2019.06.07 Friday
関西に来て3日目です。今日は一昨日や昨日と打って変わって、朝から大雨に見舞われました。関西出張が今日で終わります。荷物を宅配便で横浜に送り、身軽になって夕方まで町の散策をしました。昨晩は近江牛を振舞われ、その美味しさに舌鼓を打ちました。またここは米の産地で、白米の美味しさも忘れられません。近隣県出身の職員の一人が「毬まんじゅう」なる和菓子を買って、私にもご馳走してくれました。上品な餡が入った餅ですが、周りを餅米で覆った雰囲気は栗の毬(いが)に似ているので、名付けられたようです。人里離れたところで現在も伝統的な日野椀作りをやっている工房にもお邪魔しました。伝統野菜で言えば「日野菜」があり、3分の1ほどが紅くなっている細いカブで、私たちが泊まった宿舎の朝食に漬物にして出していただいていました。そもそも農業体験を主なプログラムに組んでいた今回の関西滞在ですが、私の興味は専ら現地の食事や文化に集中してしまいました。滋賀県にいても琵琶湖を見ないで帰る今回の関西出張は、やはり観光ではなく研修の色合いが強いものだという感想を持ちました。私たちの職場以外にも横浜市には多くの同種の職場がありますが、ここは風変わりな研修をしているなぁと思いました。私は数十年この職種にいて、今回は始めて経験したものばかりでした。ここはこうした方がいいのかなというアイデアも今回の経験から出てきました。今年は私が転勤したばかりなので、昨年度練り上げた計画で進めた研修でしたが、来年度はもう少し自分のカラーを出していきたいと思っています。昨年を知らないので比較することは出来ませんが、安全安心で実り多い研修だったと言えば今回は成功だったのではないかと思っています。
2019.06.06 Thursday
関西出張2日目になりました。出張したメンバーには滋賀県に滞在している期間にさまざまな体験活動が組まれていましたが、私はこの日野町で案内された近江商人の記念館に興味が湧きました。近江商人は江戸等に出張販売に出かけ、各地に出店していたらしく、一人の商人が数多く経営している様は、まさに現在のチェーン店やフランチャイズの起源となったようです。酒、醤油、味噌などの醸造業の他に雑貨や質屋も兼営していたようで、多角的経営が成されていました。日野の名産では日野椀や漢方医薬の販売がありました。とりわけ「萬病感應丸」は日野を代表する薬で、小さな薬となれば荷が軽く、持ち歩きに便利で利益も大きかったために日野の近江商人は莫大な富を築いたようです。商人はその富の多くを地域社会に還元したため、日野町には16基の曳山があり、多額の寄付があったことが分かりました。「萬病感應丸」は現在も販売しているので、私は試しに小さい袋を買ってみました。日野の人たちは今でも愛用していると聞いたので、私の疲労回復に効けばいいなぁと思っています。日野町は小さい町ながら古くからの伝統伝承が受け継がれ、豊かな文化が根付いている町だなぁと思いました。駅舎も最近リニューアルされたようですが、古い情緒はそのまま残されているように思いました。この町は映画の撮影にも使われているようで、そのスポットにも案内されました。確かに時代劇や明治時代の風景が残る場所もあって、広大な土地に田畑が広がる風景は、横浜では見られなくなったなぁと思いました。今日も天候に恵まれ、青空に爽やかな風が吹いていました。
2019.06.05 Wednesday
職場が変わっても私たちの職種は1年間に1回は2泊3日の出張があります。今の職場でも前職場と同じような時期に関西方面への出張がありました。ただし、職場によって滞在する県が違い、今の職場は滋賀県に連泊することが昨年度より決まっていたようです。初日は京都に行きました。そこで一日を過ごすことになっていて、他の職員と私は別々の行動をとることにしました。私は京都には毎年訪れているため、仕事の合間を縫って博物館や美術館に立ち寄ることにしているのです。何か不測の事態が生じれば、すぐ駆けつける状況であっても、京都に行ったら観たいと思っていた展覧会を2つ巡ってきました。ひとつは細見美術館で開催中の「若冲と祈りの美」展で、江戸時代の絵師伊藤若冲の作品に久しぶりに接することが出来ました。細見美術館は伊藤若冲のコレクションが有名で、ギャラリーショップには伊藤若冲のコーナーがあります。