2015.01.08 Thursday
昨日のNOTE(ブログ)に書いた「イメージのひとり歩き」で紹介した夢は、最近よく見る彫刻の夢です。この虚無な人体表現をRECORDでやってみようと思い立ち、元旦から取り組んでいます。モノのカタチがどこまで失われたらカタチを留めなくなるのだろう、そこにポッカリ空いた空間はモノの残像をどのくらい留めているだろうか、そんなことが脳裏に浮かんでいて、それが夢で見る彫刻作品に通じているのではないかと思っています。昨年ハイデガーの存在論に親しみ、存在そのものを考える機会を持ちました。そこにモノがあって自分の視界に入り、モノをモノとして解釈している表象を、もう一度学術的論考によって捉え直す、そうした哲学に興味を覚えました。それなら存在に対する視覚的な試みをしてみたいと考えました。今月のテーマを「在」に決めました。「在」は「不在」があるから「在」として存在できると考えます。平面作品であれば図像として表すことが可能です。そんな思索を視覚表現で伝えられるかどうかわかりませんが、今月はともかく「在」でいきたいと思います。
2015.01.07 Wednesday
夢の中で思い描く立体作品があります。自分がもう一度彫刻を学ぶ学生に戻ったら、どんな作品を作っているのだろうと、イメージの中で遊ぶ自分がいるのです。夢で見る作品は鉄の廃材を寄せ集めた人体彫刻です。ジャコメッティのような細い人体、いや全身が細いわけではありません。手や肩、腰や足は古くなった機械の一部を使った鉄材で作られて、その部位がわかるような塑造がなされています。あとは細い鉄筋のようなもので作られ、かろうじて人体が立ったり、ポーズをしたりしている虚無な彫刻です。師匠の池田宗弘先生が作る真鍮直付けの猫には、痩せ細って骨だけになり、腹に穴のあいた凄まじい作品があります。その存在感が若い頃の自分に強烈な印象を残していて、夢で見た人体作品も穴だらけの途切れ途切れになったカタチを自分にイメージさせるのだと思っています。自分は真鍮ではなく鉄で作っていて、それは茶褐色に錆びた屑鉄です。これほど鮮明なイメージに囚われている自分は、夢の中では若々しい学生で、これからこの彫刻を発展させるべく意気揚々としているのです。まさにイメージのひとり歩きですが、定年になり時間が出来た時は、果たしてこのイメージを具現化しようという境地に立てるのでしょうか。
2015.01.06 Tuesday
一日1点ずつポストカード大の平面作品を作り続けて8年目に入りました。すっかりRECORDは習慣として定着していますが、日々作品を生み出す苦しさは年月を重ねても変わるものではありません。自分は生真面目な性格で、ある水準まで作品を押し上げていかないと納得できず、やり直しをすることもあります。自己変革が難しければ、納得できるまでやっていくしか方法がないと思います。少なくても作品化しやすいテーマを掲げれば、試行錯誤する負担が軽くなるのではないかと考えています。昨年のテーマは難しかったと振り返ることがあって、いっそのことテーマを設けずにやってみようかと思いましたが、ある程度手枷足枷があった方がイメージしやすいと思い止まりました。そこで今年の月別テーマは漢字一字とします。2013年にも漢字一字をテーマにやっていました。その時は起、築、束、跳、響、結、流、棲、渦、塔、脚、環を12ヶ月でやりましたが、今年はそれに重ならないような漢字を考えていきたいと思います。今年も頑張っていきたいと思います。
2015.01.05 Monday
「発掘~群塔~」の窯入れを行いました。2015年の初窯入れになります。成形した陶彫に彫り込み加飾を終えて、乾燥すること1ヶ月余りが経った部品が、現在20数点あります。そのうち4点を選んで表面処理を施しました。表面処理というのは、まず指跡を消すためにヤスリを掛け、その上から化粧掛けをして窯に入れるのです。今回は陶彫部品が大きいため4点しか窯に入りませんでした。今週は初窯なので、これ1回のみで窯の調子を見ようと思っています。例年は1週間に2回窯入れをします。1回の窯入れで3日、2回目3日かかるので、ちょうど1週間になります。これは二束の草鞋生活をやっている自分には好都合なのです。月曜日から金曜日は焼成期間と決めていて、毎週末に制作を行い、日曜日の夜に窯入れを行うと次の土曜日の朝までに2回分の焼成が終わっているのです。陶彫部品は大きさがまちまちで、窯にどのくらい入れられるのか、そのつど考えながら窯に入れています。この時期から暫くの間は燃料費が跳ね上がりますが、これは仕方ありません。陶彫の面白さは何と言ってもこの焼成にあります。炎の神のみぞ知る土の変貌が、緊張を伴って迫ってくるのです。自分の手塩にかけた分身を最終的に神に委ねる行為。こればかりは陶に憑かれた作家でないとわからないのではないかと思います。
2015.01.04 Sunday
今日で休庁期間が終わります。休庁期間に入る前に立てた制作目標は達成できませんでしたが、午前9時から午後4時までを制作時間として、毎日精一杯やりました。「発掘~群塔~」の屏風部分7点のうち3点は、密度の濃い陶彫部品が接合されるのですが、この部分の成形や彫り込み加飾はほぼ終わりました。残り4点は比較的軽めの陶彫部品を接合する予定です。この4点については今後の制作になります。元旦の初詣と3日にあった従兄弟会に午後の時間を割きましたが、それ以外は全て制作に充ててきました。無理をしないように留意しながら作業をやりましたが、左肩が痛くなって毎晩家内に湿布を貼ってもらいました。この時期は近隣のスポーツ施設に通うこともなく過ごしていたので、左肩に負担がかかっていたのかもしれません。陶彫制作は同じ姿勢で何時間もやっていることがあって、その自覚がないのが危険なところです。制作中の精神力が打ち克っても筋肉痛は消えるものではありません。夜の自宅ではぐったりしていました。休庁期間の成果としては、まずまずの出来だったと振り返っています。制作工程の厳しさは今後も続きますが、「発掘~群塔~」が着実にカタチになっています。工房に行くのが楽しみになっています。それにしてもこの時期の工房の寒さは半端なものではありません。若い大学院生たちがよく来ていて感心してしまいます。