りの姿勢が忘れられません。当時住んでいたウイーンのステファンス寺院の壮大な祈りも忘れられません。ゴシック建築に立ち上るパイプオルガンの響きと朗々を澄み渡る司祭の声。主イエスの誕生に思いを馳せるヨーロッパの人々の真摯な宗教感覚に、この時ばかりは日本人との大きな隔たりを感じました。毎年クリスマスの時季になると、こんなことを思い出しながら、街のイルミネーションを楽しんでいるのです。今年ばかりは仕事詰めで、ただただ思い出だけが一人歩きを始めたようです。
2009.12.24 Thursday
一日1枚の絵画作品、これが現在やっているRECORDです。大きさはポストカード大ですが、毎日イメージを搾り出してはペンと絵の具で絵画にしています。自分の厄介な性格のためカタチや構成に囚われることはしばしばあります。でも表現としては極めて自由にやれると思っています。手軽と言うこともあるかもしれませんが、イメージの定着に関しては、即効性があっていいと思っています。絵画の自由さは、絵画を専門としてこなかった者の勝手な言い分かもしれません。絵画としての新鮮さも加担して、時にRECORDを大きなタブローにしてみたい欲求に駆られます。彫刻的なイメージを絵画の手法で自由にやってみたいのです。それに比べて、彫刻には不自由さを感じます。素材のもつ不自由さと言い換えることもできます。重力とも戦わなければなりません。それによってイメージが限定されることがあります。でも学生時代から挑み続けてきた表現手段なので、彫刻をやめることは考えませんが、彫刻的なイメージを、彫刻としてやってみて、それに対して退屈を覚えることもあります。結論すれば、絵画と彫刻の両領域を交えてやっている現在の状態が一番いいのかもしれません。