2025.10.04 Saturday
週末になりました。定番として土曜日は今週の振り返りを行ないます。今週も相変わらず毎日工房に通ってましたが、今週は9月から10月に入り、10月早々鑑賞3連発を予定していました。工房での陶彫制作は水曜日に窯入れを行ない、その日の夕方から焼成を成功させるために窯以外のブレーカーを落としてしまうのです。水曜日の夜は家内の従弟が横浜の下町でライヴをやっていたので、2人して久しぶりに演奏を聴きに出かけました。生演奏の魅力はその場に居合わせることで心に響く魂があるのだと再確認しました。電気の関係で工房での作業が出来ない木曜日は、家内と東京の美術館巡りをしました。三井記念美術館で開催している「円山応挙」展では、以前から見たかった伊藤若冲と円山応挙の合作による「竹鶏図・梅鯉図屏風」があって、胸を躍らせながら鑑賞してきました。東京ステーションギャラリーで開催している「インド更紗 世界をめぐる物語」展で、古い歴史を持つインド更紗をじっくり鑑賞してきました。2日目の鑑賞は充実した美術品鑑賞だったと思い返しています。鑑賞3連発の最終日は、午前中工房に籠って陶彫制作を行い、午後から家内を誘って映画「チェンソーマン レゼ篇」を観てきました。若い世代の観客層に混じって映画を観ましたが、日本のアニメーションの水準が世界的に見ても誇れるものであることを実感しました。 鑑賞3連発は毎回家内と一緒だったためにその都度話が出来て、これはこれで良かったのではないかと私は思っています。10月に入って漸く涼しくなってきて、秋を満喫したいと願っていたところ、とても良い時間を過ごせていると思っています。今日は2つ目の窯出しも終え、新作が少しずつ姿を現わしてきました。今日は小品にも取り掛かりました。新作に関する造形思考もそのうちNOTE(ブログ)で示していきたいと思っています。
2025.10.03 Friday
10月に入ってから毎日のように鑑賞の機会を作っていますが、音楽ライヴ、美術&デザインに続いて、今日は家内と一緒に映画に行きました。私は日本のアニメーションは世界屈指の水準にあると思っています。アニメが実写を超える表現に達していることを数十年前は誰が予想したでしょうか。先日観に行った「鬼滅の刃」も世界的な規模で人気を集めているアニメですが、今日観に行った「チェンソーマン レゼ篇」も人気絶頂と言えます。少し前に私の教え子でアニメ情報通の子が、本作を観て感想をラインで送ってくれました。彼女の解説導入があって私たちは映画の内容を楽しめました。ややネタバレがあることを承知で書いていきますが、今晩のエンターテイメント系映画館は、若い層で観客席がほぼ埋め尽くされており、前半の内容は若い世代らしい恋愛が描かれていました。可愛い娘からさりげない言葉をかけられ、寄り添われたら、年頃の男子はどんな反応になってしまうのか、浮足立っては見たものの、観客としては、これはチェンソーマンという映画であり、背景には何かがあるなぁと想像に難くない展開を感じていました。とりわけ夜の学校の場面は、長く教職に就いていた自分には、さもありなんという雰囲気を感じました。学園ノスタルジーを求めるとすれば、この場面だろうと思います。やはり後半はバイオレンスの連続で、支離滅裂な世界観が広がっていきました。その疾走感と破壊力、これでもかという暴走に、私の眼がついていけず、緊迫を伴う観客の惹きこみ方にアニメ制作会社の高度なテクニックを垣間見た感じがしました。帰り道に家内と映画の話になり、「鬼滅の刃」も「チェンソーマン」も主人公が所属する組織があり、その仲間に助けられる場面が少なからずあって、また主人公が帰っていく場所があるというのが、2つのアニメに共通するところという意見になりました。強烈なアクションには、その対極として心安らぐところが存在することで、私たち観客も安心して観ていられるのかもしれません。
2025.10.02 Thursday
昨日、工房で窯入れをしたため、今日は電気の関係で工房での作業を休みました。昨晩の従弟のライヴに続いて今日も鑑賞の機会を設けました。東京の2つの美術館で開催している、私が興味関心を持っている展覧会があって、家内を誘って午前中から出かけました。ひとつは三井記念美術館で開催している「円山応挙」展で、ここには私が前から本物を見たいと願っていた応挙と若冲が競作した屏風が出品されていて、私は無我夢中で鑑賞してきました。円山応挙に関して私は思いが強く、とてもひと言で語れないため、後日改めてNOTE(ブログ)に書いていきたいと思います。次に向かったのは東京ステーションギャラリーで開催していた「インド更紗 世界をめぐる物語」展で、インドで数百年にわたって伝えられてきた手描きや木版を組み合わせて布に模様を施す技法が、時代とともにグローバルなデザインに変ってゆく過程を見ることができました。図録から引用します。「本展は、染織品や工芸品のコレクターとして知られる、インド出身で英国在住のカルン・タカール氏のコレクションをもとに、インド更紗が世界に及ぼした影響をたどる展覧会である。~略~グローバルな事象を語るには、それがローカルな社会でどのような存在であり、どのような影響を与えたのかを検証することは必須である。