2019.12.31 Tuesday
2019年の大晦日を迎えました。まず今年の総括を行う前に、今月を振り返ってみたいと思います。新作の陶彫制作ですが、床に這う根の部分は19点が出来上がり、今は屏風に接合する陶彫部品を作っている最中です。屏風に接合する部品は現在12点の成形や彫り込み加飾が終わっています。一日1点ずつ作っているRECORDは、下書きばかりが先行する悪癖が出てしまい、仕上げは来年に持ち越します。二足の草鞋生活のもうひとつの顔である公務員管理職として今年は職場が変わり、新しい仲間たちと一緒に仕事をしてきました。9ヶ月が過ぎて大分慣れてきましたが、多少勝手が違うこともあって今だに困ることもあります。来年度は続投の依頼がきましたが、定年になって仕事が創作活動だけになってしまうと一体どうなるのか、そろそろ考え始めなくてはならないと思っています。今月の鑑賞は美術館や画廊に行く暇がなく、映画鑑賞だけになってしまいました。「シュヴァルの理想宮」、「存在のない子供たち」(2本ともシネマジャック&ベティ)を見てきました。私には2本とも刺戟のある優れた映画だったと振り返っています。自宅に関する私事になりますが、築30年になる自宅の雨樋修理や屋根の補修、外壁塗装などをやることになり、大型台風の影響があったため、災害保険の適用を受けました。全額は出してもらえず貯蓄から持ち出しになりましたが、次は内部のリフォームをやっていこうと計画しています。私たち夫婦も断捨離をする時期を迎えたのかなぁと思っています。工房ではロフト拡張工事を行ない、増えてきた彫刻作品の保存を真剣に考えざるを得なくなりました。個展(ギャラリーせいほう)は今年14回目を終わらせたので、作品が増えていくのは仕方がないなぁと思っています。何しろ今年も病気も事故もなく創作活動に邁進出来たことが何よりも幸運だったと思っています。二足の草鞋生活で職場には迷惑をかけないようにしたいと私は思っていて、そのために職場環境を良くしておかないと創作活動もままならなくなります。日頃から職場の人との繋がりや組織を大事にしていきたいと思っています。最後にホームページについて触れておきます。このホームページは私の創作活動の面から情報発信をしているもので、画像は陶彫作品とRECORD作品に限られています。カメラマンと相談しながら画像の構成をしていますが、今後はさらに充実させたいと考えています。NOTE(ブログ)は日々の記録ですが、日記というより展覧会や映画の感想や、書籍から得た知識、作品の進行具合など思いつくまま書いています。拙い文章を読んでくださっている方々に感謝申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。皆さまにとって来年が良い年でありますようにお祈りしています。
2019.12.30 Monday
先日、常連になっている横浜市中区にあるミニシアターにレバノン映画「存在のない子供たち」を観に行きました。上映が始まると、中東の貧民窟の生活が映し出され、演出ともドキュメントとも言えない凄まじさの中に自分が放り込まれた感覚を持ちました。これは女流監督の独特な手法にあったらしく「弁護士に扮したラバキー(監督)以外は、ほとんどが映画初出演の素人をキャスティングしている。主人公の少年ゼインも、ゼインを助けたエチオピア移民のラヒルも、演じる役柄とよく似た境遇の人々が選ばれた。ラバキーは彼らに、感情を『ありのまま』に出して、自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとった。」と図録にありました。映画の冒頭で「両親を訴えたい。僕を産んだ罪で」と裁判長の質問に答えた少年ゼイン。彼は人を刺した罪で拘置所に送られていたのでした。そこから彼の壮絶な過去が語られます。両親と兄弟姉妹で暮らしていたゼインは学校へも行かず、路上で自家製のジュースを売っていたり、雑貨店を手伝ったりして一日中働かされていたのでした。妹のサハルだけが彼の心の支えでしたが、親が決めた結婚の犠牲となった妹と別れ、ゼインは家出をします。外ではさらに過激な生活が彼を待っていましたが、万引きやら違法な薬物製造も行い、移民の幼児を抱えたゼインは逞しく生きていました。面倒を見てくれたエチオピア移民のラヒルは不法就労で警察に拘束されて、ラヒルの幼い息子はゼインが仕方なく世話をしていたわけで、物乞いをしながら子供がさらに幼い子供を支える状況が語られていました。やがて妹が死んだことを知らされたゼインは、旧知の妹の夫に傷を負わせてしまいました。その罪のために拘置所にいたゼインは、社会問題を取上げるテレビ番組に電話をして、自分が置かれた現状を知らせます。そこに反響があり、冒頭の裁判所に映像が戻ります。タイトルの「存在のない」とはどういうことか、監督へのインタビューでそれが判明しました。「研究を重ねていく中で、出生届を行う資金が両親に無いため、生まれても正式な証明書類が発行されない赤ん坊が何人もいることが分かった。そういった子供たちは、法的にも社会的にも、『不可視』な存在となってしまう。正式書類が無いが故に、死んでしまう子供たちも沢山いる。その理由の多くは、育児放棄、栄養失調、もしくは単純に病院での治療が受けられないから、というもの。」子供たちは生まれてこなければよかったと言っていて、国の経済政策によって人権までも侵害される現状を、この映画は全編を使って強く主張していると感じました。それを描き出した監督の力量に拍手を送ります。
2019.12.29 Sunday
昨日から始まった職場の閉庁日(休庁期間)ですが、改めて制作目標を掲げておきたいと思います。週末である今日も朝から夕方まで陶彫制作に明け暮れました。閉庁日9日間のうち、元旦と従兄弟会を除く7日間で何をどのくらい作るのか、具体的な陶彫部品の個数を挙げていこうと考えました。屏風に接合する陶彫部品は現在のイメージでは22点と思っていて、現時点で10点が成形と彫り込み加飾が終わっています。そのうち焼成まで終わっているのが5点あります。残り12点を閉庁日7日間で作れるのかどうか、こればかりは無理な感じがしますが、それでも制作目標に掲げておこうと思っています。屏風に接合する陶彫部品は床置きよりは小さめですが、手間は変わらず、寧ろ小さい分だけ時間がかかるように感じています。閉庁日7日間は屏風に接合する陶彫制作一辺倒です。寒い日が続き、陶彫部品の乾燥が進まないため、窯入れが出来ず、それは陶彫制作をやっていくには好都合です。今日は昨日準備したタタラを使って2点の成形を行いました。いつものように混合陶土が無くなったので、明日は土練りから始めなければなりません。毎日のように陶土に触れていると手が荒れてきます。ハンドクリームを手放すことが出来ません。陶彫制作に集中していると時間が経つのが早く、あっという間に一日が終わっていきます。日々決めている作業時間の7時間は、気持ちの持続にはちょうどいいのですが、なかなか進まず心は焦るばかりです。かといって時間を延ばすことは精神的に難しいと思っています。今朝の寝起きに屏風の全体イメージがふと頭を過ぎりました。公務員の仕事から次第に解放されていくと、彫刻に心身ともに近づいていき、イメージの更新が頻繁に起こります。私の中にまるで2人の人間が棲んでいて、私を突き動かしているようです。彫刻家の私はあまり冷静ではなく、自分の作品以外は目に入りません。因みに公務員管理職の私はさまざまなことが目について、あまり細かいことに拘っていると職員から疎まれる存在になってしまうのではないかと危惧しています。そのため極めて鷹揚に振舞うように努めているのです。別人格の2人のうち、今はすっかり彫刻家の私になっていて、我が強く専制君主のような精神状態です。他人に危害は加えませんが、彫刻家の私は鼻持ちならない人物に成り下がっているのです。
2019.12.28 Saturday
今日から職場は閉庁日(休庁期間)に入ります。私の職場は1月5日まで閉庁するので、休庁期間は合計9日間になり、例年この時期、私は来年夏に発表する陶彫による集合彫刻の制作に没頭しています。これがなければ新作は完成できないと思っています。9日間のうち元旦は作業を休みます。実家にある古井戸や稲荷等に小さく刻んだ餅を捧げて、その後に東京赤坂の豊川稲荷に詣で、護摩を焚いてもらうのが我が家の恒例になっているのです。これは先祖代々続いているもので、母が存命のうちはしっかりやっていこうと思っています。1月3日はこれも恒例になった従妹会があり、東京の洒落たレストランに出かけていきます。この2日間を除いた日程が創作活動に充てられる時間です。何をどの程度まで作れるのか、欲張りたい気持ちも湧いてきますが、限りある時間をどう使うのか、しっかり考えて着実に制作工程を進めていくのが良いと思っています。閉庁日の制作に関わる材料の調達は全て出来ています。正月三が日は材料店も休むので、材料は十分備えておく必要があります。一応目安として朝9時から夕方4時までの7時間を制作時間としますが、美術館や映画鑑賞を取り入れる場合は、イレギュラーな時間帯を設定することもあります。日々の制作目標を決めて、その日のノルマを課していこうと思っています。創作活動は公務員とは違った気疲れもあります。精神面では解放されて快い感覚になりますが、自分を追い込んでいくため、創作に対する動機や思索を自問自答する場面が結構あります。自分との葛藤が齎す入魂の具合次第で、作品の質を高めていけるかどうか、またここを頑張れるかどうかが作品に反映していくと私は考えています。それが創作活動の醍醐味であり、最も辛いことでもあります。初日である今日は朝8時半に工房に行きました。既に成形の終わっている陶彫部品にそれぞれ彫り込み加飾を4点施しました。明日は新たな陶彫部品を成形するため、座布団大のタタラを数枚準備しました。そこまで終わって午後3時半になり、工房を後にしました。いつもより30分早めたのは、今晩は家内を誘って横浜の中区にあるミニシアターに映画を観に行こうと決めていたのでした。上映していたのはレバノン映画の「存在のない子供たち」で、苛烈なまでの中東の貧困と移民の問題を扱ったものでした。主人公ゼインを演じた少年が優れていて、彼の一挙一動に思わず惹き込まれてしまいました。詳しい感想は後日に回しますが、国家としての社会体制をも考えさせるヒューマンドラマであったと感じました。閉庁日初日は充実した一日を過ごしました。明日も頑張ります。
2019.12.27 Friday
今年は工房のロフト拡張工事をやったり、自宅の雨樋修理や屋根の補修、外壁塗装などをやる年回りなのかもしれず、必要に迫られてそれぞれ業者にお願いしてきました。先日、外装等の自宅外周の作業が完了し、点検を済ませたところです。大型台風の影響があったため、災害保険の適用を受けましたが、全額は払ってもらえず、半分以上は貯蓄から持ち出しになりました。築30年ともなれば仕方がないのかなぁと思っていますが、次は内部のリフォームをやっていこうと計画しています。2020年度末に私が再任用満了で現職を退くため、あと残された1年少々で断捨離も合わせてやってしまおうと考えています。30年前の新築時には分からなかったことが、生活をしていくうちに判明し、それをリフォームで補おうと考えているのです。判明したことは30年前に建てた住宅の収納の少なさが原因で、モノが溢れてしまっていることです。収納を増やすことと、さらに断捨離を併行して行なうことによって少しでも快適に暮らせるようにしたいと願っています。今日は内装を担当する女性設計士が自宅にやってきました。収納が出来ずに床に積みあがった衣類や雑貨を横目に、部屋の寸法を測り、収納スペースの確保を一緒に考えました。リフォームで大きく変わるところはダイニングに続く和室を洋室に作り直し、ダイニングと一体化するところです。和室の半分は収納庫になります。キッチンも変えます。食器棚を増やすことで、栃木県益子や茨城県笠間に住む友人陶芸家の貴重な作品が収納できます。2階にある取り付け書棚の追加もお願いしました。私が集めた取りとめのない書籍も溢れていて、床に積み上げている書籍をきっちり整理したいと思っているのです。リフォームは職人が室内に入ってくるため、作業は家内が自宅にいられる時間に限られます。3月以降に始まるリフォームですが、家内の邦楽器演奏に重ならないようにしたいと考えています。とても楽しみですが、暫くは不便を余儀なくされる工事ではないかと察しています。