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  • 22’個展オープニング
    2022年の個展開催になりました。これでギャラリーせいほうでの個展は17回目になります。前にもNOTE(ブログ)に書きましたが、17年間で一度も休むことなく個展が開催できたのは奇跡ではないかと思っています。その間、病気や事故がなく健康を保ちつつ、元気に創作活動に邁進出来たことが、今の私には誇りに思えてきます。制作は薄い紙を一枚ずつ重ねていくようなもので、日々の実践と思索が生んだ賜なのです。時間の蓄積は私に何かを教え、また精神の豊饒を齎せてくれました。その個展ですが、今日は17回目のオープニングを迎えました。私は何度もオープニングを経験してきましたが、常に新作が眼前にあるため、慣れもありません。実のところ満足もありません。日々の実践と思索で言えば、まだ目指すところの途中経過に過ぎず、個展はちょっとしたピリオドでしかないと私は考えていて、ここで一息ついたように感じるのです。組立て終わった作品を見ていると欠点も見えてきます。空間の脆弱なところもあって、今回発表した新作を見ていると辛くもなります。今日から個展会場に一日中私はいるわけですが、自作と対峙しているとかなり疲れます。ここをこうすればよかったという後悔と力量の足りなさに私は苛まれるのです。そんな私の心情とは関係なく、わざわざ鑑賞者が東京銀座までやってきてくれます。これは感謝しかありません。少なくても鑑賞者が来廊して良かったと思える作品を、私は提供したいと思っています。嘗ての同僚や、同じ時代を校長として過ごした仲間が来てくれると本当に嬉しいものです。毎年取材されている美術評論家の方にも来ていただきました。親戚の家族もやってきました。カメラマンもホームページやお礼状に使う画像を撮影していきました。今回のオープニングは、いろいろな人が出入りする中で充実した時間を過ごせました。明日以降も私はギャラリーに通います。
    週末 17回目の個展搬入日
    普段から工房に出入りしている若いスタッフが3人、運送業者2人、それに家内と私の合計7人で、朝10時半より個展出品の運搬作業に入りました。今年の作品は厚板材が多く、ビニールシートで包んだ量が結構ありました。それらを積んでから、陶彫部品を収めた木箱18個を積みました。横浜の工房を出発したのが11時前でした。トラックと乗用車で首都高速を飛ばし、東京銀座のギャラリーせいほうに到着したのが12時でした。梱包を解き、梱包材は運送業者に預かってもらいました。スタッフたちと昼食に出かけたのは、3年振りになる銀座ライオンの本店でしたが、昨年まではコロナウイルス感染症対策で弁当を注文していました。午後1時過ぎから彫刻の組立てを開始しました。「発掘~崩層~」の設置場所に頭を悩ませました。自分が考えていたより作品が大きかったのでした。何とか収まりの良い場所を決めて、三層構造になる組立てをしました。その次に「発掘~灰壁~」を組立てました。今回小品は6点あり、それぞれを展示台に乗せました。照明は例年やってくれている後輩の木彫家にやっていただきました。彼を含めてスタッフたちがよく動いてくれました。搬入も搬出もスタッフたちの力を借りなければ、私には何も出来ません。私は自分だけでは何も出来ない作品を作っていて、毎年彼らのおかげで個展が成り立っているのです。それを私は17年間毎年やっています。これは幸運以外に何ものではないと実感しています。首都高速を走る車の中で、私は、あぁ今年も個展が出来て良かった!と呟いてしまいました。病気や事故があれば制作はストップするし、個展が継続できる保証はありません。協力を惜しまないスタッフたちが毎年いてくれるのも奇跡だし、私の健康も奇跡だろうと思っています。明日は17回目のオープニング。懐かしい人たちに会えるのが楽しみです。
    週末 搬入前の最終チェック
    明日が個展の搬入日です。今日は既に梱包して準備が整った荷物や作品組立てに必要な道具などの最終チェックを行ないました。図録は300部くらいをケースに入れました。搬入から作品組み立てをイメージしながら、忘れ物がないように心がけました。個展は今回で17回目になりますが、過去には接合用のボルトナットを忘れてしまったり、陶彫部品の一部がどこかにいってしまったり、焦るような事件もありました。明日無事に作品が組立てられることが出来たら、ホッと胸を撫でおろせるだろうなぁと思っています。この一週間は梱包が終わっていたので、来年の最新作に時間を割いていました。土練りやタタラ、成形や彫り込み加飾をやっていました。来週は個展会場にずっといるため工房に行けないので、今日は作りかけの成形作品にたっぷり水を打ちました。陶土はビニールシートで包んでいても固まってくるので、週の途中で一度くらい様子を見なければならないかなぁと思っています。木曜日は東京の六本木に書道展や美術展を見に出かけました。金曜日はギャラリーせいほうに出来上がった図録を30冊持参して打合せをしてきました。午後には馴染みのあるミニシアターに行って映画を観てきました。今週は多少の余裕が出来たので鑑賞を織り交ぜた一週間を過ごしました。
    図録持参&名残惜しい映画館へ…
    昨晩、個展の図録1000部をカメラマンが自宅に届けてくれました。今日はそのうちの数十冊を持って、東京銀座のギャラリーせいほうに行って来ました。来週月曜日から個展があるので、ギャラリーの田中さんに今年の作品をひとまず図録を通して知っていただこうと思ったのでした。またギャラリーの方でキャプションを準備するので、これも図録を見れば一目瞭然なのです。前に案内状を届けたり、今回は図録を届けたりして、徐々に個展開催への気分を上げていくのが、私の恒例となった行事です。個展が始まれば、私はずっと会場にいることにしています。ちょうどギャラリーに勤務しているような按配になるので、いくら東京に出かけても美術展や映画館を回ることが出来ません。そこで昨日と今日は今のうちに見たい展覧会や映画に行っておこうと考えたのです。今日は今月29日で施設を閉鎖する岩波ホールに行きました。54年の長き歴史に幕を閉じることもあって、岩波ホールには多くの観客が来ていました。岩波ホールは日本のミニシアターの先駆け的存在で、私も学生の頃からお世話になりました。岩波ホールが最後に選んだ上映作品はイギリス映画「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」でした。これは作家のチャトウィンの伝記ではなく、彼が放浪するように歩いた記録を映像で辿った、野生と詩に満ちた映画です。とりわけオーストラリアのアボリジニの神話にある「ソングライン」という道程に、私は不思議な感慨を与えられました。詳しい感想は後日改めますが、岩波ホールの最後を飾る上映に相応しい作品だなぁと思いました。今日は名残惜しい映画館岩波ホールに改めて別れを告げて、その記憶をしっかり脳裏に刻みつけました。
    東京の書道展・美術展の散策
    久しぶりに家内と東京六本木にある国立新美術館に行って来ました。私の嘗ての同僚で、現在も中学校校長の立場にある友人から、「毎日書道展」のチケットをいただいていて、彼の作品が奨励賞になったという情報があったために出かけたのでした。彼が書をやっているおかげで、私は毎年大きな書道展に出かけて、そこで現代における書の力作や多様な世界観を堪能できるのです。書の多様性については、抽象絵画に見紛うほど面白い構成要素があって、展覧会そのものはかなり楽しめる内容になっています。どんな文字が書いてあるのか、それを解読しなくてもいいのではないかと私は思っていて、純粋に白と黒の鬩ぎ合いに興味を持つことで、造形世界に自分を遊ばせられるのです。絵画と違うのは、一筆で書く勢いや色彩の要素をギリギリまで削ぎ落とした単純さにあって、その力強さと繊細さは、私の創作意欲を沸き立たせます。彼の作品は定番とも呼べる漢文の詩を書いたもので、斬新なものではありませんが、運筆の巧みさは充分伝わってきました。彼の作品からバランス感覚の良い性格も感じ取ることが出来ました。今日はせっかく国立新美術館にやって来たので、同時期に開催している「ルートヴッヒ美術館展」にも入場しました。私は若い頃、ドイツ語圏の国に5年もいたにも関わらず、ケルンには立ち寄ったことがなく、ルートヴッヒ美術館を初めて知った次第です。やはりドイツにある美術館らしくドイツ表現主義の作品が充実していました。その中で私が好きなK・コルヴィッツやE・バルラッハの彫刻が見られたのは幸運でした。ルートヴッヒ美術館は欧米の現代美術作品の収集にも積極的で、ここで20世紀を牽引した前衛作品が見られるとは思ってもみませんでした。「ルートヴッヒ美術館展」の詳しい感想は後日改めたいと思います。夜になって、自宅に懇意にしているカメラマン2人がやってきました。私の個展の図録が出来上がったので1000部を届けに来たのでした。図録はこれで17冊目になります。同じサイズで作っているにも関わらず、毎回作品が変わるので、今回の図録も新鮮な趣が漂っています。明日このうちの何十冊かを持ってギャラリーせいほうに行ってこようと思っています。残りの大量の図録は搬入時に車で持って行きます。