そこでつい伊藤若冲の評論集やら「奇想の画家」を著した辻惟雄氏の面白そうな書籍を購入してしまいました。展覧会の詳しい感想は後日改めます。次に向かったのが京都国立博物館でした。ここで開催中の「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」展で、踊念仏を唱えた一遍上人の日本各地への遍歴を絵巻物にした一遍聖絵が圧巻でした。一遍聖絵を見ていると、師匠の池田宗弘先生がスペイン巡礼路を記した作品が思い浮かびました。一遍聖絵は細密で時代の民俗も表現されていて、その中に自分も入ってしまえるような幻想が頭を過ぎりました。見終わった後、漸く現実に戻って京都駅に向いました。この展覧会も詳しい感想は後日改めます。京都は天候に恵まれ、蒸し暑い一日でした。相変わらず外国人観光客が多く目立ちました。毎年横浜からここにやってくると、まさに国際的な観光都市になった古都として、いろいろなところに外国人向けの便宜を図る工夫があって、観光立国を目指す意気込みが感じられます。お土産も日本情緒を盛り込んだ洒落たものが多くなったと感じました。横浜の職場に残って仕事をしている副管理職や事務職にお土産を購入して京都を後にしました。
2019.06.04 Tuesday
「浸潤」というのは、あまりいい意味では使われないコトバです。「肺浸潤」という病名があり、それは結核菌におかされた肺の一部の炎症が広がっていく疾患です。浸潤の単純な意味では次第にしみ込んで広がることを指しますが、それは液体に限らず、思想などの場合にも使われるコトバでもあります。水彩絵具が紙にしみ込んでいく状況を、絵画的な発想ではその効果を利用して何かを表現することは屡々あります。面白いなぁと思ったのは、5月17日にアップしたNOTE(ブログ)にある彫刻家若林奮の絵具に対する考え方です。「若林は絵具やインクを紙にしみこませ、『紙の厚さを彩色する』ことを試みる。」(江尻潔著)という発想は、明らかに画家のそれではなく、彫刻家の浸潤に関する捉えです。私自身は自作を考えると、彫刻的な要素と絵画的な要素が混在しているため、その双方に理解を示していますが、若林奮流の考え方に妙に納得してしまうことがあります。絵具を幻想化の表現として使うものではなく、あくまで実材として扱うと、浸潤という効果が平面ではなく、空間を伴う立体として立ち現れてくるように感じます。今月のRECORDに選んだテーマである「浸潤の風景」には梅雨の季節を迎える気分もあり、水に覆われた世界とそれが浸透していく状態をどう表現しようかという意思も働いています。滲ませたり、しみ込ませたり、線描写というより絵具中心の画面になりそうです。今月もRECORDを頑張っていきたいと思っています。
2019.06.03 Monday
そろそろ梅雨入りになりそうな鬱陶しい日々ですが、昨日は曇り空の下で図録用の撮影が無事終わって良かったと安堵しています。今月の制作目標は次なる彫刻を作っていくことですが、新しいイメージは既に私の頭の中にあって、まず1点目の陶彫部品を作るところから始めたいと思っています。展示方法は屏風と床を考えていますが、今までの作品と違うところは床部分に多くの陶彫部品を置くところです。過去の屏風作品は屏風そのものに力を入れていましたが、新作は屏風から湧きだした生命体が床を這って出てくるイメージです。もう少しイメージがまとまったら、NOTE(ブログ)でお知らせします。今月は制作と同時に「発掘~双景~」と「発掘~曲景~」それに「陶紋」5点の梱包をしなければなりません。東京銀座のギャラリーせいほうでの個展が来月の海の日から開催することになっているので、その前日の搬入までには梱包を終わらせなければならず、週末を数えるとそんなに余裕がないことが分かってきました。今回から梱包の木箱は先日業者に教えていただいた頑丈なものにする予定です。今月困難を感じているのはRECORDです。雑な下書きばかりが溜まってしまって、どんな作品に仕上げたかったのか、完成イメージを忘れてしまっているRECORDもあります。当初のイメージと完成がズレてしまうこともありますが、自分の不甲斐なさ故に仕方がないと思っています。少しでもそれを解消するために頑張ろうと思います。鑑賞は先月我慢した分、今月は美術館等に出かけたいと思います。読書はヨーロッパに纏わる文化論を引き続き読んでいきます。