Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 直弧紋 模写による追体験
    今月のRECORDは初日より直弧紋に拘り続けています。最初の1点目は井寺古墳出土の直弧紋の模写をRECORDに描き写しました。古墳の図版から見てRECORD用紙と縦横の割合が違うので、そこは用紙に合うように割合を変えました。用紙に渦巻紋を描いて、そこにX印をつけて、太古の人々がどのように抽象化をしていったのか追体験をしました。2点目から発展を考えて、自分なりの直弧紋をデザインしてみました。分割した面積が模写と同じになるようにして抽象的美しさを追求し、曲線と直線のバランスを考えました。遍く20世紀抽象絵画を知る自分でさえ直弧紋のアレンジには苦しみました。直弧紋を作った人々の斬新な感覚には驚きます。色面を反転させている箇所もあって、その微妙な割合に考え抜かれた美しさがあります。キュビズムというより構成主義に近い計算された美的要素があります。直弧紋模写の追体験は今日で10日間に及びますが、オリジナルを超える難しさに立ち向かいながら、21世紀に生きる自分が直弧紋から何かを掴もうとしているのです。
    9月RECORDは「渦」
    今月のRECORDのテーマを「渦」にしました。渦巻紋や直弧紋のことを先日来よくNOTE(ブログ)にアップしていますが、実際に図版資料をもとにキュビズム紋と言われる直弧紋を自分なりに試みてみたい意欲に駆られていて、9月初めから取り組んでいます。まず、古墳の直弧紋を模写し、それに基づいて随時展開しています。渦巻紋は古代人の気持ちになって取り組んでみたいのです。また、現代の芸術家で言えば、ウィーンにいた頃にお会いしたことのある故F・フンデルトワッサーのオートマティックな渦巻きが画面いっぱいに描き込まれた作品が目に浮かびます。過去、自作の陶彫にも渦巻きを彫り込んでいます。渦巻きは自分にとって大好きな意匠のひとつで、成形した陶彫に彫り込み加飾をしようと思うと必ずや渦巻きのイメージが出てくるのです。RECORDとは一日1点葉書大の平面作品を作ることを称していて、文字通り日々のRECORD(記録)です。渦巻きの古代太陽神信仰を重ねながら、さらに渦巻紋を楽しんでみたいと思います。今月も日々頑張ります。
    週末 職場での地域防災訓練
    今日は休日出勤して、地域防災拠点となっている職場での防災訓練を行いました。横浜駅に最も近い公的施設である職場は、震災や津波があれば防災拠点としての役割を担います。被災した人々の受け入れ、施設の開放、簡易トイレの設置等を行い、私たち職員も全面的に協力をしていく姿勢でいます。今日の訓練では受け入れ訓練の他に心肺蘇生訓練などを時間をかけて行いました。もし有事があれば、周囲を河川に囲まれている職場は、震災のみならず津波にも備えなければなりません。昨年屋上に津波スピーカーが設置されました。市危機管理局から直接放送が流れ、地域住民に避難を呼びかけるのです。職員も全員が最上階に避難するような訓練を行っています。海抜1メートル以下の低地にある職場は、常に危機管理の判断に迫られ、今日のような地域防災訓練にも力が入るのです。逆に私の家や工房は横浜駅より離れた小高い丘にあります。津波の心配はありませんが、生活物資のラインが止まるかもしれません。おまけに自宅が指定されている地域防災拠点施設は遠く、避難経路に土砂災害が発生する可能性もあり、自宅で3日間耐えるだけの食料や水を確保しておかなければならないと考えています。家内が折に触れて防災グッズを集めていますが、備えあれば憂いなしといったところでしょうか。
    週末 新作板材の組み立て
    先週末に厚板を切断し、今日は厚板の部品が円錐形になるように組み立てを始めました。新作の塔は陶彫部品を厚板にそれぞれ接合して、完全に板材を陶彫が覆ってしまう構造になります。重量のある陶彫部品を複数接合するので、それに耐える板材にしなければならず、補強も必要になります。最近ちょっとした地震があって記憶を新たにしたのですが、作品展示中に大きな震災に見舞われることだってあるかもしれません。今日は朝から工房で補強材をどうするか考えて、木片を数多く作ることにしました。これは創造的な仕事ではありません。でも必要なことなので今週末2日間を組み立ての作業に費やしたいと思っています。明日は休日出勤があって一日中作業ができませんが、時間を見つけて構造体を万全にしたいと思っています。
    「渦巻紋と輪廻転生」読後感
    「渦巻紋と輪廻転生」(藤田英夫著 雄山閣)を読み終えました。本書は分厚い専門書ではなく、私にも充分理解できるプロトタイプで、しかも刺激的な論考ばかりだったので、NOTE(ブログ)に引用文を多用してしまいました。まだまだ注目したい文章があったのですが、次に読もうとしている書籍にも通じるものがあるので、ここで「渦巻紋と輪廻転生」はまとめにしたいと思います。「海洋水運国であった日本は、このように北から南まで広範囲な自由交易が縄紋社会の経済を充分にうるおし、縄紋の豊かな社会基盤を支え、エネルギッシュな前衛芸術土器の製作活動を可能にしていたことを忘れてはならない。このように活発な自由交易がなければ、前衛的芸術土器文化も土偶文化も、次世代の装飾古墳も決して生まれなかったのである。単なる狩猟採取だけで食いつなぐ原始生活をしていただけならば、土器は日常の粗末な飲食用のものしか作らず、縄紋文明とも言えるほどの前衛的土器は決して生まれなかったであろうことは、弥生時代の土器や世界各地の土器を見れば分かる。」ここで自分が注目したのは広範囲な自由交易です。かつて訪れた青森県の三内丸山遺跡で見た大型竪穴住居跡は何を物語っているのか、本書によれば交易品の貯蔵庫であり、渡来人の宿泊施設であったのではないかとしています。考古学は仮説を立て、調査を行い、立証するモノを集め、結論を導き出すという地道な過程を経ますが、私たち門外漢にも空想する余地が与えられて、とりわけ芸術分野になると自分の興味関心は最高潮に達してしまいます。今後さらに関連する書籍を求めていきたいと思います。