2009.09.19 Saturday
さて、今日から5連休。朝から身も心も作品制作体勢になっていました。杉の柱に下書きして、これから荒彫りを開始する時になって、今まで使っていた鋸を取り出しました。柱にあてて挽いてみたら、あれ?何かヘン、と思って鋸の刃を見たら、あまりにもひどい状態でした。手入れをしていなかったせいで、刃こぼれをしていて、これで力任せに挽いても、いい仕事はできません。自分は恥ずかしながら鋸の目立てができないのです。父が生きていた頃は、父のところに通ってきている職人さん達が昼休みに地べたに座って鋸の目立てをコツコツやっていました。自分がやると砥石が均一にかからず、かえって鋸を駄目にしてしまうので、やらせてもらえませんでした。仕方ない、新しい鋸を買ってくるしかないと思って店に出かけました。亡父は自分の道具を後生大事に使っていて、工具の刃が短くなり、握りも磨り減っていました。そんな父を見て育った自分は、自分で工具を駄目にすると不甲斐なさを感じてしまうのです。連休初日はそんな躓きをしました。明日こそ心機一転、木彫を頑張りたいと思います。
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2009.09.18 Friday
明日からシルバーウィークの5連休が始まります。この始まる…という期待が何ともいいのです。始まってしまうと、すぐ終わってしまいます。今日はウキウキの前日なので、5連休の作品制作計画を立てようと思います。まず2日間は「構築〜瓦礫〜A」の柱の荒彫り。すでに杉材を購入してあります。鑿を研いで精神統一して開始したいと思います。次の日は美術館鑑賞日。午前中は亡父の墓参りがあるので、夕方から近くの美術館に行こうと思っています。残り2日間は陶彫制作の予定です。まず、栃木県益子に陶土を買いに行って、土錬機で別々の陶土を練りこみ、常日頃使っている土にしていきます。次に菊練り、タタラ、そして成形。そこまでいくかどうかわかりませんが、5連休後半はとにかく陶彫をやろうと決めています。木彫(2日)美術館(1日)陶彫(2日)という計画です。ようやくワクワクしてきました。この5連休で制作の弾みをつけて、さらにその先へ進めていきたいと考えているのです。
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2009.09.17 Thursday
香川県高松市に行ったのはかなり前のことですが、地方のローカル線で気に入っているのが琴平電鉄です。小さな電車に揺られながら、八栗駅で降り、そこから石材店の並ぶ路地を歩いて、牟礼のイサム・ノグチ庭園美術館に行きました。近くに庵治港があって、海岸線の向かいには石切り場のある山が迫り、凹凸のある風景が広がっていました。八栗駅はとても小さな駅でした。こんなところに世界的な彫刻家の住居と美術館があるのかと思われるほど閑散とした印象を受けました。墓石を扱う店が軒を並べているのを見て、なるほど石の町に来たんだなぁと納得しました。讃岐うどんを食べて、町の中を練り歩き、寄り道しながらイサム・ノグチ庭園美術館に辿り着いたことが思い出されます。庭園美術館の周囲も石材店が多く、庭園美術館がこうした町の中にあるのが、ちょっと驚きでした。自分の勝手な想像では広々とした丘の上に建っているものだと思い込んでいたからです。八栗駅に戻って、人気の無いホームで、庭園美術館内部の空間とこの駅のあまりにも違う環境に不思議な、それでいて気持ちの良いミスマッチを感じていました。
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2009.09.16 Wednesday
彫刻家流政之を知ったのは高校生の時でした。書店で立ち読みした美術手帳に彫刻写真が掲載されていて、若かった自分はカッコいいなぁと思ったように記憶しています。美大の彫刻科に入って彫刻を本格的にやり始めた頃、西武美術館で「流政之展」があって、自分が大学で学んでいるものと表現の土台が違うように感じて、それこそ表面を舐めるように見ていました。スパっと切ったような石彫は思い切りが良くて、石でこんなふうに作れたら気持ちいいだろうなぁと思えました。アートの世界では、ナガレ作品はいずれもカーヴィングという古く普遍的な概念を持っていて、自分も当時モデリングに拘っていたので、当時流行の現代美術よりずっと好きになっていました。その作品論集を書店で見つけて、読むことにしました。ずい分前にイサム・ノグチ庭園美術館を訪ねて、香川県の庵治まで出かけた時に、もう少し足を伸ばしてナガレスタジオを見ておくべきだったと思いました。面識の無い自分に会ってくれないにしても、外側からだけでもレンガ作りのスタジオを見ておけば、何かインスピレーションが湧いたかもしれないと思ったのです。そんなことをあれこれ思いながら、写真版の多い論文集を読み終えました。
2009.09.15 Tuesday
今晩のNHKプロフェッショナルでは、漫画家井上雄彦の仕事を取り上げていました。自分はあまり漫画を読む方ではないのですが、唯一「バガボンド」や「リアル」を愛読しています。作者の仕事に対する熱情や真摯な姿勢が創作に表れているからこそドラマに惹き込まれ、さらに展開されるキャラクターの心理描写に同感してしまうのでしょう。とくに注目したのは闇を描くというテーマです。自分の内面を掘り下げ、素の自分自身と対面して、人間の持つ弱さを抉り出し、それによって照らし出される光の部分をも表現するという意図に、漫画という媒体を使った文学にも劣らぬ世界観を発見しました。絵がある以上、人の表情や動きにそうしたものを語らせなければならず、卓越した描写力に加え、作者自身の心の動きが投影されてしまう世界に凄みを感じてしまいました。漫画はサブカルチャーと言われているものの今や重要なポジションを与えられている分野です。仕事場で苦しむ作者を見ていて、仕事は違えど自分にも共通した部分を見て取って、ここにも共感を覚えたひと時でした。
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