Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • ロフトへ作品を移動した日
    今日から休庁期間になり、工房での作業に明け暮れる日々が続きます。これは貴重な時間で、まとまった休みが取れるのはこの休庁期間以外にないのです。今日は2人のボランティアに手伝ってもらって、先日完成したロフトに作品の一部を移動しました。移動したのは構築シリーズの柱と板材、その他小さな木彫部品です。古い順に並べると「起源」の柱と台座、「包囲」の柱と厚板、「解放」の柱と厚板、「瓦礫」の柱、「楼閣」の柱、それに「棟・住居」の木彫と台座です。木箱に入れた陶彫部品はロフトではなく下の床にそのまま置きました。今日は手伝ってくれた2人がいたので、複数の人がいないと持ち上がらない作品ばかり移動しましたが、小品は自分一人でも何とかなるので、今後も移動を続けたいと思っています。これで倉庫部分はとても風通しがよくなりました。手伝ってくれた2人に感謝です。ロフトに移動してみて気づいたことですが、ロフトが意外にも広くて、作品の置き場がまだまだ確保できると感じたことです。手伝ってくれた後輩の彫刻家が、ロフトの端から隙間なく積んでくれたことが大きかったのですが、工房には若いアーティストが出入りしていて、彼らの作品も預かっているので、これは本当に都合が良いと思いました。作品保管に毎月費用がかかっている芸術家も少なくありません。そんな中で私を含めた工房関係者は恵まれていると言っていいと思います。今日はロフトへ作品を移動しただけで終わってしまいました。明日から2日間は制作に気合を入れます。陶彫部品をあと2点作ること、これが今年の目標です。
    映画「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」について
    私が家内とスペインのバルセロナを訪れたのは1981年だったと記憶しています。当時ウィーン国立美術アカデミーに籍があった私たちは、その夏にユーレイルパスを使って南欧に旅立ったのでした。目指したのはポルトガルの最西端でしたが、途中カタルーニャ地方の独特な美意識に触れたくて、バルセロナに降り立ち、ピカソやミロの美術館を見て回りました。もちろん建築家アントニ・ガウディの公園や教会、集合住宅もつぶさに見ていました。その中でも印象的だったのがサグラダ・ファミリアでした。当時既に正面の「生誕のファサード」の外観が出来ていて、4本の塔のうちのひとつに登ることが出来ました。この映画はガウディ没後のプロジェクトを、建築家や彫刻家や職人並びに宗教学者等のインタビューを基にして、その進展を克明に追っていて、現在進行形での内外の雰囲気を知ることが出来ました。私たちが訪れた頃より工程は遥かに進んでいて、実際に聖堂内部にある植物が群生しているような天井や抽象的な「受難のファサード」が見てみたいと思いました。完成までに300年かかると言われていたのを、現代の3D構造解析技術やコンピューター数値制御の石材加工機など先端のIT技術によって2026年に完成すると言われています。1981年に見たサグラダ・ファミリア、その時私たちは死ぬまでには完成が見られないと諦め、もうここに来ることもないと思っていたのですが、事情が変わりました。もう一度カタルーニャに行きたい、進化し続ける建築という独特で途方もない造形に触れたいと思い始めるようになりました。サグラダ・ファミリアは祈りの空間であると同時に、創作への刺激を続ける芸術の殿堂であろうと私は思っています。
    15‘最後の週末
    今日は2015年最後の日曜日でした。昨日と今日の2日間の週末を使って、陶彫成形2点完成を目標にしていましたが、何とかクリアしました。明日は勤務日、明後日は工房のロフトに作品を移動する日に当てているので終日の制作は出来ません。残りは30日と31日で陶彫成形を2点完成すれば、大晦日までの制作目標は達成できます。今日は中国籍の若いスタッフが工房に来ていました。彼女は3月に予定されている2人展のために、数枚のパネルに下塗りをしていました。私は陶彫成形に明け暮れました。集合彫刻は制作工程通りに部品を作っていかなくてはならず、かなりシステマティックな仕事と言えます。全体が見えてきた時に部品の交換もあると考えていて、余裕があればさらに自己イメージに近づけるのです。現段階では全体は見えず、ひたすら部品を作り続けるしかありません。現在作っている部品が徒労に終わらないようにするために、当初のイメージを確認しながら作業を進めていきます。夕方4時まで作業を行い、スタッフを駅まで車で送った後、私は補修剤を買いに出かけました。ロフトの屋根の内側部分に釘が所々出ているので、安全対策のため補修剤が必要なのです。明日勤務が終わった後、屋根の内側部分の補修を行う予定です。2015年最後の日曜日は慌しく過ぎていきました。夜になって年賀状の宛名印刷を始めましたが、なかなか気分が乗らず明日に持ち越しになりました。
