2019.06.05 Wednesday
職場が変わっても私たちの職種は1年間に1回は2泊3日の出張があります。今の職場でも前職場と同じような時期に関西方面への出張がありました。ただし、職場によって滞在する県が違い、今の職場は滋賀県に連泊することが昨年度より決まっていたようです。初日は京都に行きました。そこで一日を過ごすことになっていて、他の職員と私は別々の行動をとることにしました。私は京都には毎年訪れているため、仕事の合間を縫って博物館や美術館に立ち寄ることにしているのです。何か不測の事態が生じれば、すぐ駆けつける状況であっても、京都に行ったら観たいと思っていた展覧会を2つ巡ってきました。ひとつは細見美術館で開催中の「若冲と祈りの美」展で、江戸時代の絵師伊藤若冲の作品に久しぶりに接することが出来ました。細見美術館は伊藤若冲のコレクションが有名で、ギャラリーショップには伊藤若冲のコーナーがあります。そこでつい伊藤若冲の評論集やら「奇想の画家」を著した辻惟雄氏の面白そうな書籍を購入してしまいました。展覧会の詳しい感想は後日改めます。次に向かったのが京都国立博物館でした。ここで開催中の「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」展で、踊念仏を唱えた一遍上人の日本各地への遍歴を絵巻物にした一遍聖絵が圧巻でした。一遍聖絵を見ていると、師匠の池田宗弘先生がスペイン巡礼路を記した作品が思い浮かびました。一遍聖絵は細密で時代の民俗も表現されていて、その中に自分も入ってしまえるような幻想が頭を過ぎりました。見終わった後、漸く現実に戻って京都駅に向いました。この展覧会も詳しい感想は後日改めます。京都は天候に恵まれ、蒸し暑い一日でした。相変わらず外国人観光客が多く目立ちました。毎年横浜からここにやってくると、まさに国際的な観光都市になった古都として、いろいろなところに外国人向けの便宜を図る工夫があって、観光立国を目指す意気込みが感じられます。お土産も日本情緒を盛り込んだ洒落たものが多くなったと感じました。横浜の職場に残って仕事をしている副管理職や事務職にお土産を購入して京都を後にしました。
2019.06.04 Tuesday
「浸潤」というのは、あまりいい意味では使われないコトバです。「肺浸潤」という病名があり、それは結核菌におかされた肺の一部の炎症が広がっていく疾患です。浸潤の単純な意味では次第にしみ込んで広がることを指しますが、それは液体に限らず、思想などの場合にも使われるコトバでもあります。水彩絵具が紙にしみ込んでいく状況を、絵画的な発想ではその効果を利用して何かを表現することは屡々あります。面白いなぁと思ったのは、5月17日にアップしたNOTE(ブログ)にある彫刻家若林奮の絵具に対する考え方です。「若林は絵具やインクを紙にしみこませ、『紙の厚さを彩色する』ことを試みる。」(江尻潔著)という発想は、明らかに画家のそれではなく、彫刻家の浸潤に関する捉えです。私自身は自作を考えると、彫刻的な要素と絵画的な要素が混在しているため、その双方に理解を示していますが、若林奮流の考え方に妙に納得してしまうことがあります。絵具を幻想化の表現として使うものではなく、あくまで実材として扱うと、浸潤という効果が平面ではなく、空間を伴う立体として立ち現れてくるように感じます。今月のRECORDに選んだテーマである「浸潤の風景」には梅雨の季節を迎える気分もあり、水に覆われた世界とそれが浸透していく状態をどう表現しようかという意思も働いています。滲ませたり、しみ込ませたり、線描写というより絵具中心の画面になりそうです。今月もRECORDを頑張っていきたいと思っています。
2019.06.03 Monday
そろそろ梅雨入りになりそうな鬱陶しい日々ですが、昨日は曇り空の下で図録用の撮影が無事終わって良かったと安堵しています。今月の制作目標は次なる彫刻を作っていくことですが、新しいイメージは既に私の頭の中にあって、まず1点目の陶彫部品を作るところから始めたいと思っています。展示方法は屏風と床を考えていますが、今までの作品と違うところは床部分に多くの陶彫部品を置くところです。過去の屏風作品は屏風そのものに力を入れていましたが、新作は屏風から湧きだした生命体が床を這って出てくるイメージです。もう少しイメージがまとまったら、NOTE(ブログ)でお知らせします。今月は制作と同時に「発掘~双景~」と「発掘~曲景~」それに「陶紋」5点の梱包をしなければなりません。東京銀座のギャラリーせいほうでの個展が来月の海の日から開催することになっているので、その前日の搬入までには梱包を終わらせなければならず、週末を数えるとそんなに余裕がないことが分かってきました。今回から梱包の木箱は先日業者に教えていただいた頑丈なものにする予定です。今月困難を感じているのはRECORDです。雑な下書きばかりが溜まってしまって、どんな作品に仕上げたかったのか、完成イメージを忘れてしまっているRECORDもあります。当初のイメージと完成がズレてしまうこともありますが、自分の不甲斐なさ故に仕方がないと思っています。少しでもそれを解消するために頑張ろうと思います。鑑賞は先月我慢した分、今月は美術館等に出かけたいと思います。読書はヨーロッパに纏わる文化論を引き続き読んでいきます。
