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  • ピラネージの「牢獄」連作
    町田市の国際版画美術館で開催されている「ピラネージ版画展」で、最も自分の心を捉えた作品は「空想の牢獄」として制作されたエッチングのシリーズです。ざっくり描かれた空間は、閉塞感はあるものの外からの光に照らされて石壁や階段、鎖や刑具が置かれている状況がわかります。連作はどれも錯綜する建築的要素が形作る空間、モノクロのコントラスト、舞台装置のような幻想的な雰囲気を持っていて、何か得体の知れない感動を呼び、自分はしばらくそこに立ち尽くしてしまいました。作品にのめり込むというのは久しぶりに味わう気分でした。自分が現在取り組んでいる架空都市に似た空気を感じたせいでしょうか。この連作が欲しい、手許に置きたいと感じたのも初めてでした。それより何かわからない、言いようのない空間に対するイメージをこの「牢獄」連作から授かった気がしています。むしろ心に留めている漠然としたイメージの方が自分には有難いのかもしれないと感じています。Yutaka Aihara.com
    「ピラネージ版画展」へ…
    東京都町田市にある国際版画美術館で現在「ピラネージ版画展」が開催されています。18世紀のイタリアで活躍した著名な版画家ピラネージは何かの図版で見ていましたが、内容を知ったのは谷川渥著「廃墟の美学」からです。以前この本に関するブログを書いた記憶がありますが、本で紹介されていたピラネージのオリジナルが見たいと思っていたところでした。公務の合間に急いで見た「ピラネージ版画展」でしたが、途中から目が離せなくなり、また最初の部屋に戻って初期から見直すほど気持ちが入ってしまいました。崩壊されたローマの遺跡の美しさ。透視図法で描かれた古代都市の景観の壮大さ。エッチングによる濃淡の遠近感。版画の中を目で散歩して、倒れた石柱に腰をかけて空を眺める空想に浸りながら、ピラネージ自身が奇想空想で描いた古代世界を堪能しました。現実にあったであろう在りし日のローマの姿と、崩れ去り草木が覆うローマの姿がともに印象に残り、人が構築したものの哀しさを感じることができました。
    図形に縄が絡むイメージ
    ポストカード大の平面作品RECORDの今月のテーマは「半円形」です。その半円形に縄が絡まっているイメージを、このところずっと追い続けています。抽象形態で始まった今年のシリーズですが、現在は具象傾向の強い作品になっています。縄や糸が絡むイメージの作品は、幻想絵画に多く見られますが、自分は彫刻的な模索として考えながらやっています。ひも状のものを物体にぎゅっと巻き付けたり緩めたりするのは作品に緊張感や抑揚を持たせやすし、さらに何か謎めいた意図も含めることができるので、表現としてはいい効果を生むのです。今まで幾何形体を見つめてきたので、そろそろ発想の揺り戻しがあって、具象に向っているのかもしれません。来年のテーマを考えつつ毎日毎日小さな紙を見つめています。            Yutaka Aihara.com
    15cm四方の陶彫矩形
    一辺15cmの正方形。陶土で作ったその矩形に少々高さをつけてみました。これを基本の形態にして4つほど作りました。あとで上部の正方形に加飾してレリーフ状にしようと思っています。これを毎日ひとつずつ作れれば、RECORDと同じ一年間365点になり、昨日のブログに書いた構想が具現化できるはずです。毎日陶土を練って、たたらにするのは時間的にも困難なので、週末に一週間分7つの基本形態を作り上げ、加飾だけ毎日のノルマにすれば何とかなると考えました。すべて15cmの正方形が上部につく高さがまちまちの矩形です。ギャラリーの床に散らせて置くと、それだけで「場の空間」が演出できると思います。とりあえず試作開始。まず実験として、今日たたらから基本形態に成形した4つの作品を作って焼き締めようと思います。
    陶彫によるRECORDの構想
    ポストカード大の平面作品を一日一枚ずつ作っているRECORDはもうすぐ2年が経とうとしています。昨年の12月頃作ったRECORDには半立体になった作品があります。平面に板や厚紙を貼り付けてレリーフ状にしたものです。この週末から考え始めた新たに展開するRECORDは完全な立体表現です。かつてブログに365点で構成される立体作品のイメージを書いた記憶がありますが、これが実現できるかどうか試作してみようと思っているのです。ただし、これを今までのようなRECORDにするかどうかは検討中です。自分の中には彫刻と併行して平面表現をやっていきたい欲求があるからです。とりあえず今日と明日は木彫をする傍ら、陶土で直方体を作り、まずひとつ陶彫作品を作ってみようと思います。どのくらい表現の可能性が考えられるのか、手間や時間はどうか、一日一点作るのであれば試作をしてみないと始められないと思います。                Yutaka Aihara.com