本展では、その一例として、インド更紗がインド地域でどのように用いられていたかを知ることを、世界をめぐる物語の序章とした。~略~ヨーロッパ人がインドに注文してできあがったハイブリッドな花文様は、当初は室内装飾用の掛布などとして、その後はファッショナブルな衣装として、もてはやされた。」(岩永悦子著)日本にもインド更紗の影響は及んでいて、着物や茶道具の包裂などに見られるようです。私は展示されていたインド更紗の色彩や形態の面白さに、暫し足を留めて見入ることがありました。染められた紅色と濃緑の組み合わせが結構自分の好みに合ったこともあって、その繰り返し文様に不思議な魅力を感じていました。展示の最後に英国のウィリアム・モリスの自然物をデザインした有名な作品があり、インド更紗とモリスのデザインの関連を考える機会がありました。インド更紗の発展と世界への浸透が分かり易く展示されていました。
2025.10.01 Wednesday
10月になりました。先月は異常な気温が続いたので、今月は例年のように秋らしい季節になってほしいと願っています。今日は新作2度目の窯入れを行ないました。新作は陶彫部品のサイズが大きいので、仕上げも化粧掛けも大変で、窯までの移動にも力を使います。今月も相変わらず陶彫制作を続けていく予定ですが、鑑賞等の機会をさらに設けて、実技と鑑賞が両輪のように回る理想的な1カ月にしたいと考えています。差し当たって今日は、夜7時から家内の従弟のライヴに行ってきました。横浜市中区日ノ出町にある「視聴室3」という小さなライヴハウスで、彼はギター、その他に男性ピアノや女性ボーカルを加えた3人のセッションがありました。前半は即興によるもので、音楽としてはフュージョンと言うべきか、かなり自由に弾き語りをやっていました。言語も日本語から英語になったり、掛け合いの台詞がそのまま曲になったりして、かなり面白い音響空間が現れていました。後半は浅川マキやかまやつひろしのカバーや本人たちが作ったオリジナルソングをやっていましたが、私は前半の即興的な曲作りを評価しています。それはその場に居合わせないと味わえない雰囲気があったからで、かなりの場数を踏まないと、その雰囲気が出せないと感じていました。家内の従弟は昔からアコースティックな演奏にのせて歌ってきました。その父は声楽家で昨年亡くなった人でした。彼が亡くなってから私たちは演奏会に行くこともなくなり、暫し音楽から遠のいていましたが、その息子がライヴをやっていることで、私たちの周囲にはまだ音楽があるんだなぁと改めて思いました。音楽も美術と同じくらい身近なものであって欲しいと私は願っています。美術に関する表現活動は、私の中で中心を占めていて、これを除いたら私には何も残りません。ライヴハウスで音楽を聴くのも、その音響によって非日常的な異空間が立ち現れてくるからで、そこが美術との共通項であると私は認識しています。願わくば彼には、東京ではなく横浜でライヴをする機会を増やして欲しいと思っています。
2025.09.30 Tuesday
今日は9月の最終日です。今月を振り返ると、一向に秋風がたつ気配がなく、テレビでは相変わらず熱中症警戒アラートが呼びかけられていて、空調設備のない工房での制作は、とても辛かったと思っています。それでもやや涼しくなった日に、新作第1号となる窯入れを行ないました。今月は制作時間を午前中としていましたが、陶土の関係で午後まで制作する日が月の半分以上あり、その日は熱の籠った工房で汗びっしょりになっていました。現在は教職との二束の草鞋生活を卒業して、彫刻家一本なので焦る必要はないと自分に言い聞かせているものの、陶土の乾燥具合が気になって、つい延長してしまう結果になりました。今月は30日間あって、工房に行った日は29日間。休んだ一日は千葉の美術館に出かけ、帰路にゲリラ豪雨に遭遇し、冠水した首都高速を走り抜けてきた一日でした。窯入れして東京の展覧会に出かけた日は、朝早く工房に行って窯の温度確認やら作業台の整理をしていたので、29日間の中にカウントしています。映画に行った日も午前中は制作に励んでいたのでした。どんなに気候が厳しくても工房に行っている方が、私の精神状態は安定しているのかもしれません。今月の鑑賞は美術では3つの展覧会に出かけました。「高島野十郎展」(千葉県立美術館)、「運慶」展(東京国立博物館)、「ゴッホ展」(東京都美術館)でした。映画鑑賞は「私たちが光と想うすべて」(シネマ・ジャック&ベティ)で今月の鑑賞は充実していました。涼しくなれば美術館や映画館での鑑賞も行きやすくなるし、また秋は展覧会等も充実したものが催されるので、来月はさらに楽しみたいと思っています。読書はルネサンス芸術の大書を読み終えて、イギリスの美術史家による廃墟論を読んでいます。本書は「芸術家列伝」とは異なる難解な箇所があって手強い内容だなぁと思いつつ、廃墟に寄せた作家や画家の論考が面白いと感じます。私事では自宅の出窓の改修工事が終わり、出窓が通常の窓に替わりました。築30年以上ともなると自宅に修繕が必要になってくるんだなぁと改めて思った1カ月でした。