Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 三連休の真ん中で…
    台風18号が関東地方に迫る中、朝から工房で制作三昧でした。午前中の雨風は相当激しかったのですが、午後は晴れ間が覗きました。湿度は高かったものの気温は凌ぎやすく楽でした。今日から木材加工と併行して土練りを始めました。新作は陶彫の彫り込みに時間を要するため、陶土の用意をしておきたいと思ったのでした。新作の全体イメージの把握、そして実際の雛型もあって、今回の陶彫部品で覆われる塔は、比較的わかりやすい制作工程を組むことができます。どのくらいの陶彫部品が必要か、ひとつの陶彫部品を作るために彫り込み加飾を含めてどのくらいの時間が必要かを考えると、木材加工に関わりながら陶彫制作も進めていかなければならないと思っています。陶彫は最終工程で窯入れをするため、逆算して工程を組んでいく必要があります。失敗も考慮しなければならず、作業に猶予がないことがわかりました。明日も頑張ろうと思います。
    創作活動の連帯感
    自分が大学で彫刻を学んでいる時は、同じ志を持った多くの仲間がいました。当時は仲間の習作に刺激を与えられ影響も受けました。大学卒業とともにそうした環境が失われ、その後は自分一人で制作する日々が続いています。大学時代の仲間は地方に住んで制作をしているので滅多に会えず、今夏の個展の時に久しぶりに旧交を温めた次第です。その中で自分の後輩が、自分に近い環境で制作していて、たまに工房を訪ねてきます。彫刻は個々の創作活動ではありますが、後輩との連帯感を持てることの幸せを感じるのです。池田宗弘先生との師弟関係も自分にとっては大切ですが、まずは同じ市内に住み、同じ二足の草鞋生活を送る後輩から自分は元気をもらっています。後輩は廃材となった生徒机の天板を素材に使う木彫家です。二科会に応募を続けていて、今回も入選を果たしたので彼の新作を見に行きました。積層の木材を彫り込み、蔦が蔓延るような有機的な生命体を感じさせ、紐状に彫られた部分は束ねられたり、解かれたりして空間を縦横に走ります。今回注目したのは紐状の形態に囲まれた内臓空間です。H・ムアの彫刻以来、空洞のある彫刻は珍しくなくなりましたが、作品を軽やかに大きく見せられるので、空間の扱いとしては有効だと思います。彼がますます発展していくように願って、東京国立新美術館を後にしました。
    ETV特集「ガタロさんが描く町」
    先日、NHKのテレビ番組で異色の画家を取り上げた特集を組んでいました。先月深夜に放映されて家内がたまたまその番組を見ていたのでした。それは団地の清掃員をやっている60代男性の生きざまを取材したもので、清掃用具庫の一角にアトリエを構えていて、その描いている絵の迫力が凄いと家内は言っていました。先週の土曜夜11時にETV特集選として再放映されるのを新聞で知って、私も見てみることにしました。ガタロさんは広島の団地内にある商店街の清掃員で、トイレの便器をひとつずつ丹念に掃除する映像が流れていました。番組の前半は雑巾やモップで懸命に掃除する姿が、社会の底辺を這うようにして描かれていますが、後半になると奥さんとの家庭生活や表現手段としての絵画制作があって映像に若干変化が出てきます。汚物を処理するモップ等清掃用具に愛着を感じ、拾ってきた描画用具で、清掃用具をモチーフにして素描しているガタロさんの姿が印象的でした。数百点の原爆ドームを描いた絵や、ホームレスの男性を描いた絵も迫力に満ちて作者の発言より雄弁です。絵にしたい動機、迸る筆致、身近な道具を愛おしむ感情が剝き出しになって表れていて、久しぶりに秀逸な作品を見た気がしました。
    HPのGALLERYに「混在」アップ
    地球規模の地図を見ていたら、森林を開墾しながら街が菌のように広がって、まるで傷口にかさぶたができたように思えました。例えが悪いのですが、私たちの住む都市は俯瞰すると決して美しくはなく、宇宙から青く見える地球が傷だらけになって病んでいるようにも感じました。日本では原発の汚染水の処理が大きな問題になっています。他国も大なり小なり環境汚染の問題がないとは言えません。これは地球にかかるストレスでしょうか。地震や津波、火山の噴火は人的影響が全てではないことは承知の上で、やはり地球規模の地図を見ると、あれもこれも人間の仕業と思えて仕方ありません。「発掘~混在~」は制作中に東日本大震災が起きました。震度5強でも陶彫は落ちて割れることはありませんでしたが、その後の大震災の状況を見るにつけ、陶彫部品を多少差し替えて全体イメージの変更を行いました。ホームページのGALLERYに「発掘~混在~」をアップすることになり、当時を思い出しました。最後に付け加えた短文に、自分が見た地図のことを念頭に入れてコトバを捻り出しました。ホームページのGALLERYに入るには、このNOTE(ブログ)の左上にある本サイトのアドレスをクリックしてください。扉の画像が出てきますので、GALLERYをクリックしていただけると入れます。ご高覧いただけると幸いです。
    「縄文の音」を読み始める
    先日まで読んでいた書籍で縄紋文化に興味が出てきて、次なる書籍を探そうとしていたところ、自宅の書棚に以前購入した「縄文の音」(土取利行著 青土社)を見つけ、これを読むことにしました。いつ購入したものか忘れていますが、まだ読んでいないことだけは確かです。「縄文の音」では「縄紋」の表記を「縄文」にしているので、これからは「縄文」という文字を使います。縄文時代には優れた造形美術が発掘されていますが、音楽や演劇、宗教行事に関しても優れていただろうことは想像がつきます。人が演じる媒体だけに記録が残っていないというだけで、残存している美術だけが突出していたとは考えにくいのです。本書に描かれる音響の再現を通じて古代に思いを馳せてみたいと思います。著者は打楽器奏者で考古学者ではありません。学者の協力を得て実際の音に触れる機会があると思います。縄文人の心を知るには、学術的な研究だけではなく、芸術芸能に携わる人がその知識や感覚を駆使して臨むのが良いのではないかと思います。通勤時間帯の読書が楽しみです。