    年末の制作目標
    今日から数えて6日間で2015年が終わります。職場には月曜日に出勤し、火曜日以降は休庁期間となり、やや長い休みに入ります。29日(火)は工房のロフトに作品等の荷物を上げる作業を行う予定でいます。彫刻家の後輩や職場で一緒に仕事をしている人が手伝いに来てくれます。28日と29日は制作が出来ないので、実質4日間が年末に制作可能な日になります。この4日間で、何をどのくらい制作していくのか、擂り鉢状になる新作の陶彫部品を一日1点ずつ作っていけば4点は出来ます。成形や彫り込み加飾をするために土練りや大きなタタラを準備しなければならず、4日間で4点というのはなかなか厳しい工程ですが、制作目標にして頑張ってみようと思います。日々制作するので、この期間は窯入れは出来ません。電力の関係で窯を使うと、照明等の電気が使えなくなるからです。休庁期間が終わってから窯に入れていくつもりです。作業としてやらなければならないことが、制作の他にひとつあります。ロフトを作った鉄工業者に言われたことですが、屋根板の所々に釘が出ているのです。初めに倉庫を建てた業者は、まさかロフトを作る計画なんてなかったので、屋根板の近くまで人が来るとは思っていなかったのでしょう。外側の屋根から打った釘が内側の板に出ているなんて気にもしなかったはずです。ここには補修剤を塗って安全にしておかなくてはなりません。そのための作業を29日前までにやらなくてはならず、しかも保管していた補修剤が硬くなっていたため、新たに購入に行く必要があるのです。何とも忙しい限りです。毎年のことですが、晦日の多忙感はなかなか抜けず、自宅の掃除もままならず、往く年を振り返る暇もありません。年賀状の宛名書きも気になっているところです。今日は取りあえず陶彫制作のための準備や計画を立てました。ウィークディがやっと終わった安堵感のせいか身体が動かず、疲労感に悩みましたが、明日は今日よりテキパキ動くことができると信じています。
    聖夜 お汁粉作り&映画
    私はキリスト教徒ではないので、クリスマスの意識はありません。若い頃に滞欧して、カトリック教会の厳かな式典や正教会の素朴な祈りに触れて、宗教のもつ純粋な祈祷に心が動かされたことがありました。そういう意味では日本のクリスマスの気分は馴染めませんが、家族で過ごす暖かい時間と考えれば、生活のほとんどが欧米化した今となっては、これはこれで良いのかもしれません。私の職場では今日で仕事上の一区切りを迎え、恒例になった大鍋コミュニケーションを行いました。これは管理職からのサービスです。大鍋では今まで豚汁やケンチン汁を作ってましたが、今日は趣向を変えて、お汁粉を作りました。お汁粉には栗と餅を入れました。若い男性職員たちが豪快に食べてくれて大いに感謝です。職場も大家族と考えて、クリスマスに多少でも暖かい時間を作ろうとしたのでした。勤務時間を終えて帰宅し、改めて横浜の中心街に映画を観に出かけました。レイトショーに間に合うように車で行き、コインパーキングに止めました。家内が風邪気味で、しかも週末の演奏活動があるため今晩は私一人で出かけました。聖夜にオッサン一人が場末の映画館に入るところは、孤独を絵に描いたようで思わず失笑してしまいました。やはり聖夜だなぁと思ったことは、映画館には私の他に学生らしい男性が一人だけで、2人でスクリーンを占領する羽目になったことです。確かに万人に受けるとは思えない映画でしたが、私には刺激的でした。上演されていたのは「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」というスペインの建築家ガウディの未完の教会に関するドキュメンタリー映画でした。内容は構想段階から常軌を逸した創造性に富み、現在も現代建築の粋を集めて、ガウディの意思に迫ろうとする建築家や彫刻家、職人集団の裏側を描いていて、大変面白いと感じました。詳しい感想は後日改めますが、キリスト教の祈りの空間を作ろうとして奮闘している人たちの映画を観るのは、聖夜にしてこれ以上のタイミングはないと思いました。