2019.06.02 Sunday
今日は日曜日ですが、横浜では開港記念日の祝日でもありました。天気は曇りで、ときより晴れ間が覗いていました。図録用の作品撮影には暑くもなく寒くもない、作業をするのに最適な日だったと思いました。朝9時に学生2人が工房にやってきました。彼女たちには野外工房の車の轍跡を消すために、コンクリート床に水を撒いてデッキブラシで擦ってもらいました。10時に多摩美大の助手2人が来てくれました。それから後輩の彫刻家がやってきて、まず「発掘~双景~」の陶彫部品を野外に持ち出しました。10時半ごろにカメラマン2人がやって来ました。家内と私を加えると、陶彫作品の移動や組み立て人数は7人、撮影のカメラマン2人の総勢9人で、今日の撮影イベントを過ごすことになりました。撮影は野外から始まり、「発掘~双景~」と「発掘~曲景~」の2点を組立てました。組立て途中にスタッフと私の作業現場を撮影しました。これは図録の最初の頁に使うもので、毎年恒例になっているものです。次に工房室内の作業台を片隅に移動し、空間を大きく開けて、そこに野外で展示した作品を移動してきました。野外と室内、2回の分解と組み立てを繰り返すので、この時ばかりは複数のスタッフが必要なのです。「陶紋」5点は流れる水を背景に撮影をしてもらいました。私としては今日来てくれたスタッフたちに感謝したいと思います。私の作品は一人ではどうにもならない組立作業があり、運搬も一人では厳しい面があります。毎年のことですが、スタッフの支援は本当に有難いのです。撮影後の作業台等の現状復帰作業もスムーズに出来ました。私は個人的には作品が完成した安堵感が広がり、同時に何とも言えない疲労感に襲われました。これは毎年同じですが、今年は転勤があった故か、とりわけ疲労が例年より厳しいと感じています。夕方スタッフを車で送り、自宅に帰ってきたらソファに倒れるように横になり、そのまま眠ってしまいました。力仕事は若いスタッフに任せていたのに、どういうわけか私もクタクタになって身体の節々が痛くなっていました。おそらく精神的な面が疲労の大半を占めているのだろうと思っています。ともかく今日は無事撮影が終わって良かったと思っています。個展のイメージが見えてきました。
2019.06.01 Saturday
いよいよ明日が図録撮影日になりました。今日は6月に入っての最初の週末ですが、明日の準備のために早朝6時過ぎに工房に行きました。早い時間帯に作業をもってきたのは、9時半から12時までの2時間半、職場のある地域で防災会議が組まれていて、そこに出席するために、早朝の1時間程度の作業をやったのでした。「発掘~曲景~」のテーブルに陶彫部品設置のためドリルで穴を開けました。ボルトナットを使って陶彫部品をテーブルに接着させるのです。8時に工房から帰宅して作業着から仕事用のスーツに着替え、地域の会議に出席してきました。お昼過ぎに自宅に帰った後、また作業着になり、再び工房にやってきました。午後は「発掘~双景~」の陶彫部品が窯に入っているため、窯を開けて最終部品の確認をしました。焼成は何とか成功し、これで全ての完成した陶彫部品が出揃いました。追加で焼成した陶彫部品に印と番号を貼り付けて、そこの部分だけ組み立ててみました。これで明日の撮影は何とかなりそうです。午後の作業時間は4時間でしたが、工房の床や野外の車の轍跡は、明日スタッフと共に清掃を行なう予定です。夕方、再び職場のある地域での懇親会が組まれていたため、また仕事用のスーツに着替え直して出かけました。今日は午前中と夕方に地域会合があったため、工房と職場を出たり入ったりしました。二足の草鞋生活の多忙な一面が垣間見えましたが、自分で選んだ道なので、こればかりは仕方ありません。今日はあっという間に過ぎた一日でした。今日は6月の最初の日なので本来なら今月の制作目標を考えるところですが、今日はそんな余裕がありませんでした。明日の図録用撮影が終わったら、制作目標を考えようと思っています。6月はほとんど搬入用の梱包で過ぎてしまいそうですが、次なるイメージが湧いてきているので、梱包と併行して来年の新作に取り掛かれるといいなぁと思っています。