2019.10.05 Saturday
やっと週末になりました。数日前に栃木県益子町にある明智鉱業に陶土注文のFAXを送っていました。私が使用する陶土は2種類で、それぞれ割合を決めて土錬機にかけて、最後は手で菊練りをして使います。明智鉱業で扱っている陶土は20kgが1包になっていて、日本各地の陶土が販売されています。以前は益子町に出かけて、私は直接購入していましたが、ここ数年は横浜まで運送していただくことにしています。陶土を混合する実験を繰り返していた時代は、さまざまな種類の陶土を使ってみて、焼成によるテストピースを作っていました。「発掘」シリーズの陶土が決まってくると、購入する陶土の種類も限定されたものになりました。私の作品は釉掛けもしないし、陶土のバリエーションを見せることもしません。イメージに合った陶土があればそれでいいのです。いつも私は20kgの陶土を20包、それを2種類注文しているので、合計40包で総重量800kgの陶土が毎年必要になっていて、それらが今日工房に届きました。この陶土を大切にして、これからの1年余りの間に使っていくのです。今日は昨年購入した残っている陶土を土錬機にかけて土練りを行ないました。菊練りをした際、掌で叩いて座布団大のタタラを数枚作りました。明日の陶彫成形のための準備です。今日は夏が再来したような暑さで、汗が頬を伝って流れました。第2ステーションの陶彫部品は7点完成して乾燥を待っています。明日8点目になる部品を作ります。制作工程が少しずつ着実に動いています。週末がきちんと創作活動に充てられる時は、朝から夕方まで最低7時間は工房に篭ろうと思っています。今日は朝7時から工房にやってきたので9時間くらいやっていましたが、途中若いスタッフが顔を出しました。夕方4時に彼女を車で送って工房を後にしました。
2019.10.04 Friday
昨日、東京六本木にある国立新美術館で開催している「自由美術展」に出かけ、師匠の彫刻作品を鑑賞してきました。池田宗弘先生から私は学生時代に彫塑の指導を受け、その時に東京都美術館の大規模な企画展に出品されていた池田先生の作品を見て、彫刻を始めたばかりの私はその作品がずっと印象に残っていました。あちらこちらから痩せた猫が魚の骨を目指して忍び寄る大きな作品は、今も長野県東筑摩郡麻績村にある先生の工房兼住居「エルミタ」に置かれています。「エルミタ」にお邪魔する度に、私は当時の思い出が甦り、長く彫刻の道を歩んでいる自分のことを振り返る機会にもなっているのです。今回出品されていた「旅の絵師は悪魔と出会った」は、先生がデビューの頃から続けられていた真鍮直付けによる人物像を含む風景彫刻で、私にとっては馴染みのある技法を駆使した作品でした。悪魔が登場する契機になったのは、あるキリスト教会の神父の心に棲む邪悪を、先生が悪魔に見立てたのが始まりでした。連作を続けて見させていただいて、悪魔が徐々に可愛らしくなっているのに気づきました。親しげに近づく者に注意をするように先生に促されているようにも思えました。先生の彫刻は細長くて、一見するとジャコメッティのようですが、内容はかなり違います。ジャコメッティは対象を正確に捉えようとした結果、あんなに針金のように細くなっていったわけですが、先生は構造の面白さを示すために量感を削り取っていったように思えます。それは人物だけではなく、周囲の情景さえも構造そのもののような風景になっています。であるからこそ、照明に当てられた彫刻の陰影が美しく映えていると私は感じています。また素材だけを提示しているのではなく、そこに物語性を盛りこんでいます。労働者の憩いや公園に集う人々、猫の生態やら宗教性の強いテーマもあります。社会風刺や日常を切り取って、あたかもスケッチでもするように彫刻するのが池田宗弘ワールドなのです。陶の素材感を全面に出し、抽象化を図る私の世界とは異なりますが、私の作り出す世界も先生に認めていただいていることに感謝しています。先生にはいつまでも作品を作り続けていただけるよう願うばかりです。
2019.10.03 Thursday
今日は職場で年休をいただきました。ちょうど外会議もなく、書類を早急に作ることもない日は、一日休んでも大きな影響がないと判断しました。突発的な危機管理が求められる場合は、副管理職から連絡が入ることになっています。今日は母が入所している介護施設を引越しする日で、家内とその手伝いをしてきました。母がいる施設は自立型の施設で、自分で何事も出来る人が対象になっています。そんな施設に5年間世話になっていた母でしたが、このところ2回転倒して通院をしていました。まだ見た目では自立型施設でも大丈夫と思っていますが、大事をとって介護型の施設に引越しすることにしたのでした。その介護型の施設は横浜という土地にあっては、かなり珍しい環境にありました。施設の隣が乗馬学校になっていて、馬が嘶く様子が施設の窓から見えるのです。そんな自然豊富な環境が気に入って、この介護型の施設に母はやってきたのでした。私の車で前の施設から次の施設へ引越し荷物を2回運び、何とか母が当面生活できるようにしました。施設長から説明を受け、契約の運びとなりました。午前中から引越しをやっていて、全て終わったのが午後3時過ぎでした。それから駅前駐車場に車を留めて、家内と東京の美術館に行くことにしました。師匠の池田宗弘先生が彫刻作品を出している「自由美術展」に、六本木の国立新美術館が閉館する1時間前に飛び込みました。池田先生から毎年招待状をいただいていて、私たち2人で見に行ける機会が今日以外にないと決行したのでしたが、無理を承知で出かけて良かったと思いました。展覧会場から池田先生に電話をしました。長野県に一人で暮らしている師匠が、私は時折心配になるのですが、元気な声が返ってきて安心しました。先生は真鍮直付けという技法で宗教的なテーマを彫刻している人で、最近は悪魔シリーズとでも呼ぶべきか、人物と幻想的な悪魔が対峙する場面を作っています。この詳しい感想は後日改めたいと思いますが、作品を見る限り心身ともに健康なのかなぁと思ってしまいます。美術館が閉館になったので、電車で横浜に帰ってきました。車を駅前駐車場から出して自宅に戻りました。せっかく職場を休んだのに今日は多忙な一日になってしまいました。
2019.10.02 Wednesday
先日、ホームページに2018年のRECORD4月から6月分の3ヶ月をアップしたばかりですが、今回は7月から9月分をアップしました。RECORDは一日1点ずつポストカード大の平面作品を作っている総称を言っていて、自分にとっては日々創作しているRECORD(記録)なのです。既に12年目を迎えていますが、今回アップした後の1年間分を先日撮影したばかりなので、実は次の2018年の10月から2019年の9月までのRECORDが控えているのです。最初の頃はRECORDを気楽に考えていましたが、日を追ううちにグレードアップを志向するようになって、行きつ戻りつしながら試行錯誤を繰り返し、RECORDは今も発展途上にあると自覚しています。RECORD用紙は1mm厚のイラストボードをポストカード大にカットして使っています。表面は白ケント紙になったものを購入していますが、三段の棚にぎっしり詰めていたRECORD用紙も、月日が経つにつれ、残りが少なくなってきました。そろそろ補充を考えていて、購入した用紙を職場の電動カッターで切断して、再び三段の棚に詰め込んでいる最中です。また完成したRECORDは3ヶ月ごとにケースに入れて工房の棚で保管していますが、ケースも足りなくなってきています。過去のRECORDを見ると、当時の思いが甦ります。私の性格かもしれませんが、どんなに小さな作品でも気軽に作れたことなど一度もなく、陶彫作品と同じで毎回全力投球しているなぁと振り返っています。毎晩食卓で作っているRECORDを厳しいものにしているのは自分自身なのです。だから思い出が甦るのでしょう。今回アップした2018年の7月から9月分までのRECORDをご覧になっていただけるのなら、私のホームページの左上にある本サイトをクリックしてください。ホームページの扉にRECORDの表示が出てきますので、そこをクリックすれば今回アップした画像を見ることが出来ます。ご高覧いただけると幸いです。
2019.10.01 Tuesday
10月になりました。芸術の秋と言われる10月ですが、実は休日出勤や創作とは関係のない用事が多く、今月は間隙を縫って制作をしなければならないと感じています。NOTE(ブログ)のアーカイブを見ると、これは今年だけではなく例年のことのようで制作時間を確保するために工夫を凝らしている様子が伺えます。制作目標として陶彫に関して言えば、第2ステーションの成形、彫り込み加飾の完成と、屏風の下書きが出来れば良いと考えています。屏風をどうするのか、それによって屏風に接合する陶彫部品を考えていかなくてはなりません。床置きの2つのステーション完成の見通しが立てば、次は屏風に制作工程を移していこうと思っています。一番面白いところではありますが、壁に筒状の陶彫部品をどのように這わせていくのか、イメージ通りの狙いになるのか、あれこれ思考することが多いなぁと思います。結局、今月は新作の土台を作る重要な1ヶ月になるでしょう。RECORDは日々きちんと作ることを目標にしていきます。過去の山積みされたRECORDが解消されている今、新たにスタートする気持ちで始めていこうと思います。鑑賞は師匠の池田宗弘先生が所属する美術団体展があったり、見たい展覧会や映画もあるのですが、前述した通り様々な用事が多くて、叶わぬ望みもあるかもしれません。読書は継続です。欲張ると辛くなるのは分かっていますが、夜の時間帯に工房に通えるといいなぁと思っています。たとえ1時間でも陶彫がやれれば制作工程に余裕が生まれます。新作は屏風の処理に時間がかかると思っているので、陶彫制作は前倒しで進めたいところです。秋深まる10月に造形思考も深まる1ヶ月でありたいと